ネトフリのドラマ『忍びの家』めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ面白い
「もし現代に忍び(忍者)がいたら?」
というトンチキストーリーをとんでもない資金力と映像力と脚本力と演技力で無理やり成立させているクレイジードラマで、こういうのにありがちなウソ臭さがまるでない。最初は鼻クソほじりながら見てたんですが面白すぎてすぐ鼻ひきちぎってテレビ画面かじって食うほど引き込まれてしまった
忍びを辞めて普通の人間になりたい父・荘一(江口洋介)、主婦の生活に飽き飽きし忍術を使って万引きを繰り返す母・陽子(木村多江)、任務中に非業の死を遂げてしまった長男・岳(高良健吾)、自分のせいで兄は死んだと心に傷を負う次男・晴(賀来賢人)、普通の大学生活を送りながら忍びの力を使い歴史物の窃盗→返却を繰り返す長女・凪(蒔田彩珠)、なにも知らない三男坊主・陸(番家天嵩)、謎多き隠居祖母・タキ(宮本信子)
そんな家族を取り巻く人間たちも一癖どころか万癖あり、晴に近づく謎の女・可憐(吉岡里帆)、俵家を忍びに戻そうと画策する政府の役人・浜島(田口トモロヲ)、謎の新興宗教の教祖として君臨している辻岡(山田孝之)、謎の窃盗事件を追う刑事・尾身(ピエール瀧)と、カツカレーにチャーシュー麺ブッかけたようなハイカロリーキャストが集結
「普通の生活」と「忍びをやめられない宿命」のはざまでどう生き、そして起きる日本を揺るがす大事件にどう巻き込まれていくのか…アクションありサスペンスありコメディありラブありの最高エンターテインメントが爆誕した。海外から忍びを求めて外国人が日本に集結するのも時間の問題
その中で俺が最も興奮したのが、賀来賢人と吉岡里帆の「許されざる禁断の恋」
晴(賀来賢人)は「正体バレたら問答無用で死」「肉禁止」「恋愛禁止」など、様々な忍びの掟に縛られているのだが、ある日牛丼屋で可憐(吉岡里帆)を見かけてから密かに彼女に恋をしている。そして吉岡里帆は雑誌の記者で「ある目的」のために晴に近づいていた。
決して交わってはいけない2人、そんな状況にもかかわらず、いやそんな状況だからこそ、どうしようもなく惹かれ合っていく
5話。危険にさらされてしまった可憐をかくまうため、晴は可憐を家に招く。これはその深夜、晴の自室での出来事。覚悟はいいか
晴(ベッドに座ってる)
可憐「入っていい?」
晴「いや、もう入ってるじゃん笑」
可憐「ふふ笑…私いつまでここに?」
晴「風魔がいなくなるまで。ここが一番安全だから」
可憐「そっか…」
可憐(デスクのイスに座る)
可憐「…」
可憐「えっと、その…ほんっとに、忍者なの…?」
晴(頷く)
可憐「えっと、うん…理解した…うん、無理やり」
可憐「手裏剣とか使ったり…」
晴「うちは使わない、バレやすいから」
可憐「あ〜そっか…正体バレるのが…」
晴「一番破っちゃいけない掟」
可憐「それ今破ってるってことだよね?」
可憐「…今までもあるの?そういうルール破ったこと」
晴「あー、肉とか食べちゃいけない本当は」
可憐「あ、けど牛丼屋は?」
晴「ホントはダメ」
可憐「へぇ〜…えっじゃ他には?」
可憐(近づく)
ここッッ!!!!
これだ…これこそが吉岡里帆の恐ろしさよ。何気ない質問をしながら相手の反応を伺い徐々に相手との距離を詰める…しかし、確信的なことは決して口にしない
刀と刀の戦いは相手との「距離」ですでに決着がついているという。吉岡里帆はその達人の如く、相手との距離感を絶妙に測っているのだ
晴「ごめん笑…なんかインタビューされてるみたいなんだけど笑」
可憐「ごめん笑、ふふっ笑、仕事みたいだった」
晴「この家のこと記事にしないでね」
可憐「わかってる…ふっ笑 他には?笑
晴「えっと…あとは任務以外で術は使っちゃいけない。アルコールもダメ。勝手に写真も。旅行も。あと…付き合ったりも…」
可憐「そうなの?」
晴「許可なしでは…好きになっちゃダメ」
可憐「けど…私のこと誘ったよね…?」
晴(目が泳ぐ)
可憐「じゃあそれは…?」
晴「ダメ…だね…笑」
可憐「私…牛丼屋に通ったのは仕事のため。あなたのこと調べてた…」
晴「うん」
可憐「けど…だんだん…あなたのこと…」
晴「最初からだけど…こっちは」
可憐「…ねぇ」
可憐(隣に座る)
ここッッッッ!!!!
