ラジオリスナーはみな、
「親に一旦寝たフリかまして夜中こっそり起きて眠い目こすりながらボロッボロの携帯ラジオの前にパンツ一丁で四つん這いになって雑音入らないようにアンテナの位置ミリ単位で調節して録音するために別のCDコンポからぶっといマイクつないでそれをラジオに向けて息殺しながら聴いてた深夜1時」
という経験しているんですが、あの地獄の日々を経験したわれわれ勇者にとってインターネットラジオアプリ『radiko』は本当に最高のアプリ。
まず『タイムフリー機能』がどうしようもなく最高。過去に放送された一週間分の番組をいつでもストリーミング聴取できるという「未来のひみつ道具」としか言いようがない最強の機能。
これによって「風呂に入りながら一週間前の空港のフライト情報をただただ教えてくれるだけのラジオをあえて聴く」というような変態プレイが可能になりました。
ただの魔法『エリアフリー聴取』がすこぶる最高。北は北海道から南は沖縄まで日本全国でやってるどんな局地的ローカルラジオだろうが聴き放題。北海道に住みながらにして、エフエム群馬やエフエム岐阜の番組をいつでも聴くことができる。これにより、地元のおいしいパン屋とか公民館のイベント紹介するようなめちゃめちゃ地域密着型のラジオ番組で、
「あっ、ここでリスナーさんからのメッセージいただいてますね〜。いつもありがとうございます。え〜ラジオネームかんそうさん、え〜北海道在住の……ほ、北海道……?な、なんで…?」
と、そのラジオ内で唯一無二の存在になることもできます。
そして『シェア機能』がありえないほどの最高。「SNSでこの番組のここの部分が面白かった」というのを一発でシェアできる機能ですが、そもそもここまで「ラジオ」がポップにライトな存在になるなんて誰が想像できたでしょうか。
学生時代、ラジオを聴いているなんて人間はクラスに一人か二人いれば上出来、クラス内でも「地中のモグラ」的な扱いを受けて虐げられてきたわれわれにとってこの『一発シェア機能』は希望の光。気になってる好きな女子に、
「いっ、井上、き、昨日の『アルコ&ピース D.C.GARAGE』聴いた?80キロのガリのイノシシの頭にゆっくり手を据えて下に降ろしたら地面に頭蓋が押し付けられて粉々になってそれがモグラになるっていうくだり最高だったよな!!!マジで!!えっ?聴いてない?じっ、じゃあその部分今からradikoでシェアとか、する??あっ、URL送りたいんだけど、ら、ラインとかって、教えてもらっても、いいかな?えっ?ラインいま壊れてる?あっ、そっ、そっか〜〜、じゃあツイッターのDM…、ツイッターやって、、ないよね〜〜〜!!インスタ…やって、ないよね〜〜〜!だよね〜〜〜!!だよね〜〜〜…よね〜〜…はは……」
これが、恋の、はじまり。
このように、場所を問わず、時間を問わず、番組を問わずに聴き放題、シェアし放題の『radiko』は本当に最高。そしてなにより、生まれたときからradikoが聴ける環境にある子供たちが本当に羨ましい。
忘れもしない17年前、夜中いつものように半裸で四つん這いになりながら大好きなポルノグラフィティ当時の新曲『Mugen』のラジオ初オンエア音源を録音するためにラジオにマイク向けてたら母ちゃんがいきなり部屋突入してきて、
「(バン!)いつまで起き…ちょっ!?なにアンタその格好!?」
って叫んだ声が曲の出だしにかぶって
「バラパパババッッバーーーーーバッバーーー!デェーーーーーンデェッデェッデェッデッデェンデデェーーーーーン!(ウォーオーオー!オー!オー!ウォーオーオー!オー!オー!ウォーオーオー!オー!オー!ウォーオーオー!オー!オー!)(ウォーオーオー!オー!オー!ウォーオーオー!オー!オー!)
僕が〜(バン!)いつまで起き…ちょっ!?なにアンタその格好!?かぁ〜〜…そのまま溶けていきそうだから~~~…」
になってる『Mugen マイマザーリミックスバージョン』を聴かずに済むんですから…本当に羨ましいですよ…本当に……