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『泣ける!ワンピース名場面・名シーンランキング』とやらに1ミリも納得してない

なんかどっかのサイトの『泣ける!ワンピース名場面・名シーンランキング』ってのを眺めてたんですけど、俺の好きなシーンがいっこも入ってなくていま非常に憤りを感じていますこんにちは。そもそも「泣ける!涙腺崩壊!ドン!」ってドヤ顔で銘打ってますけど、別にワンピースは泣けないですからね。ワンピース読んで泣けるんだったら、そのへんに生えてる名もない花とかでも泣けるレベルなんでハナから涙腺ガッバガバ認定しても差し支えないです。ワンピースで泣けるってことは地獄甲子園読んで泣ける!って言ってる奴と同じレベルだからな。ちなみにワンピースで泣けるって言ってる奴はなにかとフラッシュモブやりたがるんで気をつけてください。酒入ると「一度きりの人生、主人公は自分!雇われてるだけじゃダメだ!」とか力説してくるんで気をつけてください。こわ。

「絶対泣ける!」とかハードルを天まで高く上げられても、俺みたいなワンピースを単純に「異能力バトルもの」として楽しんでいて回想パート、冒険パートすら蛇足と感じる人間にとっちゃハタ迷惑な話に他ならなくて「ワンピース?あーアレ泣けるよねチョッパーのとことか」「エース死ぬシーンはマジで泣いたわ」とかボケナス。

そんな、まるで価値観の違う人間の選んだ名場面・名シーンに納得できるはずもなく別に羊の船が燃えても、そばかすファイアマンが死んでも「まぁ、そりゃあ、そういうこともあるだろ、海賊なんだから」くらいにしか思わなかったのでよくある名場面・名シーンランキングには1ミリも納得いってません。ということで最強なのを選んでおきました。これが「俺が選ぶ絶対に泣けるワンピース名シーン・名場面ランキングベスト5」ですどうぞ。

 

・クリーク「クク…手も足も出まい この…」ルフィ「ゴムゴムの“銃弾”っ!!!!」(単行本8巻) 

ONE PIECE  8 (ジャンプコミックス)

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全身に武器を仕込んだ海賊、首領・クリークとの一戦。クリークはルフィに攻撃をさせまいとトゲだらけの「剣山マント」で全身を覆うが、ルフィにマントごとぶん殴られてしまう。明らかに指の太さより針一本一本のほうが太いから殴ったら指二、三本無くなってんじゃねえのふつう、っていうツッコミを差し引いても俺の中ではクリーク戦と次のアーロン戦が間違いなくぶっちぎりでルフィのベストバウト1、2。この時のルフィの死魚のような目にグッとくる。

 

・ルフィ「居たくもねェあいつの居場所なんて俺が全部ぶっ壊してやる」(単行本11巻)

ONE PIECE 11 (ジャンプコミックス)

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魚人アーロンにずっと支配されていた航海士・ナミ。ナミが幼少期から軟禁され海図を書かされていた部屋をおもむろに破壊するルフィ。そのあとの一言がこれだ、これすげェカッコよくないですか?編で言えば未だにアーロン編の完成度を超えるエピソードはないと思うんですけども、っていうかバラティエからのアーロン編の流れが良すぎるんだ。身の程を知らないのに気に入らねェもんはぶっ壊す、欲しい物は力尽くで手に入れる、田舎のヤンキー根性丸出しだった初期ルフィはまさにならず者「海賊」と呼ぶに相応しいです。 

 

・スモーカー「悪ィな 俺のズボンがアイス食っちまった 次は5段を買うといい」(単行本11巻)

ONE PIECE 11 (ジャンプコミックス)

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海軍本部大佐・スモーカーの初登場シーン。アイスを持って走っていた少女にぶつかってしまい、今にも泣き出しそうな少女に小銭を渡し、こう声をかける。後にも先にもスモーカーがジョークを言ったのはこれきりのような気がする。この他にも11巻はさっき紹介したアーロン編のクライマックスから始まり、ゾロが妖刀と呼ばれる呪われた刀を手にするシーン、ルフィが道化のバギーによって死刑台に磔にされ処刑されそうになるシーンなど読みどころが盛り沢山で一番好きな巻。ワンピースは1巻で無理だったという人は7〜11巻あたりから読み始めるのがいいかも。 

 

・ゾロ「足 斬り落としゃあな 一緒にこいつら潰さねェか?」(単行本14巻)

ONE PIECE 14 (ジャンプコミックス)

