「夜中にめちゃくちゃウンコしたくなったのに家のトイレットペーパーが全て無くなる」というバカデカ不運のせいで、真冬にもかかわらず家着である「PORNO」とデカい文字がプリントされたポルノグラフィティのライブTシャツ一枚という格好で、襲いかかる便意と寒さを気を紛らわせてガマンするため、B'zのウルトラソウルをAメロから稲葉浩志のモノマネして歌いながら近所のコンビニへとダッシュした。
おかげで無事コンビニには到着したが、急に稲葉をやめて正気に戻ったことでケツがウルトラソウルするほどの便意がやってきたので、トイレットペーパーを買うより先に店のトイレを借りようと奥へと進んだ。
しかし、通路を塞ぐようにして数人の外国人の客と、大学生バイトみたいな若い店員がなんかめっちゃモメていて、外国人たちは片手に俺のスマホを持って店員に見せながら、一言も聞き取れん謎の外国語でなにかを訴えかけていた。
外国人集団に急に詰められ頭がバグってしまったのか、店員は会話をしようとするわけでも、誰かを呼びに行くわけでもなく、ただその場でフリーズしていた。
なんとかしてやりたいという気持ちはあったが、こっちも他人を構ってやれるほど肛門に余裕がなかったので、さっさと避けてもらおうと、
「トイレ借りていいですか？」
と、店員に声をかけようとした瞬間、急にスプラッシュマウンテン並の便意が俺の肛門を襲い、間違って店員じゃなくて外国人の1人に向かって、
「トイレっすか」
と、聞いてしまった。
外国人たちは、急に胸に「PORNO」を刻んだ挙動不審の日本人に絡まれた衝撃により『鬼滅の刃』の我妻善逸を見る竈門炭治郎みたいなキツめのヤバい顔で俺を見たあと、マジでまったく知らん外国語なので意味はわからなかったんですが、
「な、なんだこいつ…」
「これがウワサのクレイジージャパニーズか…」
「キモい、あまりにもキモすぎる…」
「おお、神よ…どうか我々を助けてくれ…」
みたいなことをたぶんめっちゃ言われた。このままでは日本人そのもののイメージダウンになりかねないと思い、どうにか状況をわかってもらおうと国人に英語で、
「ヘイ！トイレ！ゴー！ウィズ！ミー！」
と、ECCジュニアの先生も諦めるレベルの終わってる英語力で外国人たちに叫んだ。すると外国人たちは、俺のことをペニーワイズだと思ってるとしか言いようがないような絶望の表情で俺を見ていた。
すると、一連のキモすぎるやりとりを無言で見ていた店員がさっきまでのフリーズなんだったんだテメェと言いたくなるくらいに流暢な日本語で、
「すいません、いま故障中です」
と俺に告げ、無事に全てが終了した。
その後、「え？別にトイレとかぜんぜん行きたくないっすけど？」という顔をしながら、外国人集団を尻目に素早くトイレットペーパーを購入、右手にトイレットペーパー、左手でズボンをおさえながら家へと帰った。
そして輝くウルトラソウル。は？
