ジャニーズ大好きなんですが、それはあくまで音楽やバラエティ…「外」の話。俺にとって「内」つまりドラマにおいてのジャニーズはハッキリ言って「敵」でしかない。
毎期毎期、ジャニーズ主演の恋愛ドラマを観るたびに「当て馬」という不名誉な称号で呼ばれた数々の俳優たちがやつらによって闇に葬られてきた。くっせぇ煮え湯を強制的に飲まされてきた。もうたくさんだよ。飽きたんだよ。
いつか、誰かが、その馬から飛び降り、自らの足で立ち、自らの手でジャニーズどもの寝首をかくのを望んできた…が誰も叶わなかった…
そんな想いで毎晩枕を濡らしてきた俺の元へ届いた一本のドラマ…それが『彼女はキレイだった』
廃刊寸前ファッション雑誌編集部でのドS副編集長(Sexy Zone中島健人)と、さえない新人(小芝風花)がぶつかり合いながらも少しずつ惹かれ合う。だが二人にはある秘密があって…
「雑誌編集部が舞台のドラマこれで何回目だよ頭それしかねぇのか?そんな良い仕事じゃねぇだろ。しかもだいたい廃刊寸前なのなんでだよ。ドS副編集長だ?挨拶しただけで裁判かけられる時代にまだSだのMだのやってんのかよ。え?てゆうかこれ韓流ドラマのリメイク?とうとう自分で話考えることすらやめたのかよ終わったな日本ドラマ」
と全方面にキレそうになりながらも一筋の希望を抱いて観始めました。が…案の定、謎の磁力によって惹かれ合う二人…苦虫を噛み潰す俺…
そこに待ったをかけたのが今回の当て馬「赤楚衛二(あかそえいじ)」だ…
赤楚はお調子者でチャラい社内のムードメーカー…誰に対しても優しく、意見する時は上司だろうがズカズカと言うデキる男、だが小芝に何度も想いを伝えようとするがいつも「冗談」としてしか受け取ってもらえない哀しきピエロ…
本人たちすら気づいてない中島と小芝の気持ちを察知し、小芝を応援したい気持ちと中島に獲られたくない嫉妬心のはざまで葛藤…さらにさらに、小芝の親友である佐久間由衣とも仲を深め…赤楚は全員の秘密を知る…
当て馬が絶対にやってはならない5か条
1.「(主人公の女に)優しくしすぎない」
2.「(主人公の女の)友達と仲良くならない」
3.「(主人公の男に)必要以上に絡まない」
4.「(主人公の男に)余計な助言をしない」
5.「ふざけない」
これら全てを華麗に踏み抜いていく。
…もうおわかりでしょう。赤楚は今までの当て馬を全員混ぜて一滴ずつ抽出した当て馬ドモホルンリンクルなのです。
対して中島健人は生まれながらの超主人公。ジャニーズを愛しジャニーズに愛された一番星。俺たち凡夫の色気を吸って自分の色気とするセクシーヴァンパイア。それが中島健人、いや「ケンティー」だ…
ケンティーが演じるのは昔は太ったいじめられっ子だったが一途に初恋を想い続け「隣が似合う男になりたい」と奇跡の変貌を遂げた敏腕マン。スパルタで自分に厳しく他人にはもっと厳しくヘド吐くほど口が悪い不適合者。
しかし、最初はただ顔が良いだけのド腐れクソハラスメント野郎だったのにも関わらず、ビビリ、ドジ、酒に弱い、よく壁とかにぶつかる、グリーンピース嫌い…と回を追うごとにその不器用さが際立ち、「やっぱ実は意外と優しいやつ」ブーストまでかかり、今や愛くるしさしかねぇ…
陰から小芝を見つめ、彼女の喜ぶ顔が見たくて「みなさんで」と偽ってケーキを差し入れしたり、小芝が風邪を引いた時にはネットでわざわざ風邪に効く食べ物を調べ「生のタマネギ」をそのまま机に置いたりする。しまいには小芝からキャラメルをもらって嬉しそうに頬張る。もう俺にはケンティーが「人の形をしたハムスター」にしか見えねぇ。
しかも、ケンティーと小芝は幼少期に出会っていてその初恋の相手同士…二人は「運命」という圧倒的な強度の糸で結ばれてる。ケンティーは小芝が初恋の相手だと知らないんだが、小芝のあらゆる言動にケンティーは初恋を感じてる、もはや遺伝子レベルでケンティーの脳内には小芝がこびりついてる。いくら脇役が泣こうが喚こうが二人を引き剥がすことはできない。
赤楚が当て馬ドモホルンリンクルであるように、ケンティーもまた今までの主人公を全員混ぜた「主人公ドモホルンリンクル」なのだ…
…つ、強すぎる…こんなバケモンに赤楚が勝てるワケがねぇ…そう思ってました。しかし5話だ…5話で状況は一変する…当て馬ドモホルンリンクルが主人公ドモホルンリンクルに勝つ未来が…
赤楚は社内の企画プレゼン会議でケンティーに向かってこう言ってのける。
「コンセプトは…見方を変えれば世界は変わる、脇役だって主役になれる。どうでしょう?」
…実はこれは赤楚ではなく小芝がずっと考えていた企画。過去にさえない脇役だったケンティーと今現在さえない脇役の小芝、脇役の二人が時を経て主人公になれるのか…そういう想いが込められている…
「脇役だって主役になれる」
…これがドラマの本当のコンセプト…?