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敵の策略によって全身をロウで固められようとしている剣士・ゾロが完全に固まってしまった両足を自ら斬り落として敵に立ち向かおうとするシーン。数あるワンピースの中でも屈指のイカレ発言として俺の中では最高の名ゼリフ。ゾロはナチュラルに狂ってるのが良いよね。

 

・サンジ「あァ…吠え顔かきやがれ」(単行本30巻)

ONE PIECE 30 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 30 (ジャンプコミックス)

 

コック・サンジが雷人間・神エネルの攻撃を受けボロボロになりながらも、虚勢を張って捨て台詞を吐くシーン。まぁ空島編は週刊で読むとダルかったけどコミックスだとけっこう楽しめる不思議なエピソードでした。エネル以外の敵に毛ほどの魅力も感じないってのが問題だったかもしれない。ちなみに世紀末リーダー伝たけし!でお馴染みのしまぶー先生がワンピースではサンジが一番好きだと公言していたが、俺も好きです。

 

 

結果、まぁまぁの王道シーンが出揃ってしまいました、偉そうにしてすいませんでした。20年間宝箱の中入るんで許してください……。

 

ドラマ『火の粉』感想

土曜の深夜にやっている『火の粉』というドラマがめっちゃ面白いんです。主演はユースケ・サンタマリアで、殺人容疑をかけられたが無罪になった元被疑者が判決を下した裁判官・梶間(伊武雅刀いぶまさとう)の隣に引っ越してくるという話なんだけど、ユースケ・サンタマリア演じる武内さんに徐々に家族が支配されていくという息をもつかせぬサスペンスドラマなのです。

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ユースケ・サンタマリアさんと言えば、八嶋智人、勝村政信、大泉洋とともに「なまじ芸人よりトークが達者で好きな人は好きだけど嫌いな人は死ぬ程糞ウザいバラエティ俳優四天王」として芸能界に君臨していますが、普段はともかくイカれた役をやらせたら凄く味のある俳優さんだと思います。この四天王のみなさんは普段の言動から「胡散臭いオーラ」がにじみ出ているので(褒め言葉)、こういうなに考えてるかわからないイカれサイコ野郎の役をやらせたら最高に魅力的で、今回の「火の粉」もマジでユースケ・サンタマリアさんの顔のやつれが凄くて「コイツ、リアルでもなんかやってんな」と思ってしまうほどのリアリティがあって非常に良いです。

なかでも特に好きなシーンは武内さんが自宅でバームクーヘンを焼きながら「おいしくな〜れ、おいしくな〜れ」とブツブツ呟くシーンがあるのですが、そのさまが「ねるねるねーるね」の魔女のババアにしか見えないので毎回爆笑必至です。

また、そのユースケ・サンタマリアと負けず劣らずの違和感を醸し出しているのが武内を付け狙う男・池本を演じる佐藤隆太さんで、どうしても前クール「ナオミとカナコ」の中国人・林さんのイメージが抜けず画面に出るだけで噴き出してしまうので大変です。いつ「シ、シライサンニワタシノツクッタショウコウシュノンデモライタイデス」と言ってしまうのかワクワクとドキドキが止まりません。

あと僕は伊武雅刀(いぶまさとう)さんの名前がツボで聞くたびになぜか笑けてくるのでサスペンスではあるのですが個人的には笑いの絶えないとてもハートフルなドラマとして鑑賞してます。

 

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好きなことで生きていく

「俺も好きなことで生きていきたい。俺は生粋の怠け者で人が働いているときに休みたいし、人が休んでいるときに休みたいと常々思っている、けれど中々そうもいかないのが現実。普段仕事をしてはいるが、現状怠けるために仕事をしていると言ってもなんら差し支えない。ブログにも一応広告を貼ったりもしてはいるけど、別に他人が働いているときに休めるほどじゃない、ブログを書くことだけで生計を立てることを「ブログ飯」というがブログを書いているだけで生活できるようになったら「仕事」としてブログを書かなきゃいけないんだろう、それはだいぶめんどい、というかこんなもんを仕事にしたくはない。

youtubeにヘンテコな動画をアップロードしてお金を稼いでいるようつべアー!たちも何かにつけて「好きなことで生きていく」と連呼しているけどあれとは少し意味が違うみたいだ。「遊んで暮らしたい」って意味じゃなかったのか。以前、なにかのテレビ番組でようつべアー!だか実況ゲーマーだかが「それで誰かが元気になってくれたり、笑ってくれるなら」とか言っていて「いや、そういうことではなくて」と思った。そもそも、ゼリーの風呂に入ることや辛いお菓子を大量に食べることで金を貰うことが本当に「好きなこと」なのかという疑問があるのでいつかようつべアー!に小一時間問い詰めたいところではあるが彼らの言う「好きなことで生きていく」が「趣味を仕事にしたい」って意味なら俺は好きなこと「だけ」でしか生きていけないなんてとても不幸なことだと思う。

