令和にこんなコンプラフル無視のドエロ曲をリリースしていいのかと思いましたが、タイアップ先の『地獄楽』がジャンプの皮かぶった快楽天なのでなんの問題もなかった。聴く房中術すぎる。完全に逝きました。俺は天仙様にはなれませんでした。
中1の時、母親に隠れてアルバム「加爾基 精液 栗ノ花」を聴いたときから椎名林檎は俺にとってサキュバス。聴くとまず確実に気が狂ってしまうので制御していたんですね。
エロと文学と哲学と宗教がぐちゃぐちゃに混ざったタルタルソースみたいな歌詞と、神経超えて肉体に直接語りかけてくるかのような声、躁鬱を加速させる理解不能なメロディ、椎名林檎の曲は「音のついた官能小説」。1曲で寿命1日差し出してるような気分になり、聴き終わったあとは虚無の目でヨダレたらす。そんな存在だったのです。
それをふまえて今回の歌詞を見てみよう。
試してくれ 一層蓄えた技を
計ってくれ 真新しい腰挿しで
弾いてくれ 此方人等尚四面楚歌
対する人を介して この身の欠点が思い知りたい
た、蓄えた技…?こ、腰挿し…?熱い戦いの歌詞でもあるし、めちゃくちゃセクの話にも聴こえる…いやむしろセクの話にしか聴こえん…
なのに1ミリも下品ならないのが椎名林檎の恐ろしさよ…マジで狂ってるように見えて本当に狂ってる上に全部「わかっててやってる」…そこに「奥ゆかしさ」や「上品さ」があるからこそ椎名林檎の曲で人は狂う。そしてそれは恐らく俺のようなしょうもない男なんざ1ミリも相手にしてないんだろうなという「気高さ」から来るもの。自分が自分のためだけに美しくエロくあろうとするその様。それでいい…俺なんか一生視界に入れないでほしい。
そして、それに反比例するかのような「男の下品さ」をあえて体現しているのが常田大希。ただただ生々しく荒々しい剛速球のエロさ。
本格派の道楽家
Social(社会的)には凶悪犯?
禁止事項已(のみ)日々進歩
慇懃尾籠無礼行為(いんぎんびろうぶれいこうい)
Damn it!!!(糞)
性行為の伝道師
Play boy(色男)なのに正常位許(ばか)り
無鉄砲にStand up my fav people(立ち上がれ同胞たち)
Right now!!(今すぐ)
なんですかこの歌詞?
「性行為の伝道師 Play boy(色男)なのに正常位許(ばか)り」
加藤鷹かしみけんの話してます?しかも桑田佳祐みたいなエロいこと言いたいけど地上波で流せないから普通っぽい歌詞に擬態させて歌うみたいな荒技までかましてきてて「日々進歩」のところ完全に大声で「チ◯ポ」って叫びたいだけの人。思想がクレヨンしんちゃん。
「fav」を「ファック」の発音で歌ってるしこの本能だけで作ったような「口に出して最高に気持ち良い言葉」だけを凝縮した歌詞…脳から神経通さずそのまま言葉を発射してる。常田大希は「そこに気持ち良い音」があれば放送禁止用語だろうが何のためらいもなく使う。
女の内に秘めたエロさと、男の馬鹿なエロさの融合。当たり前のことだが、いつも以上に椎名林檎は「女」として常田大希は「男」として歌詞を書いてるような気がした。「お前ができることはお前がやれ。私が(俺が)できることは私が(俺が)やる」と言っているかのようだった。結果として80キロのナックルが来たあとに175キロのストレートを投げられたかのようなあらゆる理屈を超えた血管ちぎれるエロさに何度も絶頂してしまった。
そして、それがアプリとはいえ仮にも「少年ジャンプ」で連載されてるとは思えないほどエロと暴力の凝縮した地獄楽の主題歌として書き下ろされている…性器で頭をブン殴られたような衝撃だった。
(デッデッデッ!)変幻自在のォ…(デッデッデッ!)命剥き出したれェ……からもうギターからもう完璧に歌とギターからすでクライマックス。耳のキャパを超えてとんでもない情報量の音が襲ってくる。
特に「洗い浚い明かして弁解したぃ…後悔ぃ…」のタメの暴発するほどのエロさを早く味わってほしい。その妖艶な静けさからいきなり来る常田の激イカレラップと暴力的すぎる演奏を…
ファックピオポオオ!!!!!ヌ゛ア゛ァアアアアアアーーーーー!!!!レラァァナァアゥ……ベレレベレンレネンレレンネレレレドゥンドゥンドゥノドゥッ(デェンデェエェェエネネネデエエエエェェデlネネェエッェェエェエ)ドゥンドゥンドゥノドゥッゥゥンベケエケォレエエベケエェエネベエエレレレレエエベベエェェェエンベネエェエェエェエーーーーーー!!!
キィンッ…………
許してくれぇ…(ユルシテクレェエエエエエ)
嘗て犯した科をぉ裁いてくれぇ…(サバイテクレェエエエエエ)
真新しい良し悪しでぇ諭してくれぇ…(サトシテクレェエエエエ)
どうせ助かったんなら愛する人を介してこの世の絶景が拝みたぁあああああウトンデイタァァアア(あああああ!!)…(迷いさえもぉ…)
ここッッッッッ!!!!!!
……この林檎と常田のパートがめちゃくちゃ際どいシームレスな絶妙のタイミングで入れ替わった瞬間のエグさがわかるか…そして
ダイシゼンノオォオオオ(自分自身…)ヨワキヲシッテェエエエエエ(強気を覚えるぅ…)ヤミィチッテェェエエエエ(光わらう)オ(ぅ…)ンナトオォコォオオオ(憎し愛しぃ…)ゥ!!タダシサヨォオオオオ!(間違い)ツ(よぉ…)ミトバツソシテェエエエエ(生き死に一切ぃ…)リョウキョクノ(あわい)
「「結合シテェエエエエエエエエエエエ!!!!甘ァァアアアンゼヨォオオオオオオオオオオ!!!!!」」
互いが互いのパートを入り乱れ「結合して」で文字通り結合する……こんなものは完全に房中術………いいのか…?いいのか本当に………?
恐ろしいまでの「チンマン曲」…たのむ…これで地上波、できれば紅白出てほしいし、ちゃんとフルでやっていただいて茶の間凍りつかせてほしい…
何年か前に、一般人がカラオケで点数競う番組で「天才民謡少女!」って呼ばれてる女の子が選んだ曲がなぜか『丸の内サディスティック』で、ラスサビ前の「青 噛んで熟って頂戴」のタイミングで死ぬほど気まずそうな顔したお父さんがカメラに抜かれてて、実写版地獄楽だったんですが、そういうハプニングくれ。