2月18日、三浦大知がNHK「うたコン」で久保田利伸の『Missing』をカバーしてた。
『Missing』を歌う前、当然のように胸に左手当てて深くお辞儀する三浦大知…
三浦大知はそういう人間。曲に対して、曲を作ったミュージシャンに対しての最大限の敬意を払う。それは有名になった今も変わらない…
もし、俺が三浦大知だったら、三浦大知みたいに上手く歌って踊れたら2兆%調子こいてますよ。
絶対私服とかバカデカいグラサンかけるし、刺繍入った革ジャン羽織るし、ボロボロに穴空いたジーンズと先の尖ったクツ履いてる。ドクロのネックレスと指輪するし、ポッケから半分出るくらいのスタッズバチバチの長サイフ使ってるし、外国のタバコめっちゃ吸ってる。スタッフとか共演者に挨拶なんて絶対しないし、足組みながらイスの代わりにスタッフの上に座ってるし、口癖「お前、俺のこと誰だと思ってんの?三浦だよ?消すよ?」になってる。
でも三浦大知はそうじゃない、誰に対してもなにをしてても「謙虚」。演者にもスタッフにもファンにもすべての人に対してリスペクトがある。どれだけ上手く歌って踊っても「俺スゴいでしょ感」を1ミリも出さない。私服も紆余曲折を経ていまめっちゃ質素。無地のブカブカのロンTめっちゃ着てる。
三浦大知はよく、
「僕は歌とダンスしかやってこなかった」
と武道極めた達人のジジイみたいなことを言うんですよ。でもこの言葉には嫌味がまったくない。自慢でもなんでもない、ただ真実として、誰よりも歌とダンスに対して真摯に向き合ってきたからこその発言。いかに好きなことだろうと「それだけをやり続けること」がどれだけ難しいか。…え、前世なんですか…?人間、何回目…?
そんななか、披露された『Missing』
Missingは俺もカラオケで好きな女子に歌ってたら「震える瞳が」あたりで急にその子がスマホいじりながら部屋から出ていってそのまま二度と帰って来なかった経験があるくらい歌いこんでるんですが、出だしがマジで難しいんですねこの曲。
「言葉に出来るなら…」
ここミスったら終わり。まごうとこなき地獄。俺はめでたく地獄に堕ちました。なのに三浦大知は…
「こォ…」
1文字半、たった1文字半で、そこは「三浦大知の世界」になった…
色んな人間がMissngをカバーしている中でここまで優しいMissingがかつてあったでしょうか。俺のMissingがあらゆる生命を殺し、断つデスMissingなのに対し、大知のMissingは全てを救い、赦(ゆる)すライフMissing。優しい…どこまでも優しく…あったかい…すべてを包み込む歌声。大知の声はこんな俺まで救ってくれる。俺は三浦大知に毛布かけられた…
しかもただ「優しい」だけじゃない。三浦大知の歌声は優しいと同時に「強い」。Cメロの
「黄昏にィィイイイイイ!!!精一杯の息を吸ってェエエエ!目を閉じるゥゥゥウウウウ!だけェエエエエオォォオオオオオ!アイラビュゥゥゥウウウウ!」
あれだけ踊れる人間が地に足をつけて「歌のみ」にパワー全振りしたらそれはもう人間じゃなく龍。ドラゴンの雄叫びです。「強いからこそ優しくなれる」この言葉を体現した歌声。最高。最高だった。
自分の色をしっかりと出しつつ、そこにちゃんと原曲のエッセンスを残して「久保田利伸の曲」として歌う。そこにはやっぱり久保田利伸へのリスペクトがあって愛してるからこそ、何百回、何千回とMissingを聴きこんだからこその、この完成度。だから三浦大知の歌うカバーを聴いて「なんか違うな」「お前が歌うな」と思う人間はいない。ジャクソン5の『I WANT YOU BACK』を歌ってたときから…ピーキーズウィンドウを開いてたときから…なにも変わってない…大知…
そして大知dayはこれだけじゃ終わらなかった。『うたコン』終わりでラジオ『星野源のオールナイトニッポン』に生出演する大知。いや帰って寝ろよ。少し休んでくれよ…
星野源とのラジオは今回で二回目。企画は「星野源 presents デモ-1 グランプリ feat. 三浦大知」。リスナーからの完全オリジナル曲を送ってもらい、選ばれた11曲の中から星野源と三浦大知が1番を決めるというもの。
完成度もクオリティも様々、良くも悪くもなんでもありのカオス音源が送られてくるなかで2人の音楽に対する「優しさ」に再び心をやられた。言ってもプロ中のプロの2人からしたら、つたない、素人の音源なのに、とにかく「褒める」。しかも的確に、説得力のある言葉を使って曲の素晴らしい部分をガシッと掴まえて評価する…なんですかこの徳の高さは…あの…もう一回言いますけど、人間…何回目ですか…?
それで、話の流れで星野源に
「体力づくりってどうしてるんですか?もうオバケ。体力のオバケ。あんなに踊って歌ってをずーっとやるわけでしょうが?意味がわからないんですよ。すごいよ」
って聞かれてたんですけど、
「いやー、でも、なんか『ずっとやってるから』だと思いますね…子供のころから、そればっかりなので…」
また言ってる…オバケ怖…
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