今一番面白い漫画『ダイヤモンドの功罪』を紹介させてください!!!「ちょっといまゲロ吐きたいな〜」と思ったときにおすすめの喉奥に手突っ込み漫画です!!!!早くアニメ化して〜〜〜!!!「日曜朝9時」とかに見た〜〜〜〜い!!!!
主人公は、どんなスポーツでも練習しなくても見ただけで全部できちゃう綾瀬川次郎(あやせがわじろう)くん。小学5年生。
「勝つとか負けるとかどうでもいいけど楽しくスポーツやりた〜〜い!」
と、言って色んなスポーツクラブの無料体験行くのですが、なぜかそこにいる誰よりもぶっちぎりで上手く、元からいた子供たちを
「あんな子いたら練習する意味ないじゃん!!!あの子いるならもうやめる!!!ウワ〜〜〜〜ン!!!(泣)(泣)(泣)」
と、絶望させてしまいます。
「なんでどこ行っても嫌われるんだろう…ただ楽しくやりたいだけなのに…オレができるスポーツないのかなぁ…」
と、悲しむ綾瀬川くんが次に選んだスポーツは「野球」
綾瀬川くんは足立バンビーズという超弱小チームを見つけます。一回も試合に勝ったことがないバンビーズの子供たちは、初めて野球をするのにチームの誰よりもすごい綾瀬川くんの才能を見て
「すごい!綾瀬川くんがチームにいたら勝てるかも!チームに入ってよ!」
と、大喜びするのです。初めての「仲間」と出会えたことに綾瀬川くんは嬉しくなり
「オレには野球しかないんだ!」
と、野球が大好きになりました。でも綾瀬川くんのすごいボールを捕れる人はチームに誰もいないので、綾瀬川くんは試合に出ることができません。残念…
…数日が経ち、綾瀬川くんもすっかりチームに溶け込めたころバンビーズの監督は
「この子がどんなすごい選手になるのか見てみた〜い!あわよくば俺が『この才能を見つけた恩師』としてチヤホヤされた〜い!」
とトチ狂って、綾瀬川くんに黙ってこっそり綾瀬川くんの練習動画を「日本代表の選考会」に送り、見事合格してしまいます。
それを知った綾瀬川くんは、
「なんで勝手なことすんの?興味ないし!バンビーズじゃないなら試合なんて出なくていいから!みんなと楽しく野球やりたいだけだから!」
と、怒るのですが、監督は
「今まで綾(瀬川)を見てきた指導者の気持ちが痛いほどわかる。
素直で賢くて明るくて優しくて…
でもそんなのどうでも良い!
本人の人格なんて、どうでもいいと思わせてしまう程の才能の魅力!
この子を…この才能を前にしておかしくならない方がおかしい」
と、頭がおかしくなり、綾瀬川くんの気持ちを無視して言葉巧みに綾瀬川くんを操り、日本代表の最終選考会を受けさせることに成功します。
綾瀬川くん、これからどうなっちゃうの〜〜〜?
…という漫画です。スポーツ漫画の皮かぶったホラー。闇のおおきく振りかぶって。
キツいのが、綾瀬川くんがアイシールド21の金剛阿含や黒子のバスケの青峰大輝みたいな性格最悪エゴの塊ワンマン野郎だったら良かったんですけど、現時点「普通にめちゃくちゃ良い子」で、
「オレができてると周りの子が怒られるから……」
とか言って気使って「できないふり」しちゃうような子なんですよ。綾瀬川はスポーツの向こうになんの欲望も見ていない。試合に勝ちたいわけでも、有名になりたいわけでも、女にモテたいわけでも、金を稼ぎたいわけでも、相手を圧倒したいわけでもなくただ、
「みんな楽しくスポーツがした〜い!」
それだけ。初期ステータスがカンストしてる究極の「エンジョイ勢」。だからこそ「ガチ勢」にとってはそのキレイな瞳が怖いし、それ以上に性格どうでも良くなるほどの才能が怖い。中学生の日本一のチーム相手に「オレのせいでできない人が怒られるの可哀想だからわざと打たせてあげない?」と言いきったシーンで鳥肌立ちすぎてデカイ一つの玉になった。
少しでもスポーツに本気になったことのある人間なら「才能に自尊心粉々にされる経験」は誰にでもあるし、夢を諦めたまま大人になればその夢を他人に託したくもなる。自分の目の届くところにそんな才能ドバドバ垂れ流した子供がいたら
「この子がどんなすごい選手になるのか見てみた〜い!あわよくば俺が『この才能を見つけた恩師』としてチヤホヤされた〜い!」
ってトチ狂っちゃう監督の気持ち、悲しいくらい分かる。目の前にダイヤモンドの原石あったらお前拾って磨かないのか?って話で、教えてもいないのに急に自分が捕れないレベルの変化球投げられて、
「教わってないけどさぁ、できんのオレには!ビックリした?」
って天使みたいな笑顔向けられたらビックリどころかビクンビクンッッ!!!って果てて白目剥くの、死ぬほど分かる。絶対に俺も剥く。分かる分かるよ監督分かる分かる分かッ分か分か分分分分ビクビクッ