それこそ子供のころはゲームするだけで生活できたらいいなぁとか漠然と思ったりもしたけど、大人になった今ではyoutubeやニコニコ動画でブツブツとヒトリゴトを言いながらゲームしている人たちには毛ほども憧れない、みんな基本的にシケた声をしていてどう見ても彼らが幸せだとは思えないから。

俺の「好きなことで生きていく」は「遊んで暮らしたい」なので、好きなことと言うか、やらなきゃ死ぬようなことをするだけでお金が貰えて生きていくことができればそれがいい。「やらなきゃ死ぬこと」というのは端的に言うと「食うこと」と「寝ること」。「食うこと」と言っても世の中には無理してたくさんの量を食う「フードファイター」や大して美味しくないものをさも美味しいかのように嘘をつく「グルメレポーター」なんかの仕事があるが、ああはなりたくないので、理想は朝は納豆と味噌汁、卵焼きにウインナー、それと焼き海苔をご飯一膳と、昼は焼き魚定食、食後にコーヒー、夜はハンバーグにサラダそれとご飯一膳。そして夜はお風呂にゆっくり浸かって、あったかい布団で眠る。これだけでお賃金が発生するのがベストだ。

これこそが本当の意味での「好きなことで生きていく」なのではないのかな」

という話を近所のバアさんにしたら一言、

「はぇ?」と言われた。今日も働きます。

関連記事

『水曜日のダウンタウン』ダウンタウンクイズ問題全問答え

4月20日放送の『水曜日のダウンダウン』の「ダウンタウンのこと本人よりもマニアの方が詳しいんじゃないか説」で出題された問題と答えのまとめ。

 

問題1 「ダウンタウンガキの使いやあらへんで!!」の罰ゲームで浜田がニューヨークにいる坂本龍一のもとへ取りに行ったものは?

答え シャープペンシル

 

問題2 松本の現在の髪型は「金髪の坊主」ですが松本が「黒髪の坊主」だったのは西暦何年から何年?

答え 1998年〜2014年

 

問題3 「ガキの使いやあらへんで!!」の企画タイトルには「チキチキ」が付きますが初めて「チキチキ」が付いたのはどんな企画?

答え 第1回ガキの使いやあらへんで!!激突チキチキ三輪車マラソンレース

 

問題4 「遺書」で松本が「男ットコ前な芸人」として実力を認めている4人とは?

答え 島田紳助(しゃべりで笑わす 頭の回転が速い)、志村けん(お笑い一本 お笑い男ットコ前職人)、大竹まこと(破壊力やパワー 危険な感じ)、浜田雅功(あんな努力家 俺は知らない)

 

問題5 ダウンタウンが「欽ちゃんの仮装大賞」に出た時の演目のタイトルは?

答え 合格ライン

 

問題6 松本が小学生の時に作った漫才に出てくる2つの歯医者の名前は?

答え 糸田川 熊谷

 

問題7 「リンカーン」ダウンタウン浜田、さまぁ~ず大竹、雨上がり決死隊宮迫の三人で結成された演歌ユニットの名前は?

答え 底抜けプレジデンツ

 

問題8 1991年に放送されたTBSドラマ「ADブギ」で浜田が演じたチーフADのフルネームは?

答え 杉田巧

 

問題9 1987年「4時ですよ〜だ」の大ブレイクをキッカケに開催されたコンサートのタイトルは?

答え ダウンタウンスキャンダル がんばる松ちゃん・つっこむ浜ちゃん

 

問題10 「世紀末戦隊ゴレンジャイ」で松本はどういったボインで登場した?

答え 今田「巻きボイン」 板尾「呪われたボイン」 蔵野「轢かれたボイン」 東野「ボインを高温でカラッと揚げてみました」 松本「寿司ボイン」

 

問題11 1994年 松本が入場料を1万円に設定して話題を呼んだコントライブの正式タイトルは?

答え 寸止め海峡(仮題)

 

問題12 ダウンタウンの漫才「誘拐」空欄を正しく埋めなさい
□のカバンに500万入れて□の紙で□のカバン言うて書きながら□のカバン言いながら置いてくれたら俺□のカバン言いながら取りに行くわ。 「赤・緑・黄色・黒・白」

答え 緑のカバンに500万入れて白の紙で黄色のカバン言うて書きながら赤のカバン言いながら置いてくれたら俺黒のカバン言いながら取りに行くわ。

 

問題13 HEY!HEY!HEY!から生まれたユニット「日影の忍者勝彦オールスターズ」で松本が演じたキャラクターの名前は?

