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ミクスチャーブログ

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初対面に「音楽なに聴きます?」と言われたときの正解は「偽装推し」を作る

普段から「口縫いつけられてんのか」ってくらい喋るの苦手で、だからブログやってるんですけど、たまに初対面の人間と音楽とか漫画とか趣味の話になった時の

「音楽なに聴きます?」

「なんの漫画好きですか?」

「ドラマとか見ます?」

「好きなお笑い芸人います?」

の回答がダルすぎて毎回ゲロ吐きそうになってる。例えば、ポルノグラフィティ好きなんですけど「ポルノとか聴きますねー」っていうと高確率で「あぁー、昔流行りましたよね。アゲハ蝶とかサウダージとか」って言われそのたびに、

 

(は?昔?今もゴリゴリ現役だが?東京ドームでライブしてんだが?テメェのクソ狭脳味噌の観測範囲が全てだと思いこんでんなよ?いい加減に知らないこと自慢する人生やめろ無知を恥だと思えお前の股間のミニアポロ引きちぎってアゲハ蝶咲かせてお前とお前はぐれさせてやろうかバカカスボケコラァ)

と心の中で叫び倒したあと、

 

「…でっ…ですよね…ヘヘッ…」

 

と気持ち悪い笑顔を見せるだけの人生。でも、いいんですよ。ファンでもなんでもない人間にどう思われようが、俺が酸っぱい胃液飲めばいいだけの話なんでスムーズに次の話題に移ればなにも問題はねぇ、むしろ「あぁー、僕もけっこう聴きますよ」って言われるのが一番ダルい。

対象の狂信者であればあるほど「俺の好き度とお前の好き度、果たして同じレベルまで来てんのか?」と隠してたマウント精神チンチンがモロ出しになってまともにコミュニケーション取れなくなりますから。好きだからこそ口にしたくねぇという矛盾。

「僕も聴きます」って言われた瞬間に頭の中で、

 

(「けっこう聴く」だ…?どのレベルの「けっこう」だコイツ…?よくある「ハネウマライダーまでは聴いてた」「3人時代までは聴いてた」パターンの奴か?それとも「ベストアルバムとか聴いてシングル曲はそこそこ抑えてるもののそれ以外には明るくない奴」か…?それかマジでインディーズから最新曲まで抑えてるガチ勢の可能性も…その場合は「朝まで帰さへんでぇ」コース突入なんだが…?)

 

と脳全回転させてる時間、本当に不毛な議論すぎる。そして次手で必ず来る、

 

「え?なんの曲好きですか?」

 

の質問。居合の構えでジリジリ近づいてきて、どの程度デキる奴か測ってくる感じ、超絶ファッキン面倒臭ぇ。なんだコイツ…?俺を試してんのか…?

それこそ無難にアポロとかアゲハ蝶とかサウダージとかメリッサとか言ってお茶を濁して仮にコイツがガチ勢だった場合「あぁ…そのレベルの奴ね…」とマウント取られるのも癪だし俺が、

 

「あーそれマジ難しい質問っすよねー、ポルノの好きな曲って自分のその時の心情だったり環境だったりでガラリと変わりますからねー。シングルかカップリングかアルバム曲か、3人時代と2人体制になってから、そしてプロデューサーの本間さんが関わってた時期と離れてから、っていう括りでもだいぶ変わってきますしねー。外せないのは『メリッサ』のカップリングの『月飼い』、あれは最高ですね。歌詞の「月を飼う」ことで「消えてしまうものを永遠として残しておきたい」と願った彼女の神秘性を表していて、サビの「東から漕ぎだした舟はやさしい夜風を受けて西へ行く遥かな時間をたゆたう想いを乗せて」の哀しさをより一層引き立ててるんですよね。メロディ、アレンジも当時としても音数がズバ抜けて多彩で今でも聴くたびに新しい発見がありますよね。あー難しいなー、あー、でも最近よく聴いてるのは3rdアルバム『雲をも掴む民』に入ってる『パレット』ですかねー。あ、ベストアルバムにも入ってるから割と有名か。曲と歌詞のアンバランスさが最高で明るさと切なさが同時に襲ってくる唯一無二の曲じゃないですか。シングルで言えば3年前にリリースされた『カメレオン・レンズ』はまさに今までのポルノと新しいポルノの両方を融合させたようなまったく別次元の曲でしたよね。自分達の色を崩さずに新しい色を足したというか……あ、で、なんの曲好きですか?」

 

