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ミクスチャーブログ

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ファックス文化さっさと滅びろ

ファックスってゴミですよね。

そもそも『紙不敗神話』みたいなの信じてる奴ら未だにいるけどなんなんだよアレ。なにが、

「紙でもらわないと不安」

だよいい加減にしろ。そのお前の紙に対する絶対的な信頼はどこからくるんだよ。思念でピッ!てやったら相手の脳内にシュッ!って直で情報が届くようになる時代がすぐそこまで来てんのにいつまでファックスとか使ってんだよ。紙とか燃やしたら一発だろ。昔わけわかんねぇ取引先のジジイと電話してて、

 

「口頭だと分かりにくいのでメールアドレスを紙に書いたファックスを送ってもらってもいいですか?」

 

なにコイツやっば。逆にテクニカルすぎてなに言われてるか1ミリもわかんなかったんですけど?は?なんて?メールの?アドレスを?紙に書いて?は?それを?ファックスしろ?は?

もう頭おかしくなりそうだったけどやらねぇとラチあかねぇから唇噛みちぎりながら紙にメアド書いてファックスしてやったら上司から、

 

「おい、ちゃんとファックス届いたか確認の電話したか?」

 

頭イカレてる?ファックスがちゃんと届いたかどうかを確認するための電話?えっ?もしかして「ファックス」ってファック複数形って意味のファックス?

あと、マジで気狂いそうだったのが、

 

「手書きでファックスされた数字の羅列(見積書とか)をExcelに手打ちする作業」

 

汚っっっっっっねぇ殴り書きで書かれた数字をわざわざパソコンで打ってるときの虚無感『るろうに剣心』で薫が死んだって勘違いして廃人になった剣心だろ。FAXぶっ壊し刀斎になって九頭龍閃かましてやろうかと思いましたし、そもそも「FAX番号」とかこの世で一番必要ねぇだろ。電話番号とFAX番号ニアピンにしてる時点で構造ミスだろ。たまに電話番号宛にFAXする奴いて受話器とった瞬間「ピー!!!!!」ってなって鼓膜終わるんだけど軽いテロだろアレ。

 

あーーー、ほんといっかい『噂の!東京マガジン』やってTRY!でそのへんのジジイに、

「Googleアカウント登録してGoogleドライブに保存してあるWordのファイルPDFに変換してGmailで送る」

みたいなのやらせたいんですけど

 

「あ〜〜〜!なにやってんの!な〜〜〜んでパスワード覚えてないの!?」

「それ一太郎でしょ!いまどき誰が使ってんの!Wordだって!」

「な〜〜〜んで印刷しちゃうの?PDFって言ってるでしょ!」

 

しかもこの「ファックファックス文化」のトチ狂ってんのが、ファックス信者ども「ファックス一点張り」で来るじゃないですか。ずっとファックス単勝に張ってんの。他の送受信手段知らねぇのバカだから。

ホームページにメールフォームなり問い合わせ用のメアドあるからそっからメールしろっつってんのに、

 

「いやメールとかホームページとかよくわからないからファックスします」

 

って不動明王みたいな顔して言う奴ゴロゴロいるんですよ。怖。なんでテコでも動かねぇんだよ。ちょっとは折れろや。なにそのRPGでさんざんやり取りさせて最終的に「はい」しか選べねぇみたいなの。よくわからねぇじゃねぇよ覚えろよ。「覚える」ってことを忘れてんじゃねぇよ。

しまいにゃ明らかにお前のファックス番号の打ち間違いなのに「何回も送ってるけどどうなってんの??」とかキレてくるのサイコパスすぎて涙出てくる。どうもなってねぇよ届いてねぇって何回言わせんだよ。

なんで変なジジイと『あの日送ったファックスの内容を僕達はまだ知らない。』やらなきゃいけねぇんだよ。「あのファク」どこでアニメ化すんだよ。ノイタミナ枠か?

 

Original Storyー

『あの日送ったファックスの内容を僕達はまだ知らない。』

 

「届いてますか?」

 

ある日、会社に一通のファックスが届いた。

番号は××-××××-××××、宛名は…書いてない。

たまにこうしてワケのわからないファックスが届く。大抵は送り間違いかただのイタズラで普段はそのままシュレッダーにかけるのだが、その日はなぜかその宛名不明のファックスが気になった。小さな丸文字で書かれたその「届いてますか?」になぜか惹かれた自分がいた。

同僚の目を盗んでコピー用紙を一枚手に取り、文字を書く。

 

「届いてますよ」

 

手書きでそう記し、その番号に送り返した。

 

(なにやってんだか…)

 

バカなことをしたと我に返り、仕事に戻ろうとした。

 

 

ピーーー、ガガ…ッピーーーー…

 

 

「よかった。うれしい」

 

 

は、はははっ…

 

 

それから、名も知らぬ二人だけの『交換ファックス』がはじまった。

 

一日数回、同僚に気づかれぬようその番号宛てにファックスを送った。内容は何気ないものだった。

 

「今日はいい天気ですね」

「ええ、とっても」

「お昼ごはん食べました?」

「食べました。おいしかったです」

 

