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ミクスチャーブログ

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「星野源のライブ行かない?」と誘われた

「星野源のライブがあるんだけど、もしチケット取れたら一緒に行かない?」と誘われた。

星野源が今年全国ツアーをやるらしい。当然、今住んでいる札幌にも来る予定で『コウノドリ』『逃げるは恥だが役に立つ』ですっかり星野源のファンになっちまった彼女はどうしてもライブに行きたいらしい。

別にそれはいい。だがよ…ひとつ問題があるんですよ…ツイッター眺めてたらよぉ…なんか知らん女のツイートでよぉ…

 

「星野源のライブに行ったんだけど、女が連れてる男がもれなく星野源みたいな男だった」

 

はぁぁぁぁあぁああああ〜〜〜〜〜〜!!!??な、納得いかねぇ〜〜

俺の顔面はもろ星野源タイプの人間で、大きな括りで塩顔かしょうゆ顔かで言ったら塩顔、ヤン坊マー坊で言ったらマー坊、ほ乳類か爬虫類かで言ったら爬虫類。

だからどうせ星野源のライブ行ったら、

「あ〜こいつも地味目の男が星野源に憧れてちょっとオシャレ頑張っちゃったパターンね乙」

とか思われるんだろうが。冗談じゃねぇ…1ミリも憧れてねぇ…

俺はあんなパーツ付いてんだか付いてないんだかわからねぇ1分で描けそうなウッスゥ〜〜〜い顔よりも石黒賢みたいな目鼻立ちのはっきりした顔になりたかったんだよ、竹野内豊とか金子ノブアキみたいにヒゲだって生やしてぇ、ファッションだって反町隆史とか吉田栄作みたいにジーパンと白T1枚をサラッと着こなしてぇんだよ。声もネチネチ低音ボイスよりもB'zとかクリスタルキングみたいにパキッした高音のボーカルのほうが全然好みなんだよ。

でも、できないんだよ。哀しいくらいにヒゲも、吉田栄作スタイルも似合わねぇ。肩幅が圧倒的に足りねぇ。腕がゴボウみてぇに細ぇ。太っても全体に肉が付かねぇで下っ腹だけ出る。なんだこの体?

そのコンプレックス隠すためによくわからん柄のタイトめなシャツ着て襟足刈り上げ前髪ちょっと残しの髪型やってんだよ、別にあいつのマネやってんじゃねえ、こちとら星野源が星野源やる前から星野源やってんだよ(星野源のほうが年上でした)。ただな、勘違いすんなよ。好きで星野源やってんじゃねぇぞ。潤滑な社会生活を営むために歯ァ食いしばりながら星野源やってんだよ俺は…

だから軽々しく「連れてる男がもれなく星野源みたいな男だった」とか言われるのがめちゃくちゃ腹立つ。誰が憧れるかよ馬鹿が。

「星野源好き」って言えばサブカル女と喋れるとか思ってる他の腐れ男共はどうだか知らんが、少なくとも俺は自分の中にいる星野源に「俺」という存在が飲み込まれないように「星野源にだけはなるまい」という想いを胸に秘めて日々を生きてる。

 

だが、隣にいる君が俺に「それ」を望むのなら俺は喜んで短髪アシンメトリーでサスペンダー肩につけてライブ会場へと向ってやるよ。ここは元から楽しい地獄だ

 

恋 (通常盤)

恋 (通常盤)

 

吉岡里帆でドンブリ飯3杯いけるドラマ『カルテット』2話感想

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ドラマ『カルテット』2話感想。

 

有朱「美容室の予約何回も忘れて出禁になっちゃって〜〜」

家森「僕が切ってあげようか?」

有朱「え〜〜っ?そういうのドキドキしちゃうますぅ〜〜〜」

有朱「こんにちは〜〜」

家森「こないだはラインありがと」

有朱「嬉しかったですぅ〜〜」

家森「それでスキーなんだけどさ…」

有朱「行きたいです、絶対誘ってください!」

家森「いつがいい!?」

有朱「谷村さんに相談して連絡します!楽しみ〜〜〜〜」

家森「楽しみ〜〜〜〜」

 