答え イカこども

 

問題14 「ごっつええ感じ!!」のコントのタイトルは「“何”殺人事件」?

答え ロケット双子ババア殺人事件

 

問題15 曲のタイトルは?(イントロクイズ)

答え 幸せであれ

 

問題16 曲のタイトルは?(イントロクイズ)

答え マウヤケソ

 

問題17 「ガキの使いやあらへんで」松本人志 罰ゲームひとりぼっちの廃旅館一泊二日の旅 この企画で松本を度々驚かせた鎧姿の人物のフルネームは?

答え 田島雄一

 

問題18 「リンカーン」の名物企画「巨大化シリーズ」で巨大化させた3つの食べ物とは?

答え ペヤング ところてん お好み焼き

ジャンプ+漫画『ファイアパンチ』感想

すごい漫画家が現れた。

漫画や音楽など、本当に面白い作品に出会いその作品がまだ広く世に知れ渡っていないとき「その作品をたくさんの人に知ってもらいたい」という思いと「あまり有名になってほしくない」という想いが同時に去来して複雑な気持ちになるもの。

しかし、思いとは裏腹に新進気鋭の作品に出会うたびに心は躍り胸は高鳴る。

そんな奇跡がまたひとつここに誕生した。

週刊少年ジャンプの公式アプリ「少年ジャンプ+」で今日から連載スタートした『ファイアパンチ』作者は藤本タツキ。

あらすじ

『氷の魔女』によって世界は雪と飢餓と狂気に覆われた。凍えた民は炎を求めた。主人公アグニに与えられた祝福は、希望か呪いか...。 

plus.shonenjump.com

ほんの数ページ目の出来事だった。無理矢理ファイアパンチ君が僕を強引に自分の世界観に引き寄せた。抱き寄せられたファイアパンチ君の二の腕から感じる圧倒的な漫画筋肉。

はじめは、タイトルの「ファイアパンチ」らしからぬ展開が続くので「どんなことがあっても心に希望という火を灯そう、キリン ファイア」的漫画だと勝手に思い込んでいたのだけど、ところがどっこい後半の急展開で合点、主人公の名前(インド神話の火神)といい伏線の回収が上手すぎてもう鳥肌ブワッ目バッキバキ指ブルブル膝ガクーン口アングリ。「痛み」を表現するのが本当にうまい人だと感じた。どういう人生を歩めば想像を絶するほどの痛みをあれだけリアルに表現できるのだろうか。いや、リアルかどうかなんてわからない、あの痛みを僕らは感じたことはないのだから。

新人だからこそ、まだ無名だからこそできる危うげなストーリー展開、描写。作者自身が極寒の地に裸で足を運ぶような無鉄砲さがたまらない。展開の強引さも絵の粗さすらも作品の魅力を更に引き立てていて、全ての要素がプラスに運んでいる。一話目として完璧。

四の五の言わずにとりあえず読め。

「耳かきはしなくていい」

昨日テレビで耳鼻科の医師が「耳かきはしなくてもいいんですよ」というような発言をしていてその瞬間、自分の中でなにかが切れる音がし、気がついたら部屋がメチャクチャになっていました。

 

「普段生活しているなかで、耳垢というものは自然と落ちるものだから耳かきはしなくてもいいんですよ、耳かきをすると逆に耳の中を傷つけてしまうことにもなり、大変危険なんです。どうしてもやりたいという場合は1ヶ月に一回程度で入口や耳周りをチョイチョイとするので十分なんです」

 

なんだ、こいつは。こいつは一体なにを言っている。その瞬間、頭が真っ白になりまたテレビの液晶を殴り割っていた。

「耳かきは、しなくてもいい?」

こいつはなにもわかっちゃいねぇ。「しなくていい」だと?医者というのは「病を治す」という一点にばかり捕らわれて人として大事なものが薄れてしまっているんじゃねえのか。俺たちが耳かきをする理由は「耳の中を綺麗にしたいから」じゃねぇ。「気持ち良いから」なんだよ。

じゃあ、聞くが。

お前はオナニーしないんだな?

コスりすぎて「性器を傷つけてしまうかもしれない」からしないんだな?

したとしても先っぽをチョイチョイとする程度なんだな?

セックスも子供を作るって理由以外はしないんだな?しないんだな?

過度なセックスは「性器を傷つけてしまうかもしれない」からしないんだな?

子供を作るためだけにセックスすんのか?違うだろ。

「気持ち良い」からだろうが。

「気持ち良いかもしれませんが危険なのでやめてください」だ?