ほんとうに、ほんとうになんてことのない会話だったけど、いつしかそれが僕の唯一の楽しみになっていた。

メールやラインが主流になっている現代で、文字だけの、しかも手書きのやりとりをしたのは何年ぶりだろう。紙に文字を書いて、宛先を打ち、送る。相手にちゃんと届いた保証なんてなにもない。だからこそ、返事が返ってきたときはすごく嬉しかった。耳障りなだけだった複合機の音が、とても愛おしく感じた。

 

オフィスから見る空が、いつもより、広く見えた。

 

『交換ファックス』を何日も続けていくなかで、いつしか僕の中で彼女に対する想いがどんどん大きくなっていった。

彼女はどんな顔しているのだろう。声は。身体は。もっと、もっと彼女のことを知りたい。文字だけじゃなく、彼女の、すべてを。

会いたい。彼女に会いたい。

そしてついに、やってしまった。

 

「番号検索」

 

インターネットでファックス番号を検索した。 例えば、企業や店舗ならその番号から逆算してホームページや登録サイトに辿り着くことができる。

 

「検索結果 0件」

 

どこかでわかっていた。僕は紙を取り出し、ファックスを送った。無意識だった。

  

「会えませんか?会いたい」

 

 

彼女からファックスが届くことは、なかった。

僕はこうなることもわかっていたような気がした。会いたいと思ってしまったらダメなんだと。いや、そもそも彼女なんて最初からいなかったのかもしれない。

 

…それから僕は届かないファックスのような空虚な想いを抱えたまま、この退屈な日々を過ごしている。

 

 

ピー…

 

…ガガ…ッピーーーー…

 

 

「私も、会いたこういうキモい妄想が止まらないしファックスはさっさと滅ぶべき。10年後の8月までに。

札幌で1番味噌がうまいラーメン屋『彩未』で「塩」頼んだらどうなるか

半分ウソの話なんですけど、先日札幌のラーメン屋『彩未(さいみ)』に行ったときのことなんですが。彩未はラーメン王国・札幌のなかでもトップクラスの人気を誇る超有名店。この日も12時半に店に着いた時点ですでに長蛇の列。店の中に入るとサインがズラリ。「SEKAI NO OWARI」のDJ LOVE、「コブクロ」の黒田俊介など顔を見れば誰もが知るような有名人の名前が並び、彩未がいかに人気店なのかを物語っている。

そんな彩未のメニューで圧倒的人気を誇るのが「味噌」。コクがあるのにクドくない絶妙なバランスのスープとコシのある中太ちぢれ麺との相性は抜群。チャーシューも厚切りの一枚肉とトロトロの角煮の二種類が入っていて食べごたえ十分。さらにトッピングのおろし生姜を溶かすことで味が変化し二度三度楽しめる最強ラーメン。店内を見渡しても9割の人間が味噌。

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数分後、待っている客一人ひとりにオーダーを取る女性店員。当然、客の口から出る「味噌」の嵐。

 

女性店員「ご注文お伺いしま〜す」

学生らしき青年「味噌と小ライスで〜」

 

女性店員「ご注文お伺いしま~す」

カップル男性「俺はチャーシューメン味噌…お前は?」

カップル女性「わたしも味噌!」

 

女性店員「ご注文お伺いしま~す」

中年おじさん「味噌大盛り」

 

女性店員「ご注文お伺いしま~す」

外国人男性「ミソ スープ ワン プリーズ」

 

 

女性店員「ご注文お伺い…」

俺「塩で」

 

 

女性店員「へっ…?」

 

 

ザワッ……!

 

名もなき客(あ、アイツ…いま「しお」って言わなかったか…?)

名もなき客(まさか…なにかの聞き間違いだろ…?)

 

女性店員「すっ、すいません…もっもう一度…よろしいでしょうか…?」

俺「塩で」

 

ザワザワッ……!

 

女性店員「ひっ…し…「しお」で…よっよろしい、ですか…?」

俺「塩で」

 

ザワザワザワッ……!

 

騒然とする店内

 

名もなき客(本当に…「しお」…?)

名もなき客(う、嘘だろ…)

名もなき客(も、もしかして…け、「血族の末裔」…)

 

女性店員「ち、注文入ります……しっ、しっ、「しお」……い、イヤァァアアアアアァァァ!!!」

 

カラァンッ!

 

厨房からお玉の落ちる音

 

男性店主「し、「しお」……だと…?」

男性店員「え、う、あ、あ、いっ、、」

男性店主「落ち着けッッ…!悟られるとまずいッッ…!」

男性店員「どっ、どどどどどっどどうすれば……」

 

男性店主「…ワシがやる。お前達は下がっていろ……」

男性店員「て、店主……」

 

ようやく席に通される俺

 

女性店員「かっかかかかっかあかかカウンターあああのお席へどっどどど」

俺(スッ)

 

名もなき客「すっ、すいませッッ!おっお会計!!」

名もなき客「おっ、俺もッッ…!」

 

おもむろに席を立つ両隣の客

 

名もなき客(やりやがった…アイツ…本当に「しお」を頼みやがった…)

名もなき客(こ、この落ち着きよう…本当に「血族の」……?)