あー最高。米だけで3杯はいける。おいおい、なんだなんだってんだこの感じ、どういうことだよ。「ゆとりですがなにか」とも「レディ・ダヴィンチ」とも違う、バラエティ番組で全男の心臓を笑顔で一突きする吉岡里帆とも違う。このモロな感じ、下手な演技女を演じさせられてる感じ、ドチャ糞かわいいじゃねぇかよお前。いやな、わかってんねん、わかってんねん家森(高橋一生)だって相手にされてないことくらい重々承知やねん、ただそれでも、それでも誘わずにはいられない、振り回されずにはいられないちゅうモンがあんねん。でも全然それで良いんや、そのカードがダウトってわかっててもスルーしてしまう時ってあるねん。振り回されてんのが気持ち良いってときがあんねん。

にしても吉岡里帆ってのは、ちょっと尋常じゃないくらいかわいい、カルテット2話の放送前日に『好きか嫌いか言うテレビ』ってのに吉岡里帆が番宣で出てて、地味な見た目の東大生を指して「なんだろう、この抱きしめたくなるような…なんでしょうね、愛おしくなる…」っつって、その時に俺は東大を目指すことを決意するのだったー。とりあえずドラゴン桜全巻Kindleで買った。「抱きしめたくなる」こんなコメントがぽんとナチュラルに飛び出すのが吉岡里帆が吉岡里帆たる所以だ。あと、去年の11月に『ダウンタウンなう』に出演したときのことだった。そこで見せたダウンタウンを前にしてまったく物怖じせず突っ込む姿、松本さんがロケ先の居酒屋で頭のハゲた店員に「あれ?なまはげ?」とボケた後に松本さんの頭を叩こうとして目を触る、浜田さんに褒められて嬉しさのあまり対面の席から駆け寄り「浜田さ〜ん」と肩をぽんと小突くという糞度胸(ダウンタウンとは2回目の共演)、持って生まれた男殺しの才能がすげぇ。あーかわいい、笑ったときに目が三日月になるのが頭おかしくなるくらいかわいい、あんなもんあんな目で見つめられたら絶対惚れる。いや、惚れたことにすら気づかない。斬られてる側は斬られたことにすら気づかない、胴体真っ二つにされて二、三歩歩いてから血が吹き出して死ぬあの感じ。

そう、「女子力」とは吉岡里帆のことである。とりあえずモテたいんだったら吉岡里帆の真似してりゃそれでいい、炊事?洗濯?いらねぇいらねぇ、そんなもんあと数年したら全部ロボに任せる時代がくるんだ。「ただ笑って側にいてさえくれればいい」そう男に思わせりゃ勝ちだ。そういう要素が吉岡里帆の一挙手一投足には全部詰まってる。

そこをふまえての今回のドラマ『カルテット』、「目が笑ってない女」来栖有朱という役柄は言ってみれば他で見る彼女とは真逆のキャラクターと言ってもいい。天性の愛嬌の良さをギリギリまで封印して男をたらしこめることだけに特化したまさにサキュバス。見れば見るほど好きにならざるを得ない。なぜ目が笑ってないのか、彼女の真意が明らかになる日は、心からの笑顔を見せる日は果たしてやってくるのか。

関係者各位におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。『カルテット』は秘密を抱えた四人の音楽奏者の話ってのは重々承知、重々承知なのですが、もうちょい吉岡里帆のシーンを増やしていただけませんでしょうか、この愚民に、あの悪魔的かわいさを堪能させてはくれないでしょうか、靴くらいなら喜んで舐めますーーーあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!!ひっひかりぃぃーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!死ーーーーーーーーーー!!!!!!ボカーーーン!!!!!

