個性がバラバラの天才集団がチームになってなにか大きな目的を成し遂げる話が昔から大好きでした。
例えば「オーシャンズ」シリーズ。
頭の回転が速い天才、凄腕の詐欺師、爆弾のスペシャリスト、伝説の泥棒、変装の達人、圧倒的な身体能力を持つ中国人などなど字面だけでワクワクしてくる。そんな彼らが作り出すストーリーのスピード感や期待を裏切らない展開、最高だ。
他にも、一芸に秀でた能力を持つならず者たちが、スポーツで頂点を目指す作品も好きだった。例えば「アイシールド21」、例えば「あひるの空」、例えば「テニスの王子様」、例えば「黒子のバスケ」
面白いのが、そういった作品は連載が長くなるにつれて、後付け的に序盤はモブキャラだったキャラクターにも「え?あんなに地味だったアイツにそんな能力が!?」となるのが面白かった。
こういう作品を見てると、自分にもなにかすごい能力が隠されてるんじゃないかと希望が沸いてくるし、単純にスカッとできるストーリーが多いので元気が出る。
あまりにも好きすぎて小学校のとき、仲の良い友だち数人で似たようなグループを組んでいたことさえある。
その名も「黒い翼 ブラックウイング」
それぞれが圧倒的な個性、能力を持っていた俺たちは毎日のように放課後に集まっては色々な活動をした。公園に集まってはケイドロやこおり鬼をしたり、空き地に秘密基地を作ったり、誰かの家でマリオカートやぷよぷよ、生えているフキを木の棒やカギを武器にして倒す「フキ退治」なんてこともした。
そして、一人ひとりにコードネームを付けてお互いを呼びあうようにした。
運動神経抜群!誰も追いつけない俊足の持ち主!女にはまったくモテない九九も言えない馬鹿!タカシ!
通称「黒ヒョウ」!
小学生離れした知識を持つ歩くコンピューター!デブで根暗のアニメオタク!シンプルに臭ぇ!ユウイチ!
通称「デスクトップ」!
根は優しくて力持ち!家はド貧乏!盗み癖が治らねえ!コウジ!
通称「ゴーレム」!
紅一点!やたらとプロフィール帳を書かせたがる情報収集のスペシャリスト!一人称「ウチ」!自意識過剰ブス!ユウコ!
通称「ホクロ」!
口だけの色白でヒョロヒョロのガリガリ!上から目線がウザいと言われた!俺!
通称「モヤシ」!
ブラックウイングの活動を続けた結果、俺たちはその名の通り大きな翼を広げ、学校で浮いた。