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ミクスチャーブログ

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目の前で自分のためだけに歌ってくれるOfficial髭男dismライブ『Traveler』ネタバレ感想

プロのミュージシャンに目の前で自分のためだけに演奏してもらった経験がありますか?俺はあります。

 

11月17日、札幌文化芸術劇場hitaruにてOfficial髭男dismのライブに行ってきた…

開演前は正直そこまで気が乗ってなかった。ファンクラブ枠で最速でチケット取ったにもかかわらず指定された席は後方、およそ2,000人の会場、決して近くない状況、複雑な感情。なのに1曲目が鳴った瞬間に目の前の景色が開けて俺の目の前にOfficial髭男dismがいた。絶対いた。俺の、俺だけのために会場を貸し切って歌を届けてくれてるOfficial髭男dismが、たしかにいた。俺cial髭男dismだった。

 

「1階も2階も3階も4階も関係ない!一人ひとりにグッドミュージックを届けます!」

 

最初に言ってくれたこの言葉がすべて。「Official髭男dism対2,000人」じゃなくて確実にこの瞬間「Official髭男dism対俺」「Official髭男dism対お前」になってた。あの場にいた一人ひとりの中にOfficial髭男dismが存在していた。

 

まず、思い知らされるデカすぎる藤原聡の声。マイクの必要性が感じられない。「口からCD音源」どころかCD10枚分の声。大勢に向けて歌ってるはずなのに声が直接耳に届く。ネットミームだと思っていた「あなたの心に直接呼びかけています…」をマジのガチでやる音楽サイコキネシス、それが藤原聡dismなのだ。

意味がわからないのが、その化け物じみた体力。こっちは髭男の曲カラオケで入れようもんなら1番Aメロ一言目の時点で「あっダメだこれ」って自分のノドの赤ちゃんレベルに泣きそうになるのに、藤原聡は後半になろうが1ミリも衰えることのない鬼のノドの持ち主。というか藤原聡自身がノドそのものの、ノド人間だった。

 

そしてギャップ、曲中とMC中とのギャップに頭がおかしくなりそうだった。正直、髭男の4人はパッと見めちゃくちゃ「普通」だと思う。たぶんそのへん歩いてても気づかない。それくらい4人全員「クラスに一人はいる雰囲気」出してる。そんな奴らがめちゃめちゃ普通~の話題を普通~にわちゃわちゃきゃいきゃい喋ってる。高校の休み時間かと思った。そしてどこからか聞こえる女子のヒソヒソ声…

 「さとっちゃんカワイイ…」「ならちゃんカッコイイ…」「大ちゃん尊い…」「ちゃんまつ抱いて…」

高校時代フラッシュバックしすぎて拳握りしめながら「俺こいつらとクラスメイトだったな。あんま話したことねぇけどチッ」って錯覚してた。

…のに1分後には心臓ブチ破るド爆音と鼓膜から溶けてく美声聴かせる最強ロックバンドに変身してる。握った拳振り上げてた。

藤原聡はとんでもない声量で歌いながら千手観音みたいな指さばきで鍵盤かき鳴らしてるし、小笹大輔は超絶技巧ギター弾き狂ってたかと思えば5分後にはデカイ太鼓ドンドコ叩いてるし、楢崎誠は腹にビシビシ来るベース鳴らしてたかと思えば次の曲で陽気にサックス吹いてるし、松浦匡希は脳髄揺らす鬼重低音ドラム叩いてたかと思えば低音美コーラス響かせてる。全員働きすぎだろ。聴きながら「終わったら労基に電話しよ…」とか思ってたわ。一人が何人分の仕事する気なんだよ、ちゃんとそれだけの給料もらってるのか心配です俺は。

楽しい、楽しすぎる。でも楽しいだけじゃなくロック、ポップ、バラードその全てに「聴きどころ」があって技術の高さに息が止まりそうになる瞬間が何度もあった。音楽が、ライブが上手すぎる。メジャーデビュー2年目とか絶対にサバ読んでる。今年結成20周年の間違いだろ。クラスメイトでもなんでもない、スターが、スーパースターがここにいた。でも喋りだすとまた「高校の休み時間」に戻ってる。スターなのにすごく距離が近い。

来年はアリーナツアー、たぶん再来年あたりにはドームパンパンに埋めてる。確実にそれを見据えたスケールの音楽、構成、演出のライブだった。でもどれだけバンドが大きくなってもこの「近さ」はずっと変わることはないんだろうなと思った。

  

近すぎて終盤、暗転中さぁこれからクライマックスの曲が始まるぞっていうタイミングでどこぞの誰ぞが、

 

「紅白出場、おめでとォォオオオ〜〜〜〜〜〜〜!!キャァァアアアアッッッッ!!」

「おめでとォ〜〜〜〜〜〜!!キャァアアアアアアアッッ!さとっちゃァァアァァ〜〜〜ん!ならちゃ〜〜ァァアァァん!!」

 

とか叫んでて「いやバカお前らいい加減にしろタイミングおかしいだろ絶対今じゃねぇだろコラそういうのは本人達が先に言ってそれからこっちが応えるもんだろうがつーかそもそも必要以上にメンバーの名前呼ぶ時点で俺はお前らの神経を疑」ってウダウダ思ってたら、照明がパァッ…って光って現れた藤原聡がピアノ弾きながら、

 

「紅白出場も嬉しいけどッッ!次の曲を札幌のみんなと一緒に歌えることのほうがッッ!俺は嬉しいッッッ!」

 

ギィイイイィィヤァァアァアアアアアアアッッッッッ!!!さッッッ、さとしィィイイイイイイーーーーーーー!!!!

 

カッコよすぎてめちゃめちゃ名前叫んじゃいました…完全に「俺の聡」になってた…隣の人マジですみませんでした…悪者は僕だけでいい。

 

セットリスト

  1. イエスタデイ
  2. Amazing
  3. Tell me Baby
  4. 115万キロのフィルム
  5. バッドフォーミー
  6. ビンテージ
  7. Rowan
  8. 最後の恋煩い
  9. 犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!
  10. 旅は道連れ
  11. ブラザーズ
  12. FIRE GROUND
  13. ノーダウト
  14. Stand by you
  15. Pretender
  16. ラストソング
  17. 日曜日のラブレター
  18. 異端なスター
  19. 宿命