ファックスってゴミですよね。
そもそも『紙不敗神話』みたいなの信じてる奴ら未だにいるけどなんなんだよアレ。なにが、
「紙でもらわないと不安」
だよいい加減にしろ。そのお前の紙に対する絶対的な信頼はどこからくるんだよ。紙なんざ火ィ付けたら一発だからな。ペーパーレス、データ社会最強だから。だってデータはサイバー空間にあるんだからサイバーに。サイバーって無限なんだから。消してもすぐ復活できるんだから。紙?あんなもん破ったら終わりだろ。人間である俺から言わせたらザコですよザコ。100回ケンカして100回圧勝する。
思念でピッ!てやったら相手の脳内にシュッ!って直で情報が届くようになる時代がすぐそこまで来てんのにいつまでファックスとか使ってんだよ。昔わけわかんねぇ取引先のジジイと電話してて、
「口頭だと分かりにくいのでメールアドレスを紙に書いたファックスを送ってもらってもいいですか?」
やばぁなにコイツやっば。逆にテクニカルすぎてなに言われてるか1ミリもわかんなかったんですけど?は?なんて?メールの?アドレスを?紙に書いて?は?それを?ファックスしろ?は?
もう頭おかしくなりそうだったけどやらねぇとラチあかねぇから唇噛みちぎりながら紙にメアド書いてファックスしてやったら上司から、
「おい、ちゃんとファックス届いたか確認の電話したか?」
こ……の…「ファックスがちゃんと届いたかどうかを確認するための電話」マジでいっ、イカれてんのか???二度手間三度手間どころか二兆度手間だろうがよ…えっ?もしかして「ファックス」ってファック複数形って意味のファックス?
あと、マジで気狂いそうだったのが、
「手書きでファックスされた数字の羅列(見積書とか)をExcelに手打ちする作業」
なにこれ?きったねぇ殴り書きで書かれた数字をわざわざパソコンで打ってるときの虚無感『るろうに剣心』で薫が死んだって勘違いして廃人になった剣心だろ。イライラしすぎてFAXぶっ壊し刀斎になるとこだったわ。九頭龍閃かましてやろうか?
そもそも「FAX番号」とかこの世で一番必要ねぇだろ。電話番号とFAX番号ニアピンにしてる時点で構造ミスだろ。たまに電話番号宛にFAXする奴いて受話器とった瞬間、
「ピーーーーーーーーーー!!!!!」
ってなるたび鼓膜終わったかと思うわ。もう軽いテロだろアレ。
あーーー、ほんといっかい『噂の!東京マガジン』やってTRY!でそのへんのジジイに、
「Googleアカウント登録してGoogleドライブに保存してあるWordのファイルPDFに変換してGmailで送る」
みたいなのやらせたいんですけど???
「あ〜〜〜!なにやってんの!な〜〜〜んでパスワード覚えてないの!?」
「それ一太郎でしょ!いまどき誰が使ってんの!Wordだって!」
「な〜〜〜んで印刷しちゃうの?PDFって言ってるでしょ!」
とかナレーションに煽られてんの見てゲラゲラ笑ってやるから。そのとき笑瓶と風見しんごどんな顔すんだ?あ?
しかもこの「ファックファックス文化」のトチ狂ってんのが、ファックス信者ども「ファックス一点張り」で来るじゃないですか。ずーーーっとファックス単勝に張ってんの。他の送受信手段知らねぇのバカだから。ホームページにメールフォームなり問い合わせ用のメアドあるからそっからメールしろっつってんのに、
「いやメールとかホームページとかよくわからないからファックスします」
って仁王みたいな顔して言う奴ゴロゴロいるから。こっわ。なんでテコでも動かねぇんだよ。ちょっとは折れろや。なにそのRPGでさんざんやり取りさせて最終的に「はい」しか選べねぇみたいなの。よくわからねぇじゃねぇよ覚えろよ。「覚える」ってことを忘れてんじゃねぇよ。しまいにゃ明らかにお前のファックス番号の打ち間違いなのに「何回も送ってるけどどうなってんの??」とかキレてくるのサイコすぎて涙出てくる。どうもなってねぇよ届いてねぇって何兆回言わせんだよ。
なんでてめぇと『あの日送ったファックスの内容を僕達はまだ知らない。』やらなきゃいけねぇんだよ。「あのファク」どこでアニメ化すんだよ。ノイタミナ枠か?
ーOriginal Storyー
『あの日送ったファックスの内容を僕達はまだ知らない。』
「届いてますか?」
ある日、会社に一通のファックスが届いた。
番号は××-××××-××××、宛名は…書いてない。
たまにこうしてワケのわからないファックスが届く。大抵は送り間違いかただのイタズラで普段はそのままシュレッダーにかけるのだが、その日はなぜかその宛名不明のファックスが気になった。小さな丸文字で書かれたその「届いてますか?」になぜか惹かれた自分がいた。
同僚の目を盗んでコピー用紙を一枚手に取り、文字を書く。
「届いてますよ」
手書きでそう記し、その番号に送り返した。
(なにやってんだか…)
バカなことをしたと我に返り、仕事に戻ろうとした。
ピーーー、ガガ…ッピーーーー…
「よかった。うれしい」
は、はははっ…
それから、名も知らぬ二人だけの『交換ファックス』がはじまった。
一日数回、同僚に気づかれぬようその番号宛てにファックスを送った。内容は何気ないものだった。
「今日はいい天気ですね」
「ええ、とっても」
「お昼ごはん食べました?」
「食べました。おいしかったです」
ほんとうに、ほんとうになんてことのない会話だったけど、いつしかそれが僕の唯一の楽しみになっていた。
メールやラインが主流になっている現代で、文字だけの、しかも手書きのやりとりをしたのは何年ぶりだろう。紙に文字を書いて、宛先を打ち、送る。相手にちゃんと届いた保証なんてなにもない。だからこそ、返事が返ってきたときはすごく嬉しかった。耳障りなだけだった複合機の音が、とても愛おしく感じた。
オフィスから見る空が、いつもより、広く見えた。
『交換ファックス』を何日も続けていくなかで、いつしか僕の中で彼女に対する想いがどんどん大きくなっていった。
彼女はどんな顔しているのだろう。声は。身体は。もっと、もっと彼女のことを知りたい。文字だけじゃなく、彼女の、すべてを。
会いたい。彼女に会いたい。
そしてついに、やってしまった。
「番号検索」
インターネットでファックス番号を検索した。 例えば、企業や店舗ならその番号から逆算してホームページや登録サイトに辿り着くことができる。
「検索結果 0件」
どこかでわかっていた。僕は紙を取り出し、ファックスを送った。無意識だった。
「会えませんか?会いたい」
…
彼女からファックスが届くことは、なかった。
僕はこうなることもわかっていたような気がした。会いたいと思ってしまったらダメなんだと。いや、そもそも彼女なんて最初からいなかったのかもしれない。
…それから僕は届かないファックスのような空虚な想いを抱えたまま、この退屈な日々を過ごしている。
…
ピー…
…ガガ…ッピーーーー…
「私も、会いたこういうキモい妄想が止まらないしファックスはさっさと滅ぶべきだと思います。10年後の8月までに。