「謎の事業をしている金持ちの男」を「フォロワー増やしたい大勢の女」が取り合う『バチェラー・ジャパン』という狂った番組がAmazonにあるんですが、シーズン4は中盤の6話終了時点にして、すでに過去イチのクレイジーパーティです。
シーズン4がこれまでのバチェラーとまったく違う部分それは、
「めっちゃすぐキスする」
3までのバチェラーはどれだけ相手と急接近しようがボディタッチされようが股間触られようが、キスだけはしてこなかった。なぜなら「キス=勝利確定」の暗黙ルールがずっとあり番組のラストに、
「残った二人が抱き合いながらキスをしてEnding…」
が定説となってたんですね。しかし、バチェラー4号は違いました。「心が動いたから」というよくわからん理由で、チュッ!夏パ〜ティ並にキスしまくってます。「心が動いた」=「酔っ払ってムラムラした」でした。
しかも、それがバレて他の参加者から「私とはなんだったの?」とガチギレされる地獄展開。ルール上明確に「キス禁止」と示さない運営も悪いし、「法の抜け穴見つけた」みたいなテンションで職権乱用キスしまくるバチェラーも悪いし、自分がヤキモチ焼くの分かってて根掘り葉掘り他人とのデートの内容聞く女も悪い。
そんなシーズン4ですが、正直もう8割ラスト決まってます。なぜなら、シーズン3まで熱心に観てきた視聴者の方はもうお気付きでしょうが、バチェラーは歴代含め、ほぼ全員運命の相手を「見た目」で決めます。
「顔しか勝たん!ビジュ爆発!」とだけ言ってりゃいいものを「生涯を共にできるか」だの「フィーリングが合うか」だの「素の自分でいられるか」だの「家族と仲が良いか」だのと、グダグダ理屈こねくり回して他の参加者にも一応の希望持たせようとしてるんですけど、最終的な決め手は「顔がタイプ」の一点。
結局バチェラーって「スタート値が違うのに加点方式のゲーム」なので、最初から持ち点100点ある人間と10点スタートの人間の勝負で10点が勝てるワケなく「前科持ち」とか「親が組長」とかそういうのが無いと絶対ひっくり返らないんですね。
バチェラー4号も明らかにこの「鍼師」に対しての扱いがどっからどう見ても違ってて、出会って数分で上目遣いで見つめられた瞬間、
「今日イチ照れた顔しちゃった今…デヘヘ…」
っつってヨダレ垂らしまくってました。性獣?
鍼師は自ら大したアピールをせずとも、唯一のエピソードトークが1ミリも忘れられてないであろう元彼との同棲話でも、基礎能力値が高すぎるがゆえバチェラーは勝手に愛を育て、周りの女性は勝手に焦って自滅して死んでいく無敵の恋愛範馬勇次郎なので、他の参加者に対しては常に「俺のターン!」で優位に立って、バラあげるかあげないかをギリギリまで匂わせて焦らして隠すのに対し鍼師には、
「ちゃんと時間作りたいと思ってるからちょっとだけ待ってて…?」
「自分がのんちゃん(鍼師)のこと好きなのはハッキリしたから、次のキスは一番最後の愛してるっていうかさ…パートナーとして一緒にいたい人とっていうかさ…」
と、超絶高待遇をかまします。こんなもん「ゲームが崩壊するのでみなまで言いませんけど君が最後まで残るのはほぼ決まってます」って言ってると同じですし、基本的に「君が俺のこと好きなのはわかったから、俺のこともっと好きにさせて?」のスタンスだったのに鍼師にだけは「お、俺は君のこと好きなんだけど…どうやったら俺のこと好きになってもらえるの…?」って言いながら無理矢理キスしようとしたり、大丈夫?ワーナー・ブラザースのロゴの角で頭ぶつけた?
ガチの本命を目の前にすると、バチェラーだろうが顔が良かろうが仕事上手くいってようが金持ってようが男は全員童貞になる、ということがまたしても証明されてしまいました。(結局鍼師に「元彼が忘れられない」という理由で振られてました。地獄)
そのくせ、やたらと余裕ぶって人を試すようなことばっかして、急に習字させたり絵描かせたりして「結婚する時に求めるものを漢字一文字で表現してみて」とか「地元の思い出の場所を描いてほしい」とかプレバトやってんの?って思いましたし、もし俺が参加者だったらその場で
「俺が今一番表現したい文字はなァ!!!テメェの『死』だァァアアアアア!!!!」
って叫びながらバチェラーの顔面に墨汁ブッかけてるので、なにひとつ文句も言わずに習字する参加女性マジ天使。どうか全員フォロワーいっぱい増やして幸せになってほしい。
ここまで読んでもらうと分かると思いますが、こんなもんマジメに直視したら確実に頭おかしくなるので、恋愛リアリティーショーじゃなくて恋愛大喜利番組、恋愛IPPONグランプリくらいの気持ちで見るのがオススメです。
今までのバチェラーも、口癖が「アクティビティ」だったり、実の親に「ファック」と言ったり、他の女の前で「めぐみー!!めぐみーーー!!」と別の女の名前連呼したりと、「こんな人との恋愛はイヤだ。どんなの?」をずっとやってくれます。なら、次のバチェラーもう「ARuFa」とかでいいだろと思いました。今までのバチェラーの100倍金持ってるでしょうし。Amazonじゃなくてオモコロでやれ。
ということで、最後に「ふとした顔がめちゃくちゃネプチューン原田泰造」ことバチェラー4号の名言を紹介して終わります。
「僕にとって…朝食って…毎日のことなんですよ…」
い、いや…俺にとってもそうだが…?もしかして俺もバチェラーだったのか…?