 

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浅野忠信と松山ケンイチという化物『A LIFE〜愛しき人〜』2話感想

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木村拓哉主演ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』2話の感想。

  

まず、放送開始1分で感じたこと。

「浅野忠信の声ガッサガサじゃねえか」

当然、開始1分は1話目のダイジェストで確かに1話から「浅野忠信、声どしたん…」とは思ってたが、改めて自分の想像を遥かに越えてガッサガサだったからめちゃくちゃビビった。プロレスラーの本間朋晃が声あててるのかと思った。

だけどそれは決してマイナスの印象じゃなく、浅野忠信が演じる壇上壮大という男を演じるうえでこの異常なまでの声のガサガサは壮大のなにかをきっかけに爆発しかねないデリケートな性格をこれ以上ないほど的確に表現している。

壇上壮大のなかに飼っている化物を完璧に抑えきれていないあの感じ、そう、映画『寄生獣』で後藤を演じた時の浅野忠信とピッタリと重なった。人の命を救う大病院の副委員長と、世界を破滅へと導く寄生生物、こんな真逆の役どころにも関わらず内側に潜んでいる狂気は一緒だと見抜く浅野忠信という役者、化物としか言いようがない。

そして、このドラマにはもう一人化物がいる、松山ケンイチだ。『デスノート』『銭ゲバ』『デトロイトメタルシティ』『ど根性ガエル』『珍遊記』など実写化でアクの強いキャラクターをやらせれば右に出る役者はいないとされる彼だが、このドラマで彼が演じている井川という人物、上昇志向の強い負けず嫌いな若手医師、どこにでもいるようななんでもない役を演じている松山ケンイチを見て彼の役者としての器量を見誤っていたことに気づき、自分を恥じ、画面の前で土下座した。

エリートの若造にありがちな、自分を一番正しいと思い上がり人をナチュラルに人を苛立たせるあの態度、あんな演技もできたのか。彼も藤原竜也と同じで一度わけわからん役のイメージがつくとわけわからん役しかオファーが来ないのはある意味すごくもったいないことだと思った。ただ、そんなわけわからん役を数々経験した上での今回の井川なら俺は松山ケンイチという役者を心から尊敬する。

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それをふまえての2話。それぞれの役者のドラマに対するモチベーションの高さがありありと伝わる回だったように思う。ドラマ内での「(寿司は)準備で9割が決まる」という言葉にもあるように、セリフの一言一言、細かい所作の一つひとつまでしっかりとした準備と覚悟を持ってこの作品に臨んでいるのがはっきりとわかった。木村拓哉演じる沖田の演技も1話と同じように今までの木村拓哉と違い役を自分に引き寄せるだけじゃなく、木村拓哉自身も沖田に寄り添い「沖田拓哉」としての密度を濃くしていってるのがわかる。

そんな覚醒した木村拓哉をはじめ、浅野忠信、松山ケンイチという演技力の化物、木村文乃・竹内結子という可愛さの化物、リアル化物・柄本明、「ただそこにいるだけでエロい」性の化物・菜々緒、インチキ王子・及川光博、向島くん・小林隆、こんなとんでもないキャストが集う『A LIFE〜愛しき人〜』はまさに化物達の狂宴、「リアル・モンスターズインク」と言っても過言じゃない。

それでは最後にこの曲でお別れです、星野源で「化物」(ドラマ出てない)

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アイス『牧場しぼり 生キャラメル&ミルク』がうますぎて食った瞬間全部吐き出しそう

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アイス『牧場しぼり 生キャラメル&ミルク』が食った瞬間に全部吐き出しそうになるくらいうまい。

元々牧場しぼりは「いや牧場しぼりってw牧場をしぼるってその発想なんだよw」っていう笑いつつも「牛の乳じゃなく牧場そのものをしぼろうとするその心意気やよし!」つってひどく感心して買ってみたらその味の濃さからくるくっせえくっせえ牛の乳感が超うまくて一発で大好きになってスタンダードなミルク味はもちろんのことラムレーズン味とかめちゃくちゃうまくて贔屓にしてたんだけど、この「生キャラメル&ミルク」味に完全にやられた。なんだこれは、もしかしたら今まで食ったアイスのなかで一番うまい。完全に常軌を逸してる。料理漫画とかでよくあるうまいもん食って女キャラが「あっ…なに?これ…肉汁が溢れてくるっ…んっ…あっ…あぁ〜〜〜〜〜っ」みたいに絶頂してるシーンとか「馬鹿だろ田嶋陽子から訴えられろ」って思ってたんですけど俺が間違ってた。まさにそれ。人はマジでうまいもんを食うと絶頂する。