名もなき客(お、おれ…生きた心地がしねぇよ…)

 

男性店主「この道一筋、四十五年…ワシのラーメン人生のすべてをかけるッ…!」

男性店員「ゴクリ…今日で…札幌の、いや、日本のラーメンの歴史が…大きく変わる…」

 

シャッシャッ!ジャーーーーーッ!ジュワジュワッ!

 

名もなき客(あの…おじさん…今まで「しお」を頼んだ人って…?)

名もなき客(俺はもう何年も彩未に通っているが…彩未で「しお」と口にして店を無事に出た人間は一人もいねぇ…食べた人間はその場で「暗獄」へ堕ちるか…仮に出られたとしてもそいつに待っているのは……こ…これ以上は俺の口からは言えねぇ…)

名もなき客(じゃあ…あのウワサは本当に…)

名もなき客(…なんにせよ、あのヤロウがそれを「わかって」注文しているのは…間違いねぇみたいだがな…)

 

ザッ!ザッ!ザシュッ!ギャンギャンギャンッ!

 

男性店主「ハァ…ハァ…で…できたぞ…「しお」だ…」

男性店員「こっ…これが「しお」…」

男性店主「ウッ!?ウグゥゥウウウウウウーーーーーッ!!」

男性店員「て、店主!?しっかりしてください店主ッ!?」

男性店主「ハァ…ハァ…お…俺のことはいい…席…まで…持っていけ……お前にしか…できねぇ…「仕事」だ…」

男性店員「て、店主……わかりました…」

 

ツカツカツカ…

 

男性店員「お待たせしました……「しお」です……」

 

器に釘付けになる店内…

 

女性店員「ゴクリ……」

 

名もなき客「ゴクリ……」

名もなき客「ゴクリ……」

名もなき客「ゴクリ……」

学生らしき青年「ゴクリ……」

カップル男性「ゴクリ……」

カップル女性「ゴクリ……」

中年おじさん「ゴクリ……」

外国人男性「god...」

 

!?

 

全員(これが……「しお」……?)

 

 

名もなき客(そうか…そうだったのか…)

名もなき客(えっ?)

名もなき客(…「しお」とは食べた人間の心を写す「鏡」のようなものだったのかもしれねぇ…)

名もなき客(そ、それって…)

名もなき客(今までの客が「しお」によって「暗獄」へ堕ちてしまったのは己の心の弱さゆえ…いや…堕ちたという表現も間違いだった…誰一人として堕ちてはいなかった…昇っていったんだよ…みんな…「美味」という名の天国へな…悪の心すらも浄化するほど美味いラーメン…それが「しお(心悪)」だったんだ…)

名もなき客(俺…わかった気がします…彩未のラーメンを食べた人はみんな笑顔で店を出ていくんです…それは何ラーメンでも関係ない…味噌でも醤油でも…そう塩でも……「未来を彩るラーメン」…それが「彩未」なんですね…)

名もなき客(ちげぇねぇ…さぁ…俺達も食おう…せっかくの麺が伸びちまう…)

名もなき客(はい…)

 

 

 

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裏ポルノ(グラフィティ)ベスト2020

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ポルノ(グラフィティ)の裏ベスト2020

 

Fade away

作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮、Porno Graffitti

11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT』収録。

目の前に迫ってくるような激しさのバンドサウンドと、心臓を握りつぶされるほど美しいストリングス。そんなバッキバキのメロディに対して歌詞が女言葉で綴られていることによって情念の牙がストレートに突き刺さって曲に食い殺される。

 

Swing

作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

乾ききった砂漠のようなサウンドと全てを諦めた歌詞、すべて失ってなお自分のことを俯瞰で見ようとする悲しいほど真っ直ぐな声、聴いてると窒息する曲。耳から水飲みたくなる。

 

クリシェ

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

葬式後に弾いてるのかと思うほど悲しみに満ちたチェロが特徴の変態バラード。

ボーカルテクがすさまじく、最初はファルセットをガッツリ効かせた静かな立ち上がりだったのに中盤にかけてどんどん熱が高まってラストは半ばヤケクソに感情を爆発させて終わる、この恋の美しさだけじゃなく「無様さ」「醜さ」もキッチリ見せつけてくるポルノグラフィティisルシフェル。

 

デッサン#1

作詞:ハルイチ 作曲:シラタマ 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

ポルノグラフィティ史上最もドラマチックな曲。ぼやきからの泣き叫ぶメロディの高低差にマジで耳がキーンとなる聴くフットボールアワー後藤。アウトロのギターソロは人生。

 

PRISON MANSION 

作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ

ホーンの賑やかさ、退廃的なギター、ゴリラみたいなドラム、メロディはバキバキに洋楽っぽいのに、歌詞は狂った日本をバチクソに風刺してる皮肉の野菜炒め。が、最終的にはその欠陥すらも全部認めて愛してやると言ってくれる懐バカデカ曲。

 

ドリーマー

 作詞: 新藤晴一 作曲: ak.homma 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

思春期の童貞の脳みそをグチャグチャに混ぜてそれを固めて作ったギターで作曲したような曲。そのくせ演奏自体はド級にソリッドで妙に達観しやがって強がんじゃねぇ…

って心配してたらCメロで全部バグってイカれる悲しきピエロのような曲…でも…こいつは…この曲の主人公は…俺…俺だ…

 

