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三浦大知×KREVA『全開』の凄さについての学術的論文

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三浦大知とKREVAのコラボ曲についての論文

三浦大知の新アルバム『OVER』に、ラッパーKREVAとのコラボ楽曲『全開』が収録された。これまで2人がコラボした曲は7曲ある。

 

・元々あった三浦大知の原曲『Magic』にKREVAがラップを入れリミックスした『Magic Remix 勝手にリミックスシリーズ Vol.2』

・Magicがきっかけとなり制作された2人の持つ色気が凝縮したR&B『Your Love』

・Your Loveから更に色気と気怠さを増幅させた癖になる『蜃気楼』

・KREVAがオールスターを集め制作されたメッセージソング『H♡PE』

・負の感情すら進む力にして一歩一歩進んでいく疾走感抜群のアッパーチューン『全速力』

・ギター、ラップ、ダンスボーカル、3人の達人による痺れるロックナンバー『Rain Dance』

・コロナ禍に生まれたファンと仲間に向けたラブソング『Fall in Love Again』

 

どれも素晴らしい魅力を放っており、全て名曲と呼んでも過言ではない。その理由は、三浦大知とKREVAの「相性の良さ」に他ならない。

最新曲『全開』の凄さを説明する前に、まずは2人の魅力について語らせていただきたい。

 

三浦大知は楽曲のテンポ感やキーの高さによって節回し(調子、抑揚)を変化させるのが非常に上手い。2人の楽曲でも『Your Love』と『全速力』では声の出し方が全く違うのが分かるだろう。

遅いテンポの曲では、言葉と言葉の繋ぎ目を敢えてぼやけさせ声をメロディに乗せるのではなくメロディに声を流すような歌い方をすることが多い。そうすることで、まるで曲と声が一体になっているような印象をリスナーに与え、曲の持つ雰囲気を余すこと無く表現している。逆に速いテンポの曲では、一音一音を切るように歌い上げることが多く、テンポ感を落とさずにメロディのキレを増幅させている。

KREVAだけでなく、RHYMESTER宇多丸と歌われた『No Limit』など、三浦大知とのコラボ曲をきっかけにラッパーの凄さを再確認したリスナーも多いだろう。相手の声や楽曲によって表情を変化させ相手の魅力を120%引き上げるこの阿吽の呼吸の技術は、周りとの連携が何よりも重要なダンスにて培われたものだと私は推察する。

ダンス教育の第一人者ルドルフ・ラバンの「ムーブメント理論」をご存じだろうか。

1.アクション(身体がする動作)2.ダイナミック(身体の動きの質)3.空間(身体を取り巻く空間)4.他者との関係(自分と踊る対象や人)

あらゆるダンスの動きにはこの4つの要素があると言われている。

三浦大知がこれら全ての要素を高い次元で兼ね備えているのは誰の目から見ても明確だが、三浦大知の最大の才能とは「4.他者との関係」にあるのではないだろうか。

幼少期のFolder時代から「他者と踊る」ことを徹底的に学んだからこそ「引く時は引き、押す時は押す」このバランス感覚が歌の面においても活かされている。圧倒的な「個」がありながら雲のように自在に形を変えていくボーカリスト、それが三浦大知。

 

一方で、KREVAのラップの最大の魅力と言えば「異常な聴き取りやすさ」だ。どれだけ曲のテンポが上がろうが言葉が詰め込まれようが、何を歌ってるのかほとんど「理解できる」。KREVAの元々持つ「滑舌の良さ」もあるが、それを可能にしているのが「韻のアクセントが異常に強い」という特徴にあるではないだろうか。

度々リスナーに「母音の一致を利用してラップしていることに気付いてほしい」と言っているように「韻」に対するこだわりはとても強く、絶対に雰囲気でラップをしない。KREVAの楽曲を韻数分解すると、凄まじい数の押韻でリリックが制作されているのかが分かる。

リリックに込めたギミックをヒップホップに明るくない人間にも伝わるように、どれだけテンポの速いトラック(曲)であっても一音一音を丁寧に歌い上げる。2011年にリリースされた楽曲『基準』を聴いてみて欲しい。異常なまでの聴き取りやすさの一端を知ることができるだろう。

「①リズム/②韻/③歌」

の3つの要素が「ラップ」を構成すると言われているのだが、むしろローテンポなトラックこそ「歌」の部分を格好良く聴かせるのは難しい。しかし、KREVAはラッパーでありながら「ボーカリスト」としてのスキルも非常に高い。『音色』や『スタート』などメロディアスな楽曲における難解な技術を簡単に見せる凄さ。分かりやすくいえば「ラップも上手く、歌も上手い」。これを両立させているラッパーは決して多くはない。

