『左様なら今晩は』1話(1/9)
— 山本中学 (@yamamotochugaku) November 2, 2019
ふられたばっかのサラリーマンと(ちょっとエッチな)オバケ女子の同居生活👻
〈ヤングキング掲載/山本中学〉 pic.twitter.com/Cgtv9UITAE
結婚間近に彼女にフラれた男・陽平と、その部屋に取り憑いている地縛霊の女・アイスケとのラブストーリー『左様なら今晩は』
基本的に下ネタベース、男のふざけた妄想願望全開の漫画なんですが、不思議と「下品じゃない」。下品じゃないのにちゃんと「いやらしい」。このバランスがすごく絶妙。凄いなと思ったのが、絵からめちゃくちゃ「匂い」がする。良い意味で「キレイすぎない」絵がそうさせるのか、生活感、体温、汗、何気ないやりとりのなかに確かに感じるどうしようもないくらいの「生々しさ」
ヒロイン・地縛霊のアイスケは死者になってから感情に忠実で「したいことはしたい」と遠慮もなく陽平に絡む。それがたまらなく可愛らしいのだけど、その根底には「生きているときに自分の思うままに生きられなかった」というジレンマがある。そこが彼女にとっての呪縛であり、枷。そして良くも悪くも「凡の男」、単純エロガッパの陽平、こいつは端的に言うと「俺」。「俺」であり「お前」です。おそろしいくらいにうまく男のアホさ、愚かさ、単純さ、身勝手さ、そういうものをぎゅーーーーっっと詰め込んでて、別に1ミリも好きじゃないがどうしても憎めないし嫌いになれない、だって俺だから。殺してくれ。
そんな2人が距離を縮めていき、惹かれ合っていく。完全に可愛い動物botで流れてくる猫のカップルの初々しさ。こんなもん好きにならないわけがないだろうがよ…と読み手は陽平になり、アイスケに対する愛情がジョボジョボと溢れて、もっともっと読ませてくれよ…もっと2人がイチャつくシーンくれよ…な…なぁ…2人、幸せに…な…なるよな…?だいじょうぶだよな…?なぁ…?生きてるとか死んでるとか…関係ねぇよな…?
って思った瞬間、いきなり縄切られる。突然訪れる急展開、本当に「あっけないく」、終わる。この「引き」の潔さ。本当に本当に本当にいじらしくて発狂する。
ふざけんじゃねぇよ…バナナおあずけされたサルか俺達はよ……ポッカリと穴が空いたような喪失感…
だが…それがいいんですよ…
だからこそ俺たちは描かれなかった2人の未来を、運命を信じずにはいられなくなる…なるよな…?きっと幸せに…なるよな…?と。
その結果、中盤までのいやらしさにガッツリ興奮してるのにラスト読後には気がついたら感動して泣いてるっていうよくわからない状態になります…どうしたらいいんだよ…こんな感覚はじめてだよ…どなたか地縛霊のかた、俺のウチに取り憑いてくれ