kansou

ミクスチャーブログ

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『silent』は恋愛ドラマゾンビを浄化させる聖ドラマ

シテ…コロシテ…

 

『silent』最終回を観た俺の感想がこれでした。俺がすべて間違ってました。人生やり直したい。

「最後キスして終了」「どっちか死ぬ」「すぐ海外行く」「急に数年後に飛ぶ」「当て馬同士がやっつけで付き合う」

今まで星の数ほど観てきた幼稚系恋愛ドラマのセオリーにこのドラマも吸収されるんだろうな、って思ってたんですよ。

どうせ、ラストは想が「紬…好きだ…」とか喋ってキスして終わるし、湊斗は適当に紬の女友達とくっつかせる、全部分かってんだよ。俺くらいになると未来が見える。

 

紬はタワレコの正社員になるために、なぜかいきなり海外で3年研修とかしなきゃいけなるし、想は紬に好きなことをしてほしいから、わざと冷たく突き放すような言葉投げかけるし、紬は想への気持ちを断ち切るように海外行きを決意するんだろ?

で、出発当日になっても、2人の気持ちはすれ違ったままで、想が自分の部屋で浮かない顔して寝っ転がってるとインターホンが鳴って、そこに湊斗が立ってるんだろ?

で、湊斗が想の胸ぐらつかんで「想…おまえふざけんなよ…!!」とか怒鳴るんですけど、想は「なに言ってるかわかんねーよ」って手話して、でも湊斗は無視して「聴こえるとか聴こえないとかそんな話し誰もしてねえんだよ!おまえの!おまえの気持ちはどうなんだよ!?」とか言うんだろ?

で、「乗れよ」つって湊斗は想をバイクの後ろに乗せて空港に向かうんだろ?

でも、もう出発の時間はとっくに過ぎてて、どこ探しても紬はいないんだろ?

で、想は空港のド真ん中で勇気振り絞ってこう言うんだろ?

 

「つ…むぎ…つむぎ!!!!」

 

ってな。そしたら後ろに紬がいるんだろ?

 

「想…くん…?」

 

で、想は思い切り紬をきつく抱きしめるんだろ?

 

「紬…好きだ…」(手話)

 

「想くん…わたしも好き…」(手話)

 

ヒゲダン「氷ついた心には太陽をォ………」

 

Happy Kiss…………

 

〜数年後〜

 

…つって、それからみんながどうなったかのダイジェストを爆速でやって、最後に2人のささやかだけど暖かい日常…で終わるんだろ?分かってんだよ全部。

 

 

と、思ってた昨日の俺の脳みそを今すぐ金属バットでカチ割りに行きたい。こんなハナクソラブストーリーではまったくありませんでした。調子こいてほんとすみませんでした…

見たか…?あの完璧な終わり方を…なんですか?「可哀想」「かすみ草」「佐倉想」で韻踏むのやめてもらっていいですか?「脚本協力:R-指定」ですか?

2人はもう付き合ってんのか?最後の耳打ちなんっつったのか?タワレコの正社員どうなった?その全てをあえて「描かない」。それはすなわち、

 

「魔法のコトバ 二人だけには分かる」

 

ということなんですよ。俺たちは今すぐ「草野マサムネ」にならなければいけない。

細けえこといちいち聞くな、どあほうと流川楓も言ってるわ。なにが「要チェックや!」だ。だまれ彦一。おまえは恋人とのイチャイチャを世界に公開するのか?想と紬はカップルYouTuber「そうつむチャンネル」じゃねぇんだよ。想が「彼女とのお家デートを隠し撮りしてみた!」とかアップしてたら滝のようにゲロ吐いてショック死するだろ。そういう話なんですよ。

これからも2人の生活は続いていて、楽しいこともあれば分かり合えずに喧嘩もするだろうし涙を流す夜だってあるだろう。だが、それを外野が観る権利はいっさいないのだ…

「さっさと告れ」「ここでキスしろ」「ベッドシーンはよ」起きることその全てを骨の髄までしゃぶり尽そうと怨念のようにわめく、野暮から生まれしわれわれ「恋愛ドラマゾンビ」どもの腐りきった体と心を浄化し、大切なことを思い出させてくれる聖(ホーリー)ドラマがsilentだったのだ…

 

 

が…ゾンビは何度でもよみがえる。俺は納得がいってねぇ…

 

 

想と紬はそれでいいが…俺はな…湊斗の半生とその後を描いた『minato』を1年間毎朝観たいし、春尾と奈々のディズニーデートの様子を映画館のドデカいスクリーンで観てぇんだよ…おい、どうなってんだよ…続報は…スピンオフは…シーズン2は…映画化は…

 

…なぁ…くれよ…もっともっとsilentくれよ…たのむよくれよ…