まほろば○△

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

ずっと宙に浮いてるような薬物漬けオーガズムメロディと58禁の歌詞。還暦前に聴け。

広いベッドの下で君は飛ぶと叫んだあと のけぞり僕の上でどこまでも淫ら落ちるという

最初ベッドの下に潜り込んだ全裸の女が「飛ぶ〜〜〜〜〜ッ!!」っつってベッドひっくり返した勢いで男にマウントポジション取りながら自分で自分の首絞めて気絶するシーンを思い浮かべてて、は?マジで意味わかんねぇこの曲こわ…と思ってたんですが、ベッドまでの距離すら惜しいほど求め合ったってことだろうが俺のバカ。

 

別れ話をしよう

作詞:ハルイチ 作曲:シラタマ 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

イントロアウトロのトランペットと裏で鳴ってる鉄琴の音に心が撃ち抜かれて死ぬ。

アダルティなメロディに反して歌詞の主人公の女々しさ、馬鹿さ加減に胃が痛いほど共感してゲロ吐きそうになる。

お前から振るのに「この氷溶けるまで恋人でいようよ」だと?「きっとまた誰かと恋に落ちるんだろう」だと?なにが「ねぇ恋人」だよ。どうせこいつ何年後かに再会したら「俺のことまだ好きなんだろ?」とか言い出すからな。タバコ眼球に押し付けたろか…?

 

素敵すぎてしまった

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:馬場一嘉、ポルノグラフィティ 

要所要所のウインドチャイム(シャララァァ〜〜ン)を始め優しいのに悲しい、頭からつま先まで1ミリもスキのない完璧な馬場一嘉のアレンジ、言語感覚の鬼・新藤晴一の歌詞、風、ニュースの擬人化、「割れたままの砂時計」「解体途中のビル」、次々と視点が変わり、最終的にそれら全てが「闇」によって浄化、そしてその全てに「成り切る」歌柱・岡野昭仁、ポルノグラフィティの深化を端的に表した曲。

 

Mr.ジェロニモ

作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

ド級イカレ曲。これをシラフで書いてるとしたら今すぐ逮捕したほうがいいと思った。ただヤバいんじゃなくて微妙に意味が通じるところが「わかってやってるサイコパス風の常識人」。絶対に夜道すれ違いたくない。

歌詞を体現したネジがブッ飛んだボーカル、バッタみたいに跳ねるギター、左右で聴こえ方がまったく違う音色も相まってこっちまで頭おかしくなる。

 

何度も

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ

毛布で弾いているのかと思うほど柔らかい音色のギター、小鳥のさえずりのようなハイハット、ピアノ、赤ん坊が秒で眠る歌声、すべてを肯定してくれる歌詞…

メロディ、歌詞、歌、アレンジ、その全てが「泣かせ」にくる涙腺やる気スイッチ。 

 

小説のように

作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ

ポルノグラフィティの楽曲の中でもトップクラスに音数が少ない曲なのにうるさい。静かすぎてうるさい。音を出さないからこそ、その一つひとつが強調され音の包丁に刺される。吐く息すら食べたい岡野昭仁の声しかり、全ての音が綺麗すぎて怖い。聴く仲間由紀恵。

 

ANGRY BIRD

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:篤志、ポルノグラフィティ 

破壊ダァーーーーーーーーー!!破壊破壊破壊ィィイイイーーーーーーーーー!!ヒャァッッハァァアァァァァァアーーーーーーーー!!!!

ウザい上司!使えない部下!破壊破壊ィィイイーーー!ボッッギャアアアッッッッ!!

キモい男!キモい女!破壊破壊ィィイイーーー!ボッッギャアアアッッッッ!!

家賃!水道!光熱費!破壊破壊ィィイイーーー!ボッッギャアアアッッッッ!!

教育!勤労!納税!破壊破壊ィィイイーーー!ボッッギャアアアッッッッ!!

いかがでしたかクソサイト!クソリプジジイ!上から目線無断アニメアイコン!坊主選手権!破壊破壊ィィイイーーー!ボッッギャアアアッッッッ!!

ア゛ーーーーーーーーー!!!

 

という曲です

 

敵はどこだ?

作詞:新藤晴一 作曲:Tama. 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ 

メロディも演奏も歌詞もゴリゴリに重いロックをやってるのにアレンジや岡野昭仁の声でポップにもなるポルノグラフィティの「唯一無二感」を味わえる。

2:59~音がピタッと止んでからのアウトロはマシンガン、耳がちぎれる。

 

TVスター

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ

悲哀に満ちたベース、滅びた都会感のあるアレンジ、過剰にオートチューンのかかったボーカル、色んな方面に喧嘩売ってる歌詞、ポルノグラフィティ最終回のバッドエンド。いつか生で歌ってほしいし、絶対に歌ってほしくない。

 

一雫

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:篤志、ポルノグラフィティ 

水に濡らしたような澄んだアレンジに、ギュッと抱きしめてくるギター、枕元で囁かれてるようなボーカル、とにかく音が良すぎて聴くたびに失神する。

これだけ名曲を生み出しながら自分達の音楽を「風に散った花びら」と表現する謙虚さ、一生貢ぐ。

 