いまこうやって文章を書いてる最中も俺は耳かきしてるんだよ。それで耳から出た血を見るたびに思うんだよ。

「もうやめたい、もうやめたい、どうして私だけが…」ってな。

でもやめられねぇんだよ、気がついたら綿棒で耳の奥をほじくってる自分がいるんだよ。耳かきをしないと、怖くて眠れねぇんだよ…

助けて…先生……

 

欅坂46『サイレントマジョリティー』感想

欅坂46『サイレントマジョリティー』感想。


欅坂46 サイレントマジョリティ

一応、補足説明として書いておくと欅坂(けやきざか)46というのはAKB48の公式ライバルである乃木坂46の妹分的存在のアイドル、という非常にややこしい立ち位置の彼女たち。そしてこの『サイレントマジョリティー』そんな欅坂46のデビュー曲。ファッションレンタルアプリの「メチャカリ」のCMソングとして最近やたらとテレビで流れている。

俺が最初にこの曲を聴いたとき、いの一番にモヤッとするような言い知れぬ違和感を感じた。違和感と言っても曲自体はもちろん、編曲もその道のトッププロが作ってるので、イマドキのデジタルロックサウンドで格好良い。既存の48・46グループの曲で例えると乃木坂の『制服のマネキン』のイメージが近い。


乃木坂46 『制服のマネキン』Short Ver.

『サイレントマジョリティー』も『制服のマネキン』もミュージックビデオを観てもらうと分かるのがダンスにいわゆる「アイドル」ぽさはまるでなく、良く言えばシャープな、悪く言えば無機質な振りのダンス。両曲とも全体的にロボットダンスのような動きが多く、終始無表情、というかキメ顔で息一つ乱さず踊っている。逆にそのギャップが良くバラエティ番組の「乃木坂工事中」とか「欅って、書けない?」の彼女達を観た後だとグッと来てしまう。センターの娘もそうだけど例えば欅坂の渡辺梨加っていうルックスはグループ内でもトップなのだがマジで日常生活を普通に送られているのか疑うレベルでパラメーターがルックスだけ10で運動神経、コミュニケーション能力、家事力、全部1未満の娘がいて、そんな娘がバチッと顔を決めてキレキレでダンスしているのを観ると不思議と無敵感がある。

俺がなにより違和感を感じたのは歌詞だった。内容は長渕剛とか尾崎豊を踏襲したような「お前が決めろお前が舵を取れヨーソロー」「わかりあえない腐った大人」みたいなメッセージソングでそれ自体はそこまで目新しいものではないのだけど、違和感の正体は「メロディに対する言葉の詰め込み方」にある。もうAメロからおかしいんだが「似たような服を着て 似たような表情で」という歌詞に大してメロディは

「テテテテテ(にたような)」5音、発音5文字

「テテテテテ(ふくをきて)」5音、発音5文字

「テテテテテ(にたような)」5音、5文字

「テテテテ(ひょうじょうで)」4音、7文字

と最後の「表情で」4音に対して言葉が7文字だ。マイナ3音余り。

最大の見せ場サビもそうだ。「君は君らしく生きていく自由があるんだ」の部分。メロディは流石の一言で秋元康の選ぶ曲はどの曲もサビのキャッチーさが半端じゃなく、ちょっと聞き流すくらいのレベルでも一発で覚えられるくらい耳馴染みが良いものが多い。しかし、そんな中でもこのサイレントマジョリティーのサビは異質で、

「テテテ テテテテテ(きみはきみらしく)」8音、8文字

「テテテテ テテテテテテ(いきていく じゆうがあるんだ)」10音、12文字

「テテテテテテ テテテテテテ(おとなたちに しはいされるな」6音、7文字

また音に対して言葉が字余り。そう、この字余りの違和感こそがサイレントマジョリティーの最大のキモ。この違和感は聴く人間に良くも悪くも「引っかかり」を持たせる。「なんか気持ち悪いな」そう思わせたらもはや秋元康の術中に嵌まっていると言ってもいい。それがたとえマイナスの印象であったとしても次から次へと一分一秒ごとに新しい楽曲が更新されていく今の音楽シーンにおいてこの「引っかかり」というのはとても重要な要素。ミュージックビデオにしても楽曲にしても違和感を持たせて、晩飯に食べたコーンがずっと歯に挟まっているときのように、歯では触れるのにいざ口の中に手を突っ込むと今度はどこにあるかわからなくなるときのように、印象付けるやり方はやっぱり上手い。グループ全体のイメージが決まるデビュー曲で、従来のアイドルソングではなくこれを持ってくるあたり、かなり勝負に出た感があるのでこの次に何を持ってくるのかセカンドシングルが凄く楽しみです。