ヤマザキの薄皮シリーズが今年いっぱいで発売中止されるというのを風の噂で聞いた。
デマとの情報もあるが、この食品が値上がりした2015年にあの採算を度外視した具の量は異常だと常々思っていたので本当にいつ発売中止になってもおかしくはない。そう、いまここにある幸せが明日も続いてるとは限らない。もし、明日世界から「薄皮」が消えてしまったとき「なにを食べていいかわからない」と目の前を闇が覆った人のために、菓子パン症候群でもある僕が好きな菓子パンの感想を紹介します。
山崎製パン スイートブール
そびえ立つあの山のように大きな優しさで包み込んでくれる。ほのかな甘味から感じるのはそう、父の温もり。
ヤマザキ ローズネットクッキー
あの公道に咲く一輪の薔薇のように決して自分を見失わなず、凛と佇む。綺麗な薔薇には棘がある...。一口食べるたび、そんな声が聴こえてくる。
ヤマザキ 大きなメンチカツ
圧倒的なそのボリュームは太ることを悪とする今の現代に抗うヤマザキの意思表示なのだろうか。この広い大地のその先にどんな困難が待ち受けていたとしても。
ヤマザキ バーガーシリーズ
余計なものは一切いらない。着飾らず、主張しない、ただ吹き抜ける風のようにこの身にスッと染みこんでくる。ハンバーガーであり、ハンバーガーではない、もう少し年を取ればこの意味がわかるのだろうか。
日糧製パン 北の国のベーカリー チョコクロワッサン
北の大地から生まれた、誰も知らないパンがここにはあった。一口含んで目を閉じてみる。広がるほのかな甘味、暖炉、オレンジ色のランプ、老夫婦の笑顔、もう一度あの場所へ。
ヤマザキ ベビー甘食
くちどけの良い生地、母を感じるその形状、幼き頃の記憶が蘇る。ただ守ってあげたい、なにものにも変えられない想いのその先に僕たちは産まれてきたのだと強く強く感じる。
日糧製パン ラブラブサンド ピーナツ
この想いを届けたい、そう願ったあの頃。あまりに若すぎた僕たちはただただラブラブサンドを食べながらくだらない話をするしかなかった。もう一度逢えるのなら伝えたい、「ありがとう」と...。
Pasco 銀チョコロール
銀色に包まれたその出で立ちは、退屈で平凡な暮らしを続けている僕達の日常を忘れさせてくれる。コーティングされたチョコレートの中にしっかりと主張するホイップクリーム。「人と違うことは恥ずかしい」そんな自意識から開放させてくれる。
フジパン ピザパン
「どんなに努力しても、どんなに自分を磨いても本物には、天才には敵わない」そんな弱音を吐く僕にとってこのパンこそが救いだった。しっかりと感じるチーズの旨味は野を駆ける牛達の微笑み。
セブンイレブン ストロベリー&ホイップロール
ただ流れにその身を預ければいい。川のように、大空を翔ける鳥のように。絶妙なイチゴとホイップの奏でる協奏曲にその耳を舌を傾ければいい。
ヤマザキ ミニスナックゴールド
涙で前が見えないときも足元をそっと照らしてくれるパンがあった。ボリューム感のある大きさと独特の甘み、僕にとっては黄金よりも輝く宝物だった。
ヤマザキ ナイススティック
どんなに家族から、学校から、社会から否定されてもこのパンだけは認めてくれた。いつでもあの甘いクリームと一緒に俺を勇気づけてくれる。「ナイス」と...。
ヤマザキ まるごとソーセージ
ソーセージに、マヨネーズにただ溺れていたい。日々の喧騒から離れ、地図も持たずにあてのない旅路へ。自分自身の足で歩くことができたのなら、止まったままの時計の針がまた動き出す。
みなさんのお気に入りのパンが見つかれば幸いです。※デマでした