→ポルノ裏ベスト on Spotify

 

興奮しながら泣く漫画『左様なら今晩は』感想

結婚間近に彼女にフラれた男・陽平と、その部屋に取り憑いている地縛霊の女・アイスケとのラブストーリー『左様なら今晩は』

基本的に下ネタベース、男のふざけた妄想願望全開の漫画なんですが、不思議と「下品じゃない」。下品じゃないのにちゃんと「いやらしい」。このバランスがすごく絶妙。凄いなと思ったのが、絵からめちゃくちゃ「匂い」がする。良い意味で「キレイすぎない」絵がそうさせるのか、生活感、体温、汗、何気ないやりとりのなかに確かに感じるどうしようもないくらいの「生々しさ」

ヒロイン・地縛霊のアイスケは死者になってから感情に忠実で「したいことはしたい」と遠慮もなく陽平に絡む。それがたまらなく可愛らしいのだけど、その根底には「生きているときに自分の思うままに生きられなかった」というジレンマがある。そこが彼女にとっての呪縛であり、枷。そして良くも悪くも「凡の男」、単純エロガッパの陽平、こいつは端的に言うと「俺」。「俺」であり「お前」です。おそろしいくらいにうまく男のアホさ、愚かさ、単純さ、身勝手さ、そういうものをぎゅーーーーっっと詰め込んでて、別に1ミリも好きじゃないがどうしても憎めないし嫌いになれない、だって俺だから。殺してくれ。

そんな2人が距離を縮めていき、惹かれ合っていく。完全に可愛い動物botで流れてくる猫のカップルの初々しさ。こんなもん好きにならないわけがないだろうがよ…と読み手は陽平になり、アイスケに対する愛情がジョボジョボと溢れて、もっともっと読ませてくれよ…もっと2人がイチャつくシーンくれよ…な…なぁ…2人、幸せに…な…なるよな…?だいじょうぶだよな…?なぁ…?生きてるとか死んでるとか…関係ねぇよな…?

って思った瞬間、いきなり縄切られる。突然訪れる急展開、本当に「あっけないく」、終わる。この「引き」の潔さ。本当に本当に本当にいじらしくて発狂する。

ふざけんじゃねぇよ…バナナおあずけされたサルか俺達はよ……ポッカリと穴が空いたような喪失感…

だが…それがいいんですよ…

だからこそ俺たちは描かれなかった2人の未来を、運命を信じずにはいられなくなる…なるよな…?きっと幸せに…なるよな…?と。

その結果、中盤までのいやらしさにガッツリ興奮してるのにラスト読後には気がついたら感動して泣いてるっていうよくわからない状態になります…どうしたらいいんだよ…こんな感覚はじめてだよ…どなたか地縛霊のかた、俺のウチに取り憑いてくれ

左様なら今晩は (ヤングキングコミックス)

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  • 作者:山本中学
  • 出版社/メーカー: 少年画報社
  • 発売日: 2020/01/27
  • メディア: Kindle版
 

2月18日は「三浦大知の日」にしてください

2月18日、三浦大知がNHK「うたコン」で久保田利伸の『Missing』をカバーしてた。

  

『Missing』を歌う前、当然のように胸に左手当てて深くお辞儀する三浦大知…

 

三浦大知はそういう人間。曲に対して、曲を作ったミュージシャンに対しての最大限の敬意を払う。それは有名になった今も変わらない…

もし、俺が三浦大知だったら、三浦大知みたいに上手く歌って踊れたら2兆%調子こいてますよ。

絶対私服とかバカデカいグラサンかけるし、刺繍入った革ジャン羽織るし、ボロボロに穴空いたジーンズと先の尖ったクツ履いてる。ドクロのネックレスと指輪するし、ポッケから半分出るくらいのスタッズバチバチの長サイフ使ってるし、外国のタバコめっちゃ吸ってる。スタッフとか共演者に挨拶なんて絶対しないし、足組みながらイスの代わりにスタッフの上に座ってるし、口癖「お前、俺のこと誰だと思ってんの?三浦だよ?消すよ?」になってる。

でも三浦大知はそうじゃない、誰に対してもなにをしてても「謙虚」。演者にもスタッフにもファンにもすべての人に対してリスペクトがある。どれだけ上手く歌って踊っても「俺スゴいでしょ感」を1ミリも出さない。私服も紆余曲折を経ていまめっちゃ質素。無地のブカブカのロンTめっちゃ着てる。

 

三浦大知はよく、

「僕は歌とダンスしかやってこなかった」

と武道極めた達人のジジイみたいなことを言うんですよ。でもこの言葉には嫌味がまったくない。自慢でもなんでもない、ただ真実として、誰よりも歌とダンスに対して真摯に向き合ってきたからこその発言。いかに好きなことだろうと「それだけをやり続けること」がどれだけ難しいか。…え、前世なんですか…?人間、何回目…?

