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漫画『火ノ丸相撲』感想

ジャンプで今まで読んでなくて後悔した2代漫画『ハイキュー!!』ともうひとつそれがこの『火ノ丸相撲』です。

まず前提として誰が「相撲」を題材として漫画を描こうと思いますか。それはむかしむかし『みどりのマキバオー』でおなじみつの丸大先生がそれこそ高校相撲を題材とした漫画『ごっちゃんです!』という漫画を描いてましたけど単純に糞つまらなかった記憶があるのは僕の思い過ごしでしょうか。それこそ同つの丸大先生作『サバイビー』並みの意味わからん漫画だったのです。他に相撲漫画といえば『どす恋ジゴロ』くらいしか思い浮かばないですけど、あれは相撲漫画というか「相撲島耕作」だったので除外します。

そんな黒歴史があって『火ノ丸相撲』が連載されてしばらくは読み飛ばしリストに入れていたのですが、ふと暇すぎてジャンプの読んでない漫画を読んでいたらこれが予想以上によく出来たスポ根漫画だったのです。

ストーリーとしてはかつて「鬼丸」と言われ未来の横綱候補のひとりとして子供相撲に君臨していた潮火ノ丸が身長が伸び悩むという理由から一度は相撲界から姿を消していたのですが、極限まで心技体を鍛えることにより160センチに満たない身長でも大型力士と変わらない真っ向勝負の立ち会いをし、自分より大きな力士を次々と倒していくというもの。

舞台は高校相撲ということで「いやいやそんなやつ相撲やるかよ」っていうような美少年や子供の頃の貴乃花も真っ青の「あどねー僕ねーパパみたいな力士になりたいの」横綱二世もいるのです。他にも元不良の空手使いや元レスリング日本一など、一歩間違えれば「スモウの王子様」「スモプリ」「ヌモウ」と呼ばれかねない危うさと、すごく丁寧に相撲というものを描いているというリアリティを兼ね備えた漫画こそこの「火ノ丸相撲」なのです。

最後に火ノ丸相撲の魅力を一言で挙げるならば「誰もが皆コンプレックス抱えているゆえの努力」という部分ではないでしょうか。主人公の火ノ丸は低身長がゆえのコンプレックス、不良空手家は火ノ丸が相撲部に入部するまではその相撲部を滅茶苦茶に荒らしていて部長に対して引け目を感じているなど、まぁありがちっちゃありがちなんですけど、そこが最近の漫画では珍しく丁寧に描かれていてとても読んでいる読者が物語に入って行きやすいのです。あとは「相撲」という題材が故に主要キャラクター以外はいわゆる「ザ・相撲部」といったナリのキャラが多く「男子高校生が裸で抱き合う」という腐女子やる気スイッチを押しているにもかかわらず腐女子がつきにくいという点も好感が持てます。今週(8月24日)のジャンプで言えば小関と真田というまったく嬉しくない対戦が今まさに行われています。

ぜひ『火ノ丸相撲』も『ハイキュー!!』とともにジャンプのスポーツ漫画をこれからも引っ張っていてください。

間違っても場外まで対戦相手を吹っ飛ばしたり、

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土俵にブラックホールを出現させたり、

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対戦相手の五感を奪ったりなさらないようお願い申し上げます。

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火ノ丸相撲 1 (ジャンプコミックス)

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