って「滑舌悪くて死ぬほど聴き取りにくいのにめちゃくちゃ早口」っていう最悪キモキモ童貞の日本代表みたいな口調で語っても、相手が前述したようにシングル数曲知ってますくらいのライトファンだった場合、そこに待ってるのはまぎれもない死。この話題どっちに転んでも地獄しか待ってねぇ。

 

…で、そこで考えたのが、本当に失礼な話なんですが

 

「好きでもなんでもない歌手の名前を出す」

 

これです。例えば『ゲスの極み乙女』とかが俺にとってまさにそうで、その質問来たときは適当に「あー、ゲス極とか聴きますね」って言うことに決めた。ゲス極って呼ぶのすら知らん。相手が詳しかろうが、知らなかろうが、仮にディスられようが俺には1ミリもダメージがねぇ。俺の人生においてマジでどうでもいい存在。悪いな、川谷。貴様に恨みはないが俺の平穏な日常のために利用させてもらう。

ただ、さすがに1曲も知らねぇ、メンバーの名前も言えねぇじゃツッコまれたときがダルいじゃないですか。さっきも言ったように無知は恥。だからゲスのこと調べたんですよ、一応。メンバーの顔と名前調べて把握して、リリースされた曲聴いて、ライブ映像見て、過去のインタビューとか読んで、川谷絵音の別名義のバンドの曲も聴いた、一応な。

 

そうやってゲスの極み乙女を俺の中の「偽装推し」に完璧に仕立て上げた…

 

そして「あの」質問がきた。

 

「音楽とかなに聴きます?」

 

「あ、あー…ゲスとか聴きますね。ゲスの極み。川谷絵音がやってる」

 

「ああー!いましたねぇ!でも俺あんま好きじゃないっすね!曲なんかキモくないですか!?」

 

「…あ、あぁ…そうです、ね…」

 

「何曲か流行ってましたけど、最近活動してますっけ?」

 

「いや…してるんじゃないですかね…ハハ」

 

「てゆうか川谷がやらかしてから全然見なくなりましたよね?」

 

「………」

 

「歌詞も何言ってんだかよくわかんないですし」

 

…ブチッ

 

(いやめちゃくちゃ活動してるだろ殺すぞ関ジャムとか見てねぇのか?圧倒的な知識と音楽愛で俺ら素人がボンヤリとしかわからなかった感覚的なものをわかりやすい言葉で解説してくれるし絵音が選ぶ年間ベストの守備範囲の広さはマジで脱帽もんだぞ。そもそも川谷はゲスだけじゃなくindigo la End、ジェニーハイ、ichikoro、独特な人、DADARAY、美的計画って複数のバンドとかプロジェクトを掛け持ちしてる。とんでもねぇ仕事量だ。できんのか?お前にできんのか?歌詞何言ってんだかわかんないだ?そもそも絵音は一貫して「すべて説明書きしているようなものは歌詞ではないと思ってる」って言ってるんだよ。聴く人間それぞれによって受け取り方が変わるのが音楽、歌詞の魅力だと。川谷絵音の書く歌詞はフレーズひとつとっても色んな解釈ができる、そういう言葉の余白をめちゃくちゃ大事にしてるんだよ。その歌詞を読んで何も感じない何もわからないんならそれはお前が自分で「私は想像力がない虫です」って言ってるようなもんだからな。曲に関してもそうだ。絵音は誰よりも「他人に聴かせる」ことに対して常にアップデートを行ってる人間なんだよ。常に国内外のトレンドを意識しながら「大衆音楽」というものに対してとことん向き合ってきた。一見同じように見えても出すシングル出すアルバムでガラリと音色が変わってる。ある意味で、内側を曝け出して「裸」になるような前々作『達磨林檎』前作『好きなら問わない』を経て去年リリースされた『ストリーミング、CD、レコード』でもう一段階上に、より音楽を突き詰めていこうっていうその覚悟や信念が代表曲『キラーボール』のある意味でアンチテーゼ的楽曲でもある『キラーボールをもう一度』で感じることができるんだよ。そして絵音の描いた絵を200%表現することのできる休日課長、ちゃんMari、ほないこかの圧倒的スキル。それが『ゲスの極み乙女。』なんだよ。曲も聴かねぇ、メンバーのこと、絵音のこと、ゲスのこと何も知らねぇくせに好き勝手言うんじゃねぇお前以外お前じゃなくしてやろうかバーカ!じゃねぇベーーッキー!)

 

「…でっですよねー…ヘヘッ…」

 

 

え…待って…

 

お…俺は…自分が傷つかないためにゲスの極み乙女を利用して……

 

俺は…ゲスのことなんか…絵音のことなんか…どうでも……

 

 

なに…?この気持ち…

 

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