真冬でもサイコガンダムみたいなイカつい灯油ストーブがんがんに焚いて汗だくで裸でアイス食うっていうことに何よりの喜びを感じる俺なんですけど、生キャラメル&ミルクはそんなことするまでもねぇ。極寒の地北海道の外で食ったとしてもうまい、完全にアイスの概念を破壊しました。

なにがうまいってミルクと生キャラメルのバランスね、このバランス感覚はまるでフラミンゴが湖の中一本足でまったく体勢を崩さずに優雅に佇んでいるかのように完璧な味のまとまり。静と動、隠と陽、ミルクと生キャラメルそれぞれが互いの味を邪魔せず己の味の良い部分だけを最大限に引き出し合ってやがる。

しかも、その甘みがしつこすぎず、かといって物足りなさを感じるほどさっぱりしているかというとそうでもなく、すべてがただ俺の舌と胃袋を至福の時へと導くためだけに存在している。味のPDCAサイクルや。先ほどそんなことするまでもないと言いましたが、食う時はフタを開けて2分位はガマンしてサイコガンダムの前で正座、これが究極至高の食べ方です、『美味しんぼ』で海原先生が言ってました。「アイスを食すこととはSMと一緒で焦らすことによってアイスのはしっこから良い具合にバニラ成分が溶け出してきて余計にうまいのだ」と。それでスプーンを周りから螺旋階段のように中心に向かってすくうことによって溶け出したとろとろのクリーム部分と中心のまだすこし固いアイス感が残ってる部分を一緒に食べる。食い進めていくうちにどんどんうまくなる。それだけで死ねる。

ただ、うますぎて思わず全部吐きそうになった。胃がビックリしちゃって。「あしたのジョー」に金竜飛っていう韓国のボクサーがいてそいつは幼少期の戦争の影響で満足に食事もとれなかったことで胃がびっくりするからってレストランに入ってもレモンティーしか頼まないような奴で、人はいきなり自分のキャパ以上のものを自分の中に入れようとすると身体が受け付けなくなる。それと一緒で「牧場しぼり生キャラメル&ミルク」はうますぎて一人で1個も満足に食えない。だからこのアイスをうまくないと否定する奴らの言い分もわかる。体鍛えようつっていきなり100キロのダンベル上げようとしても筋肉がちぎれる。最初は10キロ20キロと少しずつ自分の許容範囲を増やしていくじゃないですか。だから俺にはまだ「牧場しぼり生キャラメル&ミルク」は早かったんだなと思った。

ミスチルよりMr.Childrenなバンド『TRIPLANE』でミスチルに思いを馳せる

『TRIPLANE』というバンドがミスチル以上にMr.Childrenですごい。

まずは一曲お聴きください。

 

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これはアニメ『ワンピース』のエンディング曲(鼻の長い狙撃手・ウソップが一味抜ける抜けないでゴタついてた時期)にもなってた「Dear friends」という曲。一部の隙もないほど完璧なミスチル。ボーカルの元々の声色、AメロBメロ抑えてサビで声張り上げるとことか、声の抜けとかミスチルすぎて違うバンドだとわかっているのに桜井和寿の影が後ろでチラつく。ピアノイントロからじわーっと始まり、徐々に音を重ねていってサビで爆発、ラストに転調、私立セントミスター・チルドレン高等学園首席。世の中にミスチルを尊敬しててミスチルみたいな音楽を奏でてるバンドは数あれど、ここまでミスチルできるバンドも珍しい。

 

TRIPLANE(トライプレイン)は北海道出身の4人組バンドで結成は2002年。北海道を拠点に活動しつつも、ワンピースの他に「メジャー」などのアニメの主題歌やCMソングにも起用されていたので、北海道民以外でも知っている人も多いかもしれない。

これだけなら世に数多いる「ミスチルに似てるバンド」のひとつで終わるところをこいつらのなにが凄いのかというと、ミスチルに声や曲調が似ていることで「二番煎じ、劣化コピーじゃねぇか」と言われて普通なら「じゃあ、俺達は逆を行ってオリジナリティを出すぞ!」となるところをそうはならず、ドンと構えて「俺達はミスチルでござい」と言ってのけ、どんどん自分たちの中にあるミスチル色を濃くしていってるところだ。その結果、「ミスチルに似ている」ということが逆にオリジナリティになっていってる。