先ほども言ったとおり、吉岡里帆は決して勝負を焦らない。無理やり引き出した「好き」に何の意味もないのだ。相手から”それ”を引き出すまでは
「最初からだけど…こっちは…」
と言ったその刹那、なんの違和感もなく自然と相手に「俺のこと絶対好きだろこれっっっ!!!!!絶っっっっっっ対に好きだろ!?!??!?」と萌死させんばかりの距離まで近づきその刀の切っ先を一気に首元まで突きつける
なんでもできるけどなんにもできない。こんなに近くにいるのに相手の心の内はわからない。吉岡里帆はペットボトル1本分の距離、いわゆる「シークレットオブマイハートゾーン」を完璧に使いこなしている
そして目です。目の演技。相手を見つめるときの真っ直ぐな瞳。多く言葉を発さずとも「私はあなたに興味があるよ?」と語りかけてくる。千を語る目。サウザンド・アイズ・サクリファイス吉岡里帆
いくら賀来賢人が忍びの達人でも「恋愛」という場においては吉岡里帆の足元にも及ばないのだ
可憐「今まで彼女は…?」
晴(首を横に振る)
可憐「ホントに?」
晴(首を縦に振る)
可憐「…じゃあ、その…寝たりとか…」
俺「アッッッッッ??!?!???!!?」
晴「聞く?そういうこと?」
可憐「ふふ笑、ごめん。けど理解したくて…」
可憐「…じゃあ忍者はセックスなし?」
俺「アアアアアアッァァアア!??!???!アアアーアアーアーアーアーアアアアアア!!?!?!?!?!?!?!?!」
晴「忍び。誰も忍者なんて言わないよ」
可憐「話変えようとしたでしょ笑」
可憐「…ご両親は?」
晴「見合い。コントロールされてるから色々」
可憐「晴君は…?」
晴「俺は…普通に…好きになって…普通がいい…」
可憐「じゃあ」
可憐(キスをし)
可憐「どうなるの…?バレたらこれ…」
俺「ヒッッッッッッッ火引いイイイイイイいいぁぁあ;あ;ああァf;あ;あ;ああああああああああああああ!??!?!?!?!?!??!」
晴「2人とも消される…」
可憐「ほんとに…?」
晴(キスをし……そして……)
俺「fっkがっkっっっっっっっっがgギギギっっっっっっっっっっっ後ああ、あ、、あ、アアアアアアアアアあああああお午後おエア大青青々青々青々ああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
誰か、誰か助けてくれ
「バレたら死ぬ」という恐怖と、それでも抗えないほどに膨れ上がる愛…「罪悪感」こそが2人を燃え上がらせた
吉岡里帆「どうなるの…?バレたらこれ…」
やばすぎる。キスからの「どうなるの…?バレたらこれ…」はあまりにも矢場い。吉岡里帆…悪魔だ。悪魔のキス
ドラマ『カルテット』で吉岡里帆はこう言った。「いつキスしてもおかしくないぞの距離を作るまでが女の仕事です。ペットボトル1本分の距離を保ってください。女からキスしたら男に恋は生まれません」
その言葉を”あえて”自ら壊していく。関係ない。本気になった2人にテクニックや理屈などなにも関係ない
終わった。俺はもう終わってしまった。いやこれが始まりかもしれない。今日からは吉岡里帆の「里」の文字が俺の故郷
が、これに対しての賀来賢人の返答、返す刀があまりにもスゴすぎた。吉岡里帆の必殺の一撃に対して、完全なる「ド正解」を叩き出してしまった
賀来賢人「2人とも消される…」
で、キス…
興奮で股間どっか吹き飛んだ。「恋愛という場において賀来賢人は吉岡里帆の足元にも及ばない」…?訂正させてほしい。賀来賢人こそ、真の「勝者」
あれだけオドオドしていた童貞男の「俺が君を守る」という強い決意、「君のためなら俺は死んでも構わない」という愛、そして「可憐マジかわいすぎてエロすぎて無理」という性欲がコーティングされたアルティメット・キス…
過剰コメディ演技のイメージが強い賀来賢人だが、賀来賢人は「静」の演技が死ぬほど上手いということを改めてまざまざと見せつけられた。
賀来賢人さん、吉岡里帆さん、最高のキスシーンをありがとうございました…
ああ。俺も今すぐ「忍び」になりたい。君だけの忍びになりたい