KREVAは自分のレベルをリスナーに合わせて下げるのではなく、自分のラップが「どうすれば」伝わるのかを考え常に最適解を選択している印象を受ける。ゆえに、リスナーはKREVAのラップを聴くと「耳が良くなる」と言っても過言ではない。

車のタイヤや飛行機のプロペラの回転がある一定の速度を越えると眼の錯覚を起こし逆回転して見えるように「KREVAのラップが速すぎて逆に遅く聴こえる」現象が起こる。自分の耳のレベルでは、不可能な言葉や音がはっきりと聴き取れてしまう。KREVAのラップはそれを可能にさせる「聴く人間の耳を育てるラップ」なのだ。

 

そんな三浦大知とKREVAによるコラボ楽曲は前述したように、その度にまるで違う色を見せながら、互いの個性は一切失われていない。それは2人が「変化できるアーティスト」だからだと私は推察する。どちらも「動」と「静」の引き出しが豊富だからこそ相手の形にピタリと合わせることができる。

『全開』でも、まずKREVAがジャージークラブ的なビートを完璧に乗りこなし頭から「勝負」「フルオープン」「スクロール」からアクセントをつけて聴く人間の耳にまるで「ここが韻だ」と示すかのように歌われている。そうすることで、一言目から曲に振り落とされることなくしっかりとその世界観を感じて耳を傾けられる。

KREVAの圧巻のラップパートを引き継ぎ、サビからは三浦大知のターンが始まる。曲の勢いをいっさい落とすことなく、まるで違う表情を見せてくる。一曲の中でこれほど次々と展開しながら、まるで達人同士の刀の斬り合いのような緊迫感を持った曲は今までの2人のコラボでも類を見ない。濁流のような激しい流れを締めるサビ「全開」のフレーズは一度聴けば二度と忘れることはできないだろう。

 

極めつけはラスト「30秒」だ。三浦大知とKREVAが絡み合い、一つになっていく部分。これまでの2人が歩んできた歴史、培ってきた力、その全てが解放されていた。

つまり、このスゴさを学術的に解説すると、こういうことだ。

 

ンボボボボボボボボオオオボボオォォォオオォオォ…

 

カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ…

 

ティントォンティントォントィントォントィントォン……

 

KREVA「決めつけない締め付けない決まってェエエエエエエエッッ!!!!るのは 覚悟だけッッッッ!!!!限界オーバーラストまでェエエエエエ!!!!

 

俺「KREVAっ???」

 

三浦大知「飛びこんでく未知の世界ィイイイイイ!!!!!」

 

俺「大知ッッ???」

 

KREVA・三浦大知「集中」

 

俺「KRE知っっっっ!?!?!」

 

三浦大知「決して切らさないぃイイイ!!」

 

俺「アァ〜〜〜〜…大知ィイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」

 

KREVA「充分なんてない関係ないかけないストッパーリミッターはどっかにいったァアア!!!」

 

俺「ア〜〜〜〜〜…KREVAァァァアア〜〜〜〜〜……」

 

三浦大知「例え誰に何を言われたとしてもォオオオオオオウゥウウウウウウ!!!!」

 

俺「大ィイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」

 

KREVA「揺るぎないッッ!!!!揺るぎようが無いッッ!!君の中の俺と」

 

俺「KREェェエ〜〜〜〜〜〜〜〜……」

 

KREVA・三浦大知「俺の中の君の存在価値ッッ!!!!二度とないッッッ!!!」

 

俺「KREVAァァア大知KREVA大知KR知大VAKR知大VAアアアアアアアアア………」

 

三浦大知「今に刻みたいッッッ!!!アァァアアアアアァァァアアアアアアア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

KREVA「目一杯ッ!精一杯ッ!絶対ッ!全開ッ!」

三浦大知・KREVA「全開ッッッッ!!!」

 

俺「K知KRE知大VA知KRE知大VA知KRE知大VA知KRE知大VA知KRE知大VAアアアア〜〜〜〜知KR知大VAァァァアアアアアア知KRE知大VAKRE知大VA知KRE知大VA知KRE知大VAアアアア〜〜〜〜知KRE知大VAァァァアアアアアア知KRE知大VAKRE知大VA知KRE知大VA知KRE知大VAアアアア〜〜〜〜知KRE知大VAァァァアアアアアア知KRE知大VAアァァ………

 

アァァアア〜〜〜〜〜〜〜〜アァ〜〜〜〜……気持ちエエエエエ〜〜〜〜〜………

全開 feat. KREVA