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ミクスチャーブログ

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体感2秒の漫画『怪獣8号』は完全に電子ドラッグ

怪獣8号 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

アプリ『ジャンプ+』で連載中の『怪獣8号』という漫画が毎週楽しみで気が狂いそうなんですが、この漫画にはひとつクソデカ問題がある。1話の読むスピードが

 

「体感2秒」

 

マジでいい加減にしろ、こっちは1週間ヨダレたらした野良犬みてえにおあずけ食らいまくって待って待って少しでも刺激しようもんなら触れるものみな殺めかねないほどの極限状態のなかで怪獣8号の最新話を待ち焦がれてるんだよ。そして地獄の禁欲生活をようやく抜けて死ぬ間際に子孫残そうとするみたいなギンギンのメンタリティで更新日である金曜になった瞬間に速攻でアプリ開いて、オラァ!今から読むぞコラァ!と思った時にはもう読み終わってる。どうなってんだこれ…

そしてただただ

「なんだかわからねーが…とんでもねぇもんを読んだ…お…おもしれぇ……」

というIQ2の感想しか残らない。理性、知性あらゆる生命エネルギーを吸い取られ毎話「読む屍」と化す。リーディングデッド。なにもかも「持っていかれる」。焦らして焦らして気持ち良いのは一瞬ってどこのクソパチスロだよ。天井単発。なのにやめられねぇ、骨の髄まで8号中毒。殺される…漫画が面白すぎて殺されるという感覚に陥ったことはあるか?俺はある。俺の人生は完全に「怪獣8号以前」「怪獣8号以後」に分けられた。終わりであり始まり。

 

連載当初から常にアクセルベタ踏みブレーキイカれた暴走漫画だったんですが、特にここ数話の「もうダメ」「絶対死んだ」と思った次の瞬間に逆転勝利演出が来る展開、完全に漫画の道路交通法違反。常にサビ、常にメインディッシュを食わされてる。フルスピードかつノンストップでブチ込まれ続けるド派手演出、ド派手展開に、ともすれば本来なら重すぎて食傷気味にすらなりかねないはずなのに、いっさいそれがない。というかもはや感覚が完全にバグり散らしてる。

毎話、いや毎コマが怒涛のクライマックス、ONE PIECEで言うところの「海賊王におれはなる!」「クソお世話になりました!」「二度と敗けねェから!」レベルの山場が息する頻度で起きてるのにそれが「普通」になってる、それどころか前述したように

「小細工ナシ腕力だけで全てを叩き潰すような王道展開」

「それに対して食い合わないどころか涎で溺れるほど相性が良いアンチヒーロー的設定の妙」

「ギャグとシリアスの高低差とそれを描き分ける圧倒的な画力」

「えげつないまでのバトルシーンの迫力と疾走感」

「鬼のようなコマ割りの上手さと激アツのセリフ回し」

「普段頼りないのにやる時はやる主人公、そんな主人公に絶対の信頼を寄せる生意気後輩、鬼強幼馴染隊長、底がしれねえ細目関西弁副隊長、部隊最強ジジイ、そして銀河一最高ツンデレ金髪ツインテール…各キャラ立ちの異常な濃さと一瞬で視力が回復するビジュアルの良さ」

によって焼肉カレーハンバーグ寿司ドリアラーメンとも言える地獄カロリーのこの漫画をとんでもないスピードで消化し続ける。「体感2秒」の所以がここにある。王道から逃げず真っ向から人気作品と殴り合いをするという気概すら感じるしここまで気持ち良くひたすらド真ん中を貫かれると逆に100億周回って「新しい」という感情も生まれる。「俺の漫画に引き込んでやる」という重力の強さただのブラックホール。

結果、良い意味で読み終わるまで「浸る」暇を0.000001秒も与えずページをめくる手が暴走、バーサーカー化する。このヤバさ、画面から脳を狂わせる電子ドラッグが出てないと説明つきません。確実に近いうちに規制されるであろう「禁断の書物」。国が動く前に読め。