この瞬間「脇役=主役」の方程式が成り立ったのです。つまり『彼女はキレイだった』においては「最も脇役に徹した人間こそが真の主役」だという大いなる伏線。赤楚が脇役っぽい行動を取れば取るほど、当て馬ぶりに拍車がかかればかかるほど、最終的には赤楚が「勝つ」…
世界で唯一…俺だけが…真実に気づいてしまった…
これは完全なるジャニーズに対しての宣戦布告…はじまる…令和のバトルロワイヤルが…「赤楚VSジャニーズ」の全面戦争がよ…赤楚…ジャニーズを、ケンティーをブチのめしてくれ…
さらに会議後、赤楚はケンティーに対してこう告げる。
赤楚「正直俺としてはこれ以上ジャクソン(赤楚しか呼んでねぇアダ名)に近づいてほしくないんすけどね…」
ケンティー「どういう意味だ…?」
赤楚「手短に言うと…俺…彼女のこと好きなんで」
赤楚「でも…私情はひとまず置くことにしました」
赤楚「あなたがMOST(働いてる会社)のクリエイテイブディレクターとして今度こそ適切な判断してくれることを願ってます……(ニコッ)失礼します」
ケンティー「…」
お…愚かな…早すぎる…あまりにも早すぎる宣戦布告。なにが(ニコッ)だよ強がりやがって…こんなもん他のドラマだったら瞬殺。だが、何度も言うように「負けるが勝ち」それが真実…いいぞ…赤楚…もっとやれ…
まだだ…まだ赤楚は止まらねぇ…冒頭でも言ったが赤楚はことあるごとに小芝に純情な感情を伝えようとするが1/3どころか1/10000も伝わらねぇ生まれながらのシャムシェイド野郎。
赤楚「俺…副編集長にジャクソンの正体知られたくないなぁ」
小芝「えっ」
赤楚「昔のジャクソンはもう獲られたから今のジャクソンまで獲られたくない」
小芝「どういう意味ですか…?」
赤楚「ジャクソン…結婚しよう…」
小芝「えっ…ちょっ…!アハハ!!待って待って!何やってるんですか!?笑」
赤楚「…えっ…!ダメだったッ?王子様みたいじゃなかったッ!?笑」
小芝「あーハイハイそうですね笑」
赤楚「…」
あ…赤楚…
赤楚「結局、副編集長なのね」
小芝「へっ?樋口さんどうしたんですか?」
赤楚「ううん、ただのヤキモチ」
赤楚「もっと…ジャクソンの中に俺がいればいいいのに…」
小芝「あっ、またからかってるんですね〜〜?」
赤楚「さぁ〜?どうでしょぉぉ!?じゃあ!取材行ってきま〜すッ!」
も、もういいッ!!もうやめろ赤楚ッ!!もう…もうおまえの勝ちでいいからッ…!!とりあえずお風呂入ってあったかくして寝な…?赤楚……
…極めつけはある日、小芝が火事に巻き込まれてしまう。その報を受け、大雨にもかかわらず小芝のもとへ走るケンティー。群衆のなか小芝を見つけるとケンティーは思わず彼女をぎゅっと抱きしめ…
それを遠くから見つめる、
ずぶ濡れの、
赤楚
め…名脇役・赤楚…?
…もし…ここまでして「脇役だって主役になれる」が赤楚のことじゃなかったら…お…俺は…
たのんだぞ…ジャニーズに…ケンティーに勝てるのはおまえだけだ…Sexy Zoneのxy以外も赤楚の赤で染めてやれ…