漫画の実写化って基本的に失敗か大失敗かの二択ですが、しかるべきキャスティングとしかるべき脚本としかるべき演出が成立すれば漫画以上の爆発を起こすこともまれにあります。
ということで、最近読んでる漫画で「これ実写化したら0か100だろ」と思うやつを紹介します。
往生際の意味を知れ!
独身アラサー男の前に7年間ひたすら想い続けてきた元カノが突然現れて「精子くれ」と懇願され、その出産ドキュメンタリー映画を撮ることになる漫画。
一見ブッ飛んだエロ漫画かと思いきや「そうくる?」の連続で、徐々にスピードが加速していって気がついた時には目に見えねぇ速さまで到達してる。1話、1巻を読んだだけじゃ全貌がほとんど見えてこない気味の悪さがあるんですが、最新巻まで読むと最初の印象とは「まったく別の漫画」に変わる。いちご100%かと思ったらDEATH NOTEだったみたいな衝撃でした。
基本的に登場人物が全員イカレなので誰がどの役を演じても楽しそうなんですが、主人公の市松はDJ松永でいい。
もしも世界に「レンアイ」がなかったら
タイトルどおり世界には「恋愛」の概念がなく、人間の9割がヤリチンとヤリマンで構成され(そういう言葉すらない)、逆に一人を一途に愛する人間は迫害され生きづらさを味わうというトチ狂った漫画。
恋愛がないということは「不倫」「浮気」の概念もないので、結婚して子供がいようが「パパは今日となりのママの家泊まってくるから〜」「いってらっしゃ~い♡楽しんで♪」的な会話が普通にまかり通っていてただのホラーでした。
これを読んで「うらやましい」と思うのか「おぞましい」と思うのかで、その後の人間関係に亀裂が入りそうなので絶対に他人と感想を共有したくない。
たぶん来年あたりド深夜の30分ドラマ枠で実写化されてる。
シンデレラ クロゼット
さえない女子大生・はるかが同じバイト先のイケメンに恋をするものの、自分に自信が持てず諦めていたところに謎の金髪美女・光と出会い、メイクやオシャレを伝授され徐々に魅力的になっていき、恋もうまく行きかけるかと思いきや、その金髪美女は「金髪イケメン」だった、という話。
友情をメインに描くのかと思いきや、ゴリゴリの恋愛もので、どんどん魅力的になっていく主人公とどんどん主人公にハマっていく男どもの悶々をドストレートに感じられる王道中の王道漫画。
実写化するとなると、主人公のはるかは誰がやってもある程度ハマると思うんですが、光の「女装してちゃんと女に見えるめちゃくちゃ線の細いキレイな男」のキャスティングだけでたぶん一生モメるので、もう空気階段のかたまりでいい。
無能の鷹
雰囲気はバリバリの一流キャリアウーマンなのに、フタ開けてみたら足し算引き算も漢字の読み書きすらまともにできない、「会社のパソコンでYouTube見ながら書類のホチキス留め」くらいしか仕事のない社内ニート女・鷹野の無能を描いた漫画。
基本的に物語って「成長」とセットで、どんなにダメなやつでも努力に努力を重ねて自分の才能や強みを見つけて輝ける場所を見つけていくLike a ロック・リーでしか成り立たないじゃないですか。にもかかわらず、この漫画はスキル「無能」をどこまでも貫き通してる。
主人公の鷹野はレベル1でのステータスがオール0なのにレベル2までの経験値が8兆くらいあって比喩でもなんでもなくマジでただの「給料泥棒」。同じ会社にいたら最悪以外のなにものでもないですが、それをとんでもないテンポと、絶妙な「間」で面白く描いてて、冷静に考えたら確実に「いないほうがスムーズにいってた案件」もなぜか「アイツがいたから成功した」に置き換わってしまう。
読んでると、読者含め鷹野に関わった人間全員が「仕事とは…?」の認識が曖昧になっていき、常に催眠にかかったような感覚になるバグ漫画。実写化は絶対に菜々緒。
血の轍
誇張でもなんでもなく1巻1分で読み終わる地獄漫画。
ヤベェ母親とヤベェ息子がヤベェ世界でグチャグチャになっていく話で「毒親」というか「核爆弾親」。読者含め、こいつらに関わった他者を巻き込んで全てを破壊していく。
読んでると精神に異常きたしますし、「面白い」とか「つまらない」の枠からは完全に逸脱した漫画なので、読まずに人生終われるなら絶対に読まないほうがいい。俺はもう一度足を踏み入れてしまった場所から途中で逃げ出したくないという執念だけで読んでます。
もし実写化がするなら仲間由紀恵か菅野美穂か栗山千明あたりに顔見るだけで吐き気するくらいメチャクチャに演じてほしいです。
君のことが大大大大大好きな100人の彼女
「高校生活で出会う運命の彼女100人全員を幸せにできなければ死ぬ」という業を背負った男・恋太郎と100人の彼女との究極バカハーレム漫画で、現在75話にして「16人目」。
とにかく勢いだけで全てを片付けようとするF1カーみたいな作品で情報量とボケ数が渋滞しすぎてて1話読むだけでも目が爆発します。ここまでふざけ散らかしてると、肝心の恋愛部分までもギャグで終わりそうなのに、イチャイチャシーンは湯葉職人くらいに丁寧に、かつ読者がちゃんと興奮できるようにエロく描いているのが本当にイカレ。しかも、今のとこヒロイン全員にちゃんと魅力があって普通に全員と「かわいい結婚したい」と思わせる萌力があるし、読んでるとどんどん性癖が広がる。
なにより、文字通り「全員彼女」「全員本命」なので誰が傷つくとか、誰が負けヒロインとか、そういうメンドくせぇ要素を全部取っ払ってるからなんのストレスもなく全員を愛でられますし、本気で性格もキャラもまったく違う魅力的な女キャラを100人書ききるつもりなのか、それともその前に集英社が倒産するのか、の勝負みたいになってて別の意味でも楽しめます。
俺にもし遺産が2兆円あったらあらゆる手を使って実写化したい。考えつく有名女優全員出演させて死ぬほどイチャつかせて、恋太郎役の俳優に全ての憎しみを集結させたい。
以上です、ちなみに一番好きな実写化作品は要潤さん主演の映画『ピューと吹く!ジャガー』です。