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曲時間が6分強もあるバラード「白い花」。このサムネからビンビン伝わってくる圧倒的なミスチル。顔をしかめて明日世界が終わるかのように全身全霊を込めて歌い上げる姿はまさにミスチル中のミスチル。歌詞がちょっとイラつく感じもミスチル100パーセント。ミスチルが戸愚呂兄ならTRIPLANEは戸愚呂弟。ミスチルを肩に乗せ「兄者…」とか言ってる。

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バラード曲だけじゃなく、「君ドロップス」などのちょっとポップな曲では気恥ずかしい臭い恋心を歌ってみたり、最新アルバム「non no」に収録されているゲルニカというロックチューンでは現代社会を皮肉ってみたりと、もはやTRIPLANEがミスチルに似てるのか、ミスチルがTRIPLANEに寄せてるのかわからなくなってくる。

Wikipediaにあるボーカル・江畑兵衛(えばた ひょうえ)のプロフィール欄には「Mr.Childrenをリスペクトしている。全ての楽曲の作詞・作曲を担当。」とあるようにミスチルをしてるのは本人達も隠す気はない。それどころか、Mr.Childrenのドラム鈴木英哉と親交があるなど、楽曲だけじゃなく内側までミスチルに染まってる。もしかして、こいつらの最終的な目標は自分たちがミスチルそのものになることなんじゃないのかとさえ思えてくる。新興宗教の信者が教団乗っ取るパターン。

しかも、こいつらの厄介なところは曲を聴いてもらってわかるとおり、ミスチルファンが愛してやまない「バンドサウンドのMr.Children」をしっかりと体現していることで、聴きようによってはミスチルよりMr.Childrenしてる。挙げた3曲はもちろん、他の曲もしっかりと俺達ミスチルファンが聴きたいミスチルを奏でてくれているのでリリースのスパンが長いミスチルに代わって新曲を出してくれるのでミスチルロスになってるファンが繋ぎのつもりでTRIPLANEを聴いていて、気付いたらミスチルのCDを全部売り払ってTRIPLANEのCDを買い直してた、なんて話もよく耳にする。

 

そんな恐ろしいバンドTRIPLANEだが、ただひとつ問題がある。彼らの最新アルバムが出たのが2015年の2月、シングルに至っては2013年から出てない。そんな似なくていいところまでミスチルに似るんじゃねえ。

がんばれTRIPLANE、北の大地より応援してます。

 

non no (CD+DVD)

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SINGLES  04-12

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逃げ恥人間を殺しにくるドラマ『カルテット』1話感想

ドラマ『カルテット』1話感想です。

まずこの人の脚本ドラマの特徴として「ながら見できない」というのがあって、登場人物たちのちょっとした仕草とか目線の動き、会話のタメ、みたいなとこが後々毎回必ず挟んでくるであろう長回しシーンの伏線になってたりして、今時の「ドラマの内容とか感想をTwitterでグダグダ呟きながら観る」みたいなのとはすげー相性悪い。1話でも唐揚げレモンだとか画鋲を壁に刺す刺さないとか一見どうでもいいシーンがどこでどう後々のセリフに繋がってくるかわからなくなるから9面パズルみたいなストーリー展開に頭がクラクラしてくる。

あと、基本この人のドラマに登場する奴らは会話が下手というか、ちょっと目を離すと「いや、なんの話してんだよこいつら」ってなることがほとんどで、それは俺達が暮らす日常にかなり近い。普通生活してるなかで理路整然と自分の気持ちを順序組み立てて話せる人なんかほとんどいない。だいたいの会話はオチもまとまりもないし、他人の話も聴いてんだか聴いてないんだかわからない。自分の想いを伝えたいがあまり思わず全然関係ない話もする。だからこそ、坂元裕二作品に登場する奴らの良い意味でドラマらしくないぎこちないやりとりはまるで自分たちを見ているようで苦しいし、いたたまれなくなる、だけどそれがたまらなく愛くるしい。

