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ミクスチャーブログ

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10年プラス3分の魔曲Sexy Zone『RIGHT NEXT TO YOU』

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どうも、かんそうです。

『NOT FOUND』で己の中に眠っていたセクの欠片に気づいてから、まず行ったのは「Sexy Zoneを知る」ことでした。とりあえずシングル、アルバムを近所のCD屋、レンタル屋を駆けずり回って入手し、ほぼ「全曲」聴き狂った。北海道で放送中の『Sexy Zoneの進化論』も毎回見てる。

 

そして一瞬で後悔した。なぜ今までSexy Zoneを無視していたのか。同じジャニーズアイドルのSMAPや嵐、風間俊介を血肉としながらSexy Zoneに触れぬまま10年という時を過ごしていた過去を消し去りたい。

そして、たかだかシングル数曲、アルバム数枚聴いたぐらいでSexy Zoneを語るのはメンバーにも、ファンにもなんて失礼な行為だと、Sexy Zoneというアイドルをほとんど知らないまま『NOT FOUND』を語った俺のノドを誰か今すぐ踏んでほしい、そう思った。

 

今回、『RIGHT NEXT TO YOU』が音楽評論家やライターの間で刺さってるというが、たぶんSexy Zoneファンに言わせれば、

「いや気づくの遅すぎるんだよ」

全員「マジ調子こいて知ったような口きいてすいませんでした…」って詫びて土下寝したほうがいい。俺もお前もSexy Zoneに気づくのがあまりにも遅すぎた。しょせんジャニーズだと一笑した己を呪え。時すでにSexyなんだよ。

 

まず衝撃だったのが、Sexy Zoneの「アルバム、カップリング曲のヤバさ」。代表的なシングル曲を聴いただけじゃわからない、まったく別次元のセク、ディメンジョンセクシーがそこにはあった。

Sexy Zoneに限らず、SMAPも嵐も、全てのジャニーズアイドルの共通項

「本当にヤベえのはアルバム、カップリング曲」

だということがまたしても証明されてしまった。特に影をはらんだ「闇のセク」こそ、彼らがSexy Zoneという名前を授かったその意味がわかる経典だった。ゲーテのことわざ「光が強ければ影もまた濃い」のとおり、ふだん圧倒的な光を放っているアイドルだからこそより暗く、よりエロく、聴く人間の耳と脳を溶かす。

 

そして痛感した。『RIGHT NEXT TO YOU』は最初からSexy Zoneの中に「あった」ということを。

たしかに聴いてると「ジャニーズが洋楽っぽい曲歌ってる」ということに珍しがって「UKガラージ」だの「ディープハウス」だのと半分意味わかってんだかわかってねぇんだか知らねぇが訳知り顔で音楽用語使って雰囲気で語りたくなる「ライネクヤバいヤバいおじさん」の気持ちもわかる。

が、そんなものはSexy Zoneを形成するひとつの要素でしかなかった。これは単なる氷山の一角。遡れば出るわ出るわ、Sexyの原液をぶちまけたセク濃縮還元曲が。

 

『IF YOU WANNA DANCE』(1stアルバム『one Sexy Zone』)、『Ghost 〜君は幻〜』(2ndアルバム『Sexy Second』)あたりからすでにセクの片鱗がダダ漏れ。枚数を重ねるごとにどんどん増していき、

『Unreality』『Luv Manifesto』(5thアルバム『XYZ=repainting』)、『Rainbow Light』(14thシングル『ぎゅっと』)、『UNSTOPPABLE』(15thシングル『イノセントデイズ』)、『CRY』『make me bright』(6thアルバム『PAGES』)、『Spark Light』(16thシングル『カラクリだらけのテンダネス』)『One Ability』(7thアルバム『POP × STEP!』)で頂点に達し、

そして『Small Love Song』(18thシングル『RUN』)『Arms Around Me』(19thシングルNOT FOUND』)で完全にセクがカンスト。

過去を知れば知るほど「Sexy Zoneはとっくの昔からヤバかった」という事実だけがそこにはあった。そしてそれと関係なく「『名脇役』はマジで神」だった。

 

ゲーム『ドラゴンクエスト』の作曲家・すぎやまこういちの逸話にこんな話があります。ドラクエを代表するオープニング曲「序曲」はすぎやま氏が5分で思いついたメロディだったという。しかし、すぎやま氏いわくそれは「5分プラスそれまで生きてきた54年という人生が詰まっている曲」だと。

『RIGHT NEXT TO YOU』もまた、突然変異の魔曲じゃなくSexy Zoneが歩んできた10年という時間が生んだ必然の産物だった。

 

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それを踏まえたうえで聴く『RIGHT NEXT TO YOU』、10年が乗った「圧倒的セク」に全身の穴という穴から涙汁が出る。永遠よりも濃密な3分。理屈じゃなく本能で感じろ。「UKガラージ」?「ディープハウス」?「海外のトレンドを取り入れた」?うるせぇ!知らん知らん!そんなもんは関ジャムで蔦谷好位置かヒャダインにでも語らせとけぇい!

「曲なんかめっちゃ溶ける!」

「ドゥンッ!ドゥンッ!がめっちゃ腹にくる!」

「英語詞スゲー!カッケー!」

「ダンスエグっ!」

「指エロっ!」

「目エロっ!」

の究極系、それが『RIGHT NEXT TO YOU』。それでいい。

 

Sexy Zoneに限らず、ジャニーズの曲を評価するとき「ジャニーズっぽくない」「アイドルっぽくない」みたいな「それ褒めてるつもりかもしれねぇけどむしろ悪口だからな」って言い回し使う人間いますけど、1人残らず海に沈めたい。SMAPも嵐もSexy Zoneも『RIGHT NEXT TO YOU』のような楽曲には古から何度も挑戦してきたし、それでジャニーズっぽさを隠したことなんて一度もない。

ジャニーズのアイドルがアイドルとして曲を歌えばそれはジャニーズの曲で、馬飼野康二からいきものがかりからtofubeatsからiriからchelmicoからひろせひろせからスウェーデン人まで、鬼のような振り幅のミュージシャン・作曲家に楽曲提供されてそれを完璧に歌い踊りこなしてる時点で、もはや「◯◯っぽい」「◯◯っぽくない」なんて言葉がなんの意味ももたないことがわかる。紛れもなく『RIGHT NEXT TO YOU』はSexy Zoneによるジャニーズアイドルの楽曲だった。

 

そして俺が「ライネクヤバいヤバいおじさん」に言いたいのは、Sexy Zoneは「5人」で、Sexy Zoneこんなもんじゃねぇからなということ。Sexy Zoneにはマリウス葉という最高がいる。とりあえず最新のマリウスのヤバさは『Arms Around Me』でわかる。英詞の申し子マリウス葉。完全にマリウス無双始まった。この世の全ての英詞はマリウスのためにあると言ってもいい。

これで5人揃ったら今後どこまでヤバいことになるのか俺には想像もつきません。完全体Sexy Zoneが目を覚ますその日まで夢見て眠れ。おやすみSexy.

 

星野源『創造』を聴いた俺は星野源というマリオに踏まれるクリボー

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マジでもう勘弁してくれ。

 

俺はもう星野源を褒めたくねぇんだよ…正直もう切り離したい…星野源を俺の生活から切り離したい…でも無理なんだよ…気がつけば俺の好きなコンテンツコンテンツその先のすべてに「星野源」がいるんだよ…

俺が朝ドラにハマり出した途端に主題歌やりやがるし、二階堂ふみ超かわいいなと思ってたら『地獄でなぜ悪い』でエグいキスかましやがるし、中居君からどん兵衛を奪いやがったし、『コウノドリ』の漫画ハマってたらドラマで四宮の実写化になりやがるし、オールナイトニッポンで「たかしょーの新作素晴らしい」とか言いやがるし、俺が社会人になって初めて一人暮らしした街が星野源の出てたドラマの舞台になってた。どうなってんだよ…もはや星野源が俺の先にいるのか、俺が無意識に星野源の影を追いかけてるのかワケわかんなくなってるんですよ…日常のあらゆる所に星野源がいるんですよ…どのドア開けても星野源が立ってるんですよ…たぶん鏡で自分の顔見るより星野源の顔見てるほうが多い…「すべての道はローマに通ず」ってことわざがありますけど、完全に「俺のすべては星野に通ず」状態なんですよ…たすけてくれ…

 

そんななか『創造』…いい加減にしろよオイ

 

俺はな…生粋の任天堂信者、マリオ狂なんだよ…愛読書はコロコロコミックで連載してた『スーパーマリオくん』だし、ピンク色のヨッシーみたいな見た目した「キャサリン」ってキャラのこと完全に1人の異性として見てるし、未だに夢で『スーパーマリオRPG』のCMでパックンフワラーがゴスペル歌ってる映像見るし、ハロウィンで安易にマリオのコスプレしてるパリピ共全員海に沈めてプクプクのエサにしてやりたいと思ってる。それくらいの過激派なんだよ……

そんな俺が曲聴いた瞬間に「負けた」と思った…曲作れる作れない歌歌える歌えないとかそういう次元じゃなく「愛」で負けた…

死の淵から帰った 生かされたこの意味は

命と共に 遊ぶことにある

言いたいことは山のようにあるが、ここで完全に降伏した。

実際「マリオのテーマソング作って」って依頼来たら「メロディの中にゲームの音とか忍ばせちゃお…」「歌詞に任天堂の歴史とか匂わせちゃお…」ってとこまでは誰でも考えると思うんですよ。どう入れるとかは別として、マリオや任天堂のわかりやすい要素を曲に組み込むのはたぶん全員が思いつく。だが、このフレーズだけは星野源以外には絶対に出てこないって言い切れる。仮に出てきたとしても「重み」が違う。

 

マリオってキャラクターを漢字一文字で表したら一番しっくりくる言葉が「死」で、マリオ以上にあの世逝ってるキャラクターはいない。だが、そこに気がついてないプレイヤーは多く、マリオの華やかな部分、光ばかりがピックアップされてしまう。誰もマリオの闇を見ようとはしない。

星野源は違った。星野源自身がリアルに死にかけて生還したっていう経験があるからこそ、「スーパーマリオ」ってゲームが楽しいだけじゃない、亀とか栗に一瞬触れただけで即死するありえないほどの紙耐久ボディでプレイヤーをイラつかせるためだけに設置された悪魔みたいな罠を乗り越えて何百何千という屍の山を築きながらひたすらゴールを目指す「死にゲー」だっていう本質を見極めて己とリンクさせてる。ド派手なアクションやコミカルなキャラクター性じゃなく、誰よりも死が側にあるっていうマリオの唯一の「地獄」の部分をだ…

しかもこのフレーズの前に挿入されてる音がスーパーマリオランドのミス音…そう、星野源はそんなマリオの陰を、闇を背負おうとしてるんですよ…こんなもんマリオに対する、命に対する異常なまでの「愛」がないと書けねぇんだよ…これ以上のオマージュが他にあるか…?

もはやこの曲を経て星野源そのものがマリオに「成った」と言っても過言じゃない。そして俺は星野源に踏まれ潰されるだけのクリボー…だがそれでいい、星野源に踏まれる人生なら本望だよ。

 

…このままいったら絶対来年あたりに「スーパーホシノゲンワールド」発売する…見えるんですよ…ニンテンドーダイレクトで高橋伸也が嬉しそうに指パッチンしてる姿が…「それでは特別映像をご覧ください」とか言ってる姿が…

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…3頭身になった星野源がハマケンにさらわれたaikoを助けるため緑色の日村に乗って冒険の旅に出る…2Pは三浦大知…星野源よりもジャンプ力が高いがクセが強く初心者では扱いにくいキャラクター。ハテナブロックから出てきたTENGAを取ったらミニ星野源がグングンデカくなって……

 

なんだこのゲーム…絶対買う。

 

創造

創造

  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

「田舎地獄あるある」心中ラブコメ漫画『少年のアビス』

以前、「高校の同級生の結婚式行ったらほぼ全員肉体関係持っててヤバ」ってブログ書いたんですけど、田舎に住んでると

「高校で好きになったあの子は小学校の先輩の元々カノで中学校の後輩の元カノでクラスメイトの現セフレでした」

みたいなこと普通に日常茶飯事ですし、ファミレスとか行くと100パー誰かしら知り合いと出くわして最悪ですし、友達と喧嘩して絶交してんのにその親同士が仲良くて縁切れてないから正月に両家族で集まって同じテーブルで雑煮食うことになって拷問ですし、就職先は「親がやってるボロボロの印刷会社」か「嫌いな友達の親がやってる電器屋」か「嫌いな先輩がいる中古車屋」か「ジジイババアしか来ない役所or信用金庫」か「漁師」か「鳶」しかなくて修羅ですし、ウワサ話は5Gより光速です。

そんな「田舎地獄あるある」をこれでもかと詰め込んで濃縮して生搾りして極上のフィクションに昇華してる漫画があります。

少年のアビス 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

何もない町、変わるはずもない日々の中で、高校生の黒瀬令児は、“ただ”生きていた。家族、将来の夢、幼馴染。そのどれもが彼をこの町に縛り付けている。このまま“ただ”生きていく、そう思っていた。彼女に出会うまでは――。 生きることに希望はあるのか。この先に光はあるのか。“今”を映し出すワールドエンド・ボーイミーツガール、開幕――!!

[第1話] 少年のアビス - 峰浪りょう | となりのヤングジャンプ

 

オッス!オレ!黒瀬令児!17才!

ばあちゃんの介護に疲れ切った母さんと引きこもりで夜中暴れまくる兄ちゃんと暮らすちょっと不幸な男子高校生!

「人生つまんねー…」

そう思ってたオレの前に突然現れたのは…あこがれの超人気アイドル・青江ナギ!?

戸惑うオレ…そんな俺にナギは衝撃の言葉を投げかける…!?

 

「私たちも今から心中しようか…」

 

え!?なぜか彼女と一緒に心中することに!?オレいったい、どーなっちゃうのー!?

 

ドタバタムズキュンラブストーリー!?『少年のアビス』!!

 

主演!山崎賢人!本田翼!監督!福田雄一!来春実写化決定〜!!

 

…みたいな「ちょっと重めのちょいエロラブコメ」くらいのテンションで読み進めてたんですけど真逆も真逆でした。

心中するつもりが一発ヤッちゃってそのアイドルには旦那はいてそいつが幼なじみの女の好きな小説家でその小説家と母親もヤッててその母親は幼なじみの男と不倫してるし担任とも勢いでヤッたけどド級のメンヘラで…

…という、次から次にノンストップで絶望が押し寄せる絶対に福田雄一では実写化できないタイプの地獄ディズニーランドでした。

序盤の時点で「不倫」「寝取られ」のダブルパンチで頭おかしくなりそうだったんですけど、なんかもう最近は「主人公は一体誰と死ぬのか」みたいなガチの心中サバイバルバトルになっててもう目も当てられません。ギャグでもなんでもなく出てくる登場人物全員「令児くんと死ぬのは私(俺)だ」とか言い出してる。

しかも、そのメンバーが

  • 死にたがり女アイドル
  • 束縛毒母親
  • メンヘラストーカー女担任
  • 幼なじみ自虐女
  • 幼なじみBLヤンキー男

と年齢性別関係なし、マジでロクなのいねぇリアル「イカれたメンバーを紹介するぜ!」。全員「令児くんだ〜いすき♡」以外考えられないサイコ。

束縛毒母親は令児に対して「あなたの好きなことしなさい」と口では言っててもその実、優しい令児が家族を見捨てて逃げるなんてできないことを誰よりも知ってる甘辛毒親だし、ストーカー女担任は金と身体で令児を縛りつけて自分の「理想のかわいそうな子」押し付け出してるし、幼なじみ自虐女は肝心な時にウジウジウジウジ面倒くせえし、幼なじみBLヤンキーは過去に令児を助けたことをいつまでも免罪符にして令児を縛り続ける厄介ツンデレだし、ラブコメとか書いてますが地獄すぎて笑うしかないという意味のラブコメ。どのルートを選んでも「最悪」しか待ってない闇のゲームが開幕してました。

しかも、この漫画が俺にとって一番怖いのが、田舎においてこの話って全然「ある話」ってことで、言ったら「町の住人全員顔見知り」っていう蜘蛛の巣みたいなコミュニティに属してると、自分を置き去りにして他人が変わっていくことの嫉妬とか恐怖っていうのは多かれ少なかれ必ずあって「変化」を絶対に許さない人間も大勢いるんですよ。

だからどっかで頭のネジ外れてないと田舎って暮らしていけないんですけど、令児が家族や友達のこと気にして田舎から抜け出せないのは当然だし、幼なじみのヤンキーが令児を絶対に町から逃げさせたくないって気持ちも理解できるんですよ。

『少年のアビス』はそこのディテールの細かさがハンパなくて、建物なんもなくて空めっちゃ広いのに終始感じる閉塞感だとか、登場人物が全員共通して「田舎」というものを「地獄」と捉えてるからこそ感じるある種の「諦めの空気」そういうのがストーリーだけじゃなく「絵」で伝わってくる。

そんな中、突然現れた「青江ナギ」っていう異物に心も身体もほだされたら、そりゃ当然狭い世界しか見てこなかった令児の世界はブッ壊れるに決まってる。その「なにも知らなかったガキがエロとラブとデスを知ってからの変化のリアリティ」が鬼のように丁寧で読めば読むほど「現実」と「ファンタジー」が波みたいに交互に押し寄せてきてゲロ吐きますし致死量まで言葉のナイフ刺さります。とにかく「田舎」に対して違和感がある人間にこそ読んでほしい漫画でした。

 

…と書き終えた矢先、地元に住み続けてる高校の同級生とのLINEで「なんかオススメの漫画ない?」と聞かれたので、この漫画のリンク送ったら、

 

「読んだけど全然ピンと来なかったわー」

 

え…?マジで言ってる…?お前らモデルにした漫画なんだが…?

 

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風間俊介に踏まれる死体になりたい人生

朝に見るテレビ番組は断然『zip!』派なんですが、その理由は「風間俊介が出てるから」これに尽きます。

誰よりも死体の隣が似合う男・風間俊介が朝の爽やか情報番組のMCを担当している。この事実だけで日本サイコパス俳優だいすきクラブ(Japan Psycho-pass Actor Love Club)会長の私は

 「風間俊介が朝の情報番組を担当…?そんなはずはねぇ…絶対になにか裏がある…いったい何人が犠牲になったんだ…」 

と朝から絶頂します。

 

私と風間俊介の出会いは「見る偽善」こと『3年B組金八先生』。表向きは先生からの評判の良い優等生、しかし裏では生徒達の弱みを握り脅すキングオブクズ「兼末健次郎」を見たときから風間俊介という俳優の虜。

「風間俊介こそがジャニーズサイコパスの申し子…『ジャニコパス』なんや……」

風間俊介がラサール石井の顔面に蹴りを入れたときから時計の針が動き出しました。

それからというもの私の人生は「風間俊介と共にあった」と言っても過言ではありません。彼の出演作はほぼチェックしましたし、将来なりたい職業欄に「風間俊介に踏まれる死体」と書くほど風間俊介の演技の中毒に。

「前科27犯(本人談)」の異名からわかる通り、風間俊介という俳優の真骨頂は「ベビーフェイスと犯罪のギャップ」。不老不死の秘薬飲んだんかと疑惑が出るほど老化する気配が一向にないみずみずしい外見からノーモーションで発せられる耳を塞ぎたくなるほどのゴミクズ言動の数々…もはや風間俊介の演じる犯罪者が好き過ぎて、たとえ犯罪者以外の一般人を演じていても、

「今は優しい顔して主人公に近づいてるがコイツは絶対に裏で人殺してる…油断するな…風間俊介がここで終わるわけない…」

と、思うようになってしまい肝心のドラマの内容がまったく入ってこない。しかし、この1ミリも安心できないヒリヒリ感は風間俊介でしか味わうことができないスリル。「風間俊介のドラマや映画を見る」というのは「断崖絶壁に架けられた細い橋を渡る」行為そのもの。

 

そんな風間俊介出演作のなかでも自信を持ってオススメしたい作品が2011年のドラマ『それでも、生きていく』の「三崎文哉」です。

「それでも、生きてゆく」ディレクターズカット完全版 (初回封入特典終了) [DVD]

『東京ラブストーリー』『最高の離婚』『カルテット』などでお馴染みの名脚本家・坂元裕二が手掛けており、殺人事件の被害者家族と加害者家族の歪な交わりを描いた衝撃作で、ヒメアノ~ル森田剛、ラストフレンズ錦戸亮、十三人の刺客稲垣吾郎とともにジャニーズ4大クソゲボゴミカス野郎として歴史に名を残しているのです。

夢、希望、期待、愛しさ、優しさ、そんな「善」の感情を息をするように淡々と踏みにじる文哉の言動はもはや人間というより

「胸糞が服を着て歩いている」

 

何十分にも及ぶ、被害者家族にして親友の瑛太による心に訴えかけるようなメッセージを、

「ごはんまだかな…」

7文字で済ませるブチ壊れ具合。このドラマを見た後はさすがの私も三日三晩胸が苦しくなり、「風」「間」「俊」「介」の文字を見るだけでも蕁麻疹が起き、目に映るもの全てが風間俊介に見えるという症状に襲われ、当時のメールアドレスを

 

gohan_madakana@ezweb.ne.jp

に変更しました。

 

しかし、近年の風間俊介は冒頭で挙げたZip!や年始から始まった『VS魂』でのレギュラーメンバー入り、また時おり見せるディズニー好き、ゲーム好きの一面などで、バラエティ番組での活躍が目立つようになりました。

また、自身が演じる役についても『僕のいた時間』『監察医 朝顔』などでの「ガチのマジでただの良い人役」も増えてきており、すっかり犯罪者やサイコパスのイメージからは遠くなっている。これは日本サイコパス俳優だいすきクラブの立場からすれば一見寂しいことのように思えるでしょう…

ただ、それには真っ向から「否」を唱えさせていただきたい。あなた方はまだサイコパスの真髄というものにたどり着いていない…

 

有名なことわざ(俺が作った)に

「サイコパスは寝て待て」

という言葉があります。

 

そう、風間俊介本人の「良い人」が引き立てば引き立つほど、後に必ず来る「最低最悪の風間俊介」が何億倍にもなって爆発するのです。

サイコパス役、犯罪者役は普段から「悪そうな顔してる」「あの人は普段からやると思ってた」という人間が演じてもどうしてもインパクトに欠けてしまう。大事なのは「え…まさかあの人が…そんな人には全然見えなかったのに…」という裏切り。

 

今の風間俊介はジャニコパスポイントを貯めている充電期間。風間俊介が毎週「ジップ〜!」とやっている数=われわれに向けられる銃口の数なのかもしれませんね……

欅坂46ドキュメント映画が人死なないだけのサイコスリラーで泣きながら吐いた

出かける前にドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を観たんですが、フタ開けてみたらドキュメンタリーどころか「人死なないだけのサイコスリラー」で、観終わったあと心砕かれて全部の予定キャンセルした。

トップアイドルグループの5年感の奇跡の軌跡なんかじゃなく、「1人の普通の女の子がブッ壊れるまでの過程」を描いたリアルスリラーかつリアルホラー。しばらく