 

そんななか、披露された『Missing』

Missingは俺もカラオケで好きな女子に歌ってたら「震える瞳が」あたりで急にその子がスマホいじりながら部屋から出ていってそのまま二度と帰って来なかった経験があるくらい歌いこんでるんですが、出だしがマジで難しいんですねこの曲。

「言葉に出来るなら…」

ここミスったら終わり。まごうとこなき地獄。俺はめでたく地獄に堕ちました。なのに三浦大知は…

 

「こォ…」

 

1文字半、たった1文字半で、そこは「三浦大知の世界」になった…

色んな人間がMissngをカバーしている中でここまで優しいMissingがかつてあったでしょうか。俺のMissingがあらゆる生命を殺し、断つデスMissingなのに対し、大知のMissingは全てを救い、赦(ゆる)すライフMissing。優しい…どこまでも優しく…あったかい…すべてを包み込む歌声。大知の声はこんな俺まで救ってくれる。俺は三浦大知に毛布かけられた…

しかもただ「優しい」だけじゃない。三浦大知の歌声は優しいと同時に「強い」。Cメロの

 

「黄昏にィィイイイイイ!!!精一杯の息を吸ってェエエエ!目を閉じるゥゥゥウウウウ!だけェエエエエオォォオオオオオ!アイラビュゥゥゥウウウウ!」

 

あれだけ踊れる人間が地に足をつけて「歌のみ」にパワー全振りしたらそれはもう人間じゃなく龍。ドラゴンの雄叫びです。「強いからこそ優しくなれる」この言葉を体現した歌声。最高。最高だった。

自分の色をしっかりと出しつつ、そこにちゃんと原曲のエッセンスを残して「久保田利伸の曲」として歌う。そこにはやっぱり久保田利伸へのリスペクトがあって愛してるからこそ、何百回、何千回とMissingを聴きこんだからこその、この完成度。だから三浦大知の歌うカバーを聴いて「なんか違うな」「お前が歌うな」と思う人間はいない。ジャクソン5の『I WANT YOU BACK』を歌ってたときから…ピーキーズウィンドウを開いてたときから…なにも変わってない…大知…

 

そして大知dayはこれだけじゃ終わらなかった。『うたコン』終わりでラジオ『星野源のオールナイトニッポン』に生出演する大知。いや帰って寝ろよ。少し休んでくれよ…

星野源とのラジオは今回で二回目。企画は「星野源 presents デモ-1 グランプリ feat. 三浦大知」。リスナーからの完全オリジナル曲を送ってもらい、選ばれた11曲の中から星野源と三浦大知が1番を決めるというもの。

完成度もクオリティも様々、良くも悪くもなんでもありのカオス音源が送られてくるなかで2人の音楽に対する「優しさ」に再び心をやられた。言ってもプロ中のプロの2人からしたら、つたない、素人の音源なのに、とにかく「褒める」。しかも的確に、説得力のある言葉を使って曲の素晴らしい部分をガシッと掴まえて評価する…なんですかこの徳の高さは…あの…もう一回言いますけど、人間…何回目ですか…?

 

それで、話の流れで星野源に

「体力づくりってどうしてるんですか?もうオバケ。体力のオバケ。あんなに踊って歌ってをずーっとやるわけでしょうが?意味がわからないんですよ。すごいよ」

って聞かれてたんですけど、

 

「いやー、でも、なんか『ずっとやってるから』だと思いますね…子供のころから、そればっかりなので…」

 

また言ってる…オバケ怖…

 

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最強のMr.Childrenキメラ『Birthday』フル感想


Mr.Children「Birthday / 君と重ねたモノローグ」15秒SPOT

 

Mr.Children、ヒカリノアトリエ、himawari、here comes my love、皮膚呼吸を経て、とんでもない曲生み出してきた…

まず、フル解禁前からドラえもん映画の予告CMやらアニメEDやらでサビだけが耳に刷り込まれていて、われわれはヨダレを垂らしながらフル解禁を待つミスチルの「犬」になってる。

it‘s my birthday 消えない小さな炎を

1つ1つ増やしながら 心の火をそっと震わして

何度だって僕を繰り返すよ そういつだって it’s my birthday

it‘s my(iuai)消えない(ieai) 増やし(uai)

it‘s(iu)1つ1つ(iouiou)

birthday(a-ue-)震わして(uuaie)  

何度だって(anoae)いつだって(iuae) it‘s my birthday(iuai a-ue-)

 

このずっと欲しくてたまらなかった鬼盛りの韻丼…これだけで期待値爆上がりの今作、初聴きはある意味「このサビにどうメロがくっついてるか」の答え合わせの時間なんですが、フタ開けてみるとミスチル監督、Aメロからずっとサビのニオイさせてて、オープニングのインタビューだけで発狂しそうでヤバい。1速ずつギアが上がるような躍動感のあるメロ、ずっと後ろで鳴ってる「テロレロレロレロレロレロレロロロン……」ギターアルペジオのループで耳溶ける。しかも、歌詞がAメロから

 

「しばらくして(iaauie)」「本物だって(onooae)」「熱くなって(auuae)」「冷やかして(iaaie)」「とっ散らかって(oiaae)」「そう思って(ouooe)」「君にだって(iiiae)」「牙があって(iaaae)」

 