すずめ(満島ひかり)が飲んでいる三角パックのコーヒー牛乳やベンジャミン(イッセー尾形)が被ってた「あしたのジョーの帽子」など明らかになんらかのメタファーを表してるであろう小道具の数々、どこまで小賢しい。逆にどこまでもライトでポップだった前クールのドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』からの『カルテット』は逃げ恥キッカケで普段あんまりドラマ観る習慣なかった人には流動食しか口にしてなかった病人を退院初日に「いきなり!ステーキ」につれていくくらい順序踏めてない逃げ恥人間たちを殺しにかかってくるドラマです。

秘密を抱えた音楽家の男女4人が共同生活、ラーメン山嵐並みに濃いメインキャスト、詳しいストーリーあらすじは他でさんざん語られてるので俺はあえて語ることはしません公式サイトで無料で本編いくらでも観られるんだから観ろ、高橋一生好きなら医龍2観ろ、満島ひかり好きならモテキ観ろ、松たか子好きなら一周回って王様のレストラン観ろ、松田龍平好きなら二周回って鬼武者2やれ、それより俺が推したいのは4人が定期演奏を行うことになるレストラン・ノクターンでウエイトレスをしている来杉有朱(吉岡里帆)の存在です。吉岡里帆ちゃん本人曰く、「4人を引っ掻き回す小悪魔的キャラ」らしく、店長に向かって「ただいまで〜〜す」と猫なで声で現れる初登場シーンからヤバい女の臭いをプンプンさせてやがる。うわー!かわいい。やばいかわいい。死ぬ。ガッキーがなんぼのもんじゃい。まず、声めっちゃかわいくない?で、顔めっちゃかわいくない?あと、仕草超かわいい。「吉岡里帆」って一回ググってみたらいい、こんなもん最終兵器彼女だろ。

(余命9ヶ月のピアニストってことで)あたしもすっごい泣けて気持ち良かったんですけど、これ言い始めてから一年経ってて、でも、こういう人やめさせちゃったら、お店が炎上しちゃうじゃないですか。ふふっ。あたし、元地下アイドルなんですけどしょっちゅう炎上してました(目が笑ってないからじゃない?と釘を刺される)

(やめさせたピアニストの代わりに演奏することになった4人の前で)ベンジャミンさんも前にドーナツの話してましたよ。「音楽っていうのはドーナツの穴のようなもんだ、なにかが欠けてる奴が奏でるから音楽になるんだよね」って。全然意味分からなかったですけど(笑)へへへへへっ。じゃ、3分前です

おいおい、絶対こいつあれじゃん、その気にさせといて告ったら「え?なに勘違いしてんの?(笑)」とか言ってくるタイプだろうが。基本パーソナルスペースぶっ壊れてて、ちょっ、お前、顔近いんだよ、ベタベタ体触ってくんじゃねぇ、「もぉ〜〜」とか言って頭叩こうとするんじゃねぇかわいいんだよ糞が、それ俺の飲み物だぞボケ、なにが「一緒にいたらずっと笑ってる」だよ、なにが「なんでも話せる」だよ!グッ!頭が…!

ああ〜、さんざん振り回された挙句ボロ雑巾のように捨てられたいです。ありがとうございました。

木村拓哉の顔を被ったおっさん『A LIFE〜愛しき人〜』1話感想

木村拓哉主演ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』1話の感想。

去年1年間、本当に色々なことがあって世間が抱いている「木村拓哉」という人物のイメージが人によっては上がったり下がったりしていると思うのだけど、木村拓哉そのものはまったくブレることはなかった。いつもクールで格好良く、そして時に熱い真っ直ぐな男。良くも悪くも。

よく木村拓哉の演技を評する声として「なにをやっても同じ」という意見を耳にするんだけど、それは一方では正解、しかしもう一方では間違いだと思ってる。木村拓哉という男は誰よりも木村拓哉という役を演じてる。美容師をしていても、検事をしていても、F1ドライバーをしていても、パイロットをしていても、侍をしていても、総理大臣をしていても、ロボットになっても、確かにどれも木村拓哉は木村拓哉なんだが、どれも違う、木村拓哉という入れ物の中に別の木村拓哉が入っている。そう、木村拓哉とはいくつもの違う木村拓哉の顔を持つ役者、アシュラマンなんです。

例えるならそれは「木村拓哉が役に入り込むのではなくて役のほうからいつの間にか木村拓哉に歩み寄っている」という状況。モノマネ芸人に真似されすぎると本人の挙動がモノマネに寄るみたいな感じだ。ただそれは「SMAP木村拓哉」だからこそ成り立っていた部分でもあって。でも今回、SMAPの看板を外し改めて木村拓哉が木村拓哉たるゆえんを世間にアピールしなければならない、このある意味で逆境のなか木村拓哉がどう乗り越え、どんなドラマを作っていくのか、俺はとても楽しみな気持ちでこの第1話に臨んだ。

 

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まず、木村拓哉演じる外科医・沖田一光が最初に画面に映った最初の飛行機内でのシーンに違和感を覚えた。「んん…?」なにかが違う。場面は変わっておしゃれなBGMにあてられ颯爽と病院へ向かうシーン。「木村拓哉だ…」さっきのは感覚は気のせいだったのか。

ストーリーが進むにつれ、その感覚は絶えず繰り返された。沖田一光、木村拓哉、沖田一光、木村拓哉…2つの顔が目まぐるしく入れ替わる。そして大事な手術のシーンを観終えた時、なにかがストンと腑に落ちた。

「沖田拓哉?」

そう、混在していた2つの人格は統合し、まったく新しい「沖田拓哉」という存在を作り出していた。一見すると一部の隙も見当たらないほど格好良くも、どこか脆く、人間的な弱さも感じさせる40オーバーのおっさん。自分への陰口を耳にしてギロリと相手を睨んだり、野菜ジュースを飲みすぎて腹を下す、なんて茶目っ気たっぷりの一面もある。好きな人も病院の地位も手に入れた幼馴染を恨めしそうな目で見つめたりもする。なのに見た目はトップスター・木村拓哉。明らかに今までの木村拓哉の演技とは違う存在。ここにまったく新しい木村拓哉が誕生した。

 

それだけじゃない、ストーリー、キャストなどドラマを彩る他の要素もそんな新生・木村拓哉を支えるような一因となってる。

第1話では病院長を救うためのオペが二度があって、その一度目はまさかの「失敗」に終わる。ここでこの主人公・沖田が決して完全無欠のスーパードクターではない、ということがわかる。

 

元彼女で病院長の娘・壇上深冬(竹内結子)や、深冬の夫で副院長、そして沖田の幼馴染でもある壇上壮大(浅野忠信)との関係性も面白い。

特に壮大は沖田に対して嫉妬心バリバリの表情を見せる。竹内結子を当時付き合っていた沖田から引き剥がすために彼をシアトルに追いやり、沖田のいない隙を狙って結婚、院長の手術のため仕方なく引き戻すも沖田が手術を成功させると嫉妬のあまり壁を殴って叫び出す始末。そのくせ秘書である榊原(菜々緒)と不倫関係にあるなど、かなりみみっちい役だ。でもそれが逆にどうしようもないほどの人間臭さを感じさせ、ドラマを盛り上げるカンフル剤になってる。竹内結子という妻がいながら影で菜々緒と不倫?大きめのトラックに轢かれろ。

それ以上にオペナース・柴田(木村文乃)、彼女がもう最高。めちゃくちゃかわいい。井川(松山ケンイチ)はじめ、他のドクターにはキツく当たり散らすのに沖田にだけは尊敬の眼差しで彼を見つめ、時に「女の顔」になる。そのギャップに別の意味でやられる。

そして極めつけは主題歌。なんとB'zが担当してる。B'zが木村拓哉のドラマ主題歌を手がけるのはビューティフルライフの「今夜月の見える丘に」以来。「木村拓哉×B'z」、名ドラマの予感しかしない。『A LIFE〜愛しき人〜』をこの先も観続けるかどうか、松本に相談するまでもない。