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ミクスチャーブログ

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最強のMr.Childrenキメラ『Birthday』フル感想


Mr.Children「Birthday / 君と重ねたモノローグ」15秒SPOT

 

Mr.Children、ヒカリノアトリエ、himawari、here comes my love、皮膚呼吸を経て、とんでもない曲生み出してきた…

まず、フル解禁前からドラえもん映画の予告CMやらアニメEDやらでサビだけが耳に刷り込まれていて、われわれはヨダレを垂らしながらフル解禁を待つミスチルの「犬」になってる。

it‘s my birthday 消えない小さな炎を

1つ1つ増やしながら 心の火をそっと震わして

何度だって僕を繰り返すよ そういつだって it’s my birthday

it‘s my(iuai)消えない(ieai) 増やし(uai)

it‘s(iu)1つ1つ(iouiou)

birthday(a-ue-)震わして(uuaie)  

何度だって(anoae)いつだって(iuae) it‘s my birthday(iuai a-ue-)

 

このずっと欲しくてたまらなかった鬼盛りの韻丼…これだけで期待値爆上がりの今作、初聴きはある意味「このサビにどうメロがくっついてるか」の答え合わせの時間なんですが、フタ開けてみるとミスチル監督、Aメロからずっとサビのニオイさせてて、オープニングのインタビューだけで発狂しそうでヤバい。1速ずつギアが上がるような躍動感のあるメロ、ずっと後ろで鳴ってる「テロレロレロレロレロレロレロロロン……」ギターアルペジオのループで耳溶ける。しかも、歌詞がAメロから

 

「しばらくして(iaauie)」「本物だって(onooae)」「熱くなって(auuae)」「冷やかして(iaaie)」「とっ散らかって(oiaae)」「そう思って(ouooe)」「君にだって(iiiae)」「牙があって(iaaae)」

 

ずっとe末で踏んでて脳から韻汁が…メロディもアレンジも歌詞も曲が始まった瞬間からサビへの布石を打ってる用意周到さ。さらに突き刺さるような自問自答の2番が来、名物・ラスサビの前の静けさ、浮遊感で意識が宇宙に持っていかれそうになる長めの間奏が来、目の前に桜井和寿がワープしてきて急にアコギ一本の音色からの

「ソ~~~~~ォオオオ!」

の号令からドカァァアアアア!!って爆発して暴れドラム、無限ギター、腹パンベース、ゴリ泣かせストリングスが絡んだときの無敵感、これが、これがMr.Childrenだコラとブン殴られたような感覚に陥った。

この全ミスチル狂いが待ち望んだミスチルの音楽、ミスチルのミックスグリル、Youthful daysの愛しさ、innocent worldの切なさ、HEROの心強さ、I'LL BEの爽やかさ、REMの激しさ、蘇生の強さ、fantasyの儚さ、靴ひもの痛さ、Drawingの優しさ、俺の好きな、俺達の好きなミスチルの要素を全部含んだ上で、2番での曲展開の変化や各サビのアレンジの違いなど今バチバチにメインストリームど真ん中にいるking GnuやOfficial髭男dismの若い音楽を取り入れて混ぜ合わせて再構築したまったく新しい合成獣、Mr.Childrenキメラの姿が、篠原涼子の姿がそこにはあった。

 

 

そして改めて驚いたのはミスチルとドラえもんとの親和性の高さ。特に歌詞、

「歴史なんかを学ぶより解き明かさなくちゃな 逃げも隠れもできぬ今を」

「僕は僕でしかない いくつになっても変われなくて」 

このフレーズ聴いたとき、野比のび太の顔が頭に浮かんだ。

思い返せば、そもそもミスチルはいつだってナチュラルにドラえもんの描いてる世界を体現してたような気がする。

どうしようもないダメダメなのび太が、いきなりドラえもんというプロアクションリプレイフレンドと願い事がなんでも叶うひみつ道具を手に入れて人生が180度変わるおとぎ話かと思いきや、最終的には道具の力に溺れて失敗したり痛い目を見ることで「結局変わらなきゃいけないのは自分自身」ということに少しずつ気がついていく『ドラえもん』という作品と、一見キラキラして希望に満ち溢れたことばかりを歌ってるようで、叶えたい未来とそれが叶わない今を突きつけながら、その中の一筋の光を歌う『Mr.Children』というバンド…

そうか…もしかしたら、俺たちにとってのドラえもんがミスチルで、ミスチルにとってののび太が俺たちなのかもしれないな…

チルえもん…ジャイアン(現実)をやっつける道具(音楽)もっと出してよ…

 

 

僕はなにを言ってるんでしょうか…今日が僕のDeath dayですね殺してくれ


Birthday/君と重ねたモノローグ

Birthday/君と重ねたモノローグ

  • アーティスト:Mr.Children
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: CD