ずっとe末で踏んでて脳から韻汁が…メロディもアレンジも歌詞も曲が始まった瞬間からサビへの布石を打ってる用意周到さ。さらに突き刺さるような自問自答の2番が来、名物・ラスサビの前の静けさ、浮遊感で意識が宇宙に持っていかれそうになる長めの間奏が来、目の前に桜井和寿がワープしてきて急にアコギ一本の音色からの

「ソ~~~~~ォオオオ!」

の号令からドカァァアアアア!!って爆発して暴れドラム、無限ギター、腹パンベース、ゴリ泣かせストリングスが絡んだときの無敵感、これが、これがMr.Childrenだコラとブン殴られたような感覚に陥った。

この全ミスチル狂いが待ち望んだミスチルの音楽、ミスチルのミックスグリル、Youthful daysの愛しさ、innocent worldの切なさ、HEROの心強さ、I'LL BEの爽やかさ、REMの激しさ、蘇生の強さ、fantasyの儚さ、靴ひもの痛さ、Drawingの優しさ、俺の好きな、俺達の好きなミスチルの要素を全部含んだ上で、2番での曲展開の変化や各サビのアレンジの違いなど今バチバチにメインストリームど真ん中にいるking GnuやOfficial髭男dismの若い音楽を取り入れて混ぜ合わせて再構築したまったく新しい合成獣、Mr.Childrenキメラの姿が、篠原涼子の姿がそこにはあった。

 

 

そして改めて驚いたのはミスチルとドラえもんとの親和性の高さ。特に歌詞、

「歴史なんかを学ぶより解き明かさなくちゃな 逃げも隠れもできぬ今を」

「僕は僕でしかない いくつになっても変われなくて」 

このフレーズ聴いたとき、野比のび太の顔が頭に浮かんだ。

思い返せば、そもそもミスチルはいつだってナチュラルにドラえもんの描いてる世界を体現してたような気がする。

どうしようもないダメダメなのび太が、いきなりドラえもんというプロアクションリプレイフレンドと願い事がなんでも叶うひみつ道具を手に入れて人生が180度変わるおとぎ話かと思いきや、最終的には道具の力に溺れて失敗したり痛い目を見ることで「結局変わらなきゃいけないのは自分自身」ということに少しずつ気がついていく『ドラえもん』という作品と、一見キラキラして希望に満ち溢れたことばかりを歌ってるようで、叶えたい未来とそれが叶わない今を突きつけながら、その中の一筋の光を歌う『Mr.Children』というバンド…

そうか…もしかしたら、俺たちにとってのドラえもんがミスチルで、ミスチルにとってののび太が俺たちなのかもしれないな…

チルえもん…ジャイアン(現実)をやっつける道具(音楽)もっと出してよ…

 

 

僕はなにを言ってるんでしょうか…今日が僕のDeath dayですね殺してくれ


Birthday/君と重ねたモノローグ

Birthday/君と重ねたモノローグ

  • アーティスト:Mr.Children
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: CD
 

サウダージ「海の底で物言わぬ貝になりたい」はなんの貝なのか

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ポルノグラフィティの名曲『サウダージ』にこんな一節があります。

 

「想いを紡いだ言葉まで 影を背負わすのならば 海の底で物言わぬ貝になりたい」

 

…ずっと疑問だった。「それはなんの貝なんだ」と。

アサリなのか、ホタテなのか、カキなのか、サザエなのか、おまえはいったいなに貝になりたいんだと。

ということで、調べました。

 

貝の種類

まず、この世に存在する貝類の数はなんと「130種類」以上にも及びます。

 

アオイガイ、アカガイ、アカニシ、アクキガイ、アゲマキガイ、アコヤガイ、アサリ、アブラキヌタレガイ、アヤボラ、アルビンガイ、アンボイナイガイ、イシガイ、イシマキガイ、イシマテガイ、イボキサゴ、イボニシ、ウコンハネガイ、ウシノツノガイ、ウズラタマキビガイ、ウミウサギガイ、ウミノサカエイモガイ、ウロコフネタマガイ、エビスガイ、オオイトカケガイ、オオタニシ、オオノガイ、オキシジミ、オキナエビスガイ、オニサザエ、オオヘビガイ、カガミガイ、カブトボラ、カミナリサザエ、カラスガイ、カラマツガイ、カワシンジュガイ、カワニナ、キクイガイ、キサゴ、キリガイ、クマサカガイ、クモガイ、クロアワビ、クロチョウガイ、コタマガイ、サカマキガイ、サザエ、サラガイ、サルボウガイ、シオフキガイ、シマイボボラガイ、シュモクガイ、シラオガイ、シロウリガイ、シンカイヒバリガイ、シンセイダカラ、スイジガイ、スエヒロキヌタレガイ、スガイスダレガイ、スケーリーフット、スルガバイ、セタシジミ、タイラギ、タカサゴビナ、タガヤサンミナシ、タケノコガイ、タマキビガイ、ダンベイキサゴ、チマキボラ、チョウセンサザエ、チョウセンハマグリ、ツメタガイ、テングニシ、トウカムリ、トコブシ、ドブガイ、トリガイ、トンガリササノハガイ、ナガニシナミガイ、ナミノコガイ、ナラクハナシガイ、ナンヨウダカラ、ネコガイ、ハイガイ、バイガイ、バカガイ、ハナビラダカラ、ハナマルユキ、ハチジョウダカラ、ハマグリ、ヒオウギガイ、ヒガイ、ヒメゴゼンソデガイ、ヒメモノアラガイ、ヒレジャコガイ、フジノハナガイ、フネアマガイ、ベニエガイ、ベニオキナエビス、ベニタケノコガイ、ベンケイガイ、ホシダカラガイ、ホタテガイ、ホッキガイ、ホトトギスガイ、ホネガイ、ホラガイ、ホンビノスガイ、マガキ、マシジミ、マダカアワビ、マツカサガイ、マツバガイ、マテガイ、ミヒカリコオロギボラ、ミミガイ、ミルクイ、ムシロガイ、ムラクモダカラ、ムラサキイガイ、ムラサキインコガイ、モノアラガイ、ヤクシマダカラ、ヤコウガイ、ヤツシロガイ、ヤマトシジミ、ヨメガカサガイ、ヨモツヘグイニナ、リュウキュウアオイガイ、リュウグウオキナエビス、リュウテンサザエ、リンボウガイ…

 

そろそろ頭がおかしくなるのでやめますが、この膨大な数の貝の中からサウダージの主人公・ダジ美がなりたい貝を探すのはかなり大変な作業です。(サウダージは男の女々しさを女言葉で歌った曲ですが、ここでは統一性を持たせるため主人公の名前を「ダジ美」とします)

しかし、改めて歌詞に注目するとそこには大きなヒントが隠されていました。

海の底で物言わぬ貝になりたい」

「海の底」、そう、すなわち深海です。ダジ美は「深海の貝」になりたいのです。ということは、裏を返せば浅瀬に生息する貝にはなりたくはないということがわかります。シジミになってもダジ美の傷が癒えるはずはありません。恋心の結末が「味噌汁の具」でいいはずはない。

 

深海に生息する貝

130種類の貝の中で「深海」、つまり水深200m以上の海に生息している貝は、

  • アブラキヌタレガイ
  • アルビンガイ
  • ウロコフネタマガイ
  • オキナエビスガイ
  • カブトボラ
  • キクイガイ
  • クマサカガイ
  • シロウリガイ
  • シンカイヒバリガイ
  • スエヒロキヌタレガイ
  • スルガバイ
  • チマキボラ
  • ナラクハナシガイ
  • ベニオキナエビス
  • ヨモツヘグイニナ
  • リュウグウオキナエビスリンボウガイ

以上、たった「16種類」しかありません。ダジ美がなりたい貝はこの中のどれなのか。ここでサウダージの次の歌詞を見てみましょう。

誰にも邪魔をされずに海に帰れたらいいのに あなたをひっそりと思い出させて」

「誰にも邪魔をされずに」…そう、ダジ美はひとりになりたいのです。他の生物は周りにいてほしくない。この思い出を誰にも汚させたくはない。いつまでもキレイなままで。便意もないのにウォッシュレットだけを当てにトイレに行く、それほどの想い。ダジ美にとっては海が深ければ深いほど、底が底であるほどいいのです。たかだか深海200、300mどころの話ではない。ダジ美のもつ悲しみはもっと奥、圧倒的な深海をダジ美は望んでいる。

 

それをふまえ、貝の生息地とその水深を見てみるとこうなります。

  • アブラキヌタレガイ…水深200~1000m
  • アルビンガイ…水深2000m付近
  • ウロコフネタマガイ…水深2400~2900m
  • オキナエビスガイ…水深200~300m
  • カブトボラ…水深250m~500m
  • キクイガイ…水深200~1400m
  • クマサカガイ…水深100m~300m
  • シロウリガイ…水深700~1200m
  • シンカイヒバリガイ…水深1500m
  • スエヒロキヌタレガイ…水深1000m
  • スルガバイ…水深200m~800m
  • チマキボラ…水深200m~400m
  • ナラクハナシガイ…水深7000m
  • ベニオキナエビス…水深80m~250m
  • ヨモツヘグイニナ…水深2000m付近
  • リュウグウオキナエビス…水深50~250m
  • リンボウガイ…水深80m~300m

推進1000mを超える深海に生息しているのがアルビンガイ、ウロコフネタマガイ、シンカイヒバリガイ、ナラクハナシガイ、ヨモツヘグイニナ、なかでも「ナラクハナシガイ」は水深7000mでの生息が確認され、存在する貝類で「最も海の底にいる貝」と言われています。

名前は「奈落の底から採集された」ことにちなんでおり、文字どおり「圧倒的な深海」。ダジ美の気持ちを表すうえでこれほどまでに適した貝がいるでしょうか。この貝こそダジ美がなりたかった貝に間違いない…

 

 「想いを紡いだ言葉までェ〜! 影を背負わすのならばァ〜! 海の底でナラクハナシガイになりたァァ〜〜〜い!」

 

偶然にも語呂もいい…まさか…ポルノグラフィティはここまで計算して…

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ナラクハナシガイ -東京大学大気海洋研究所-

サウダージ

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  • 発売日: 2014/04/01
  • メディア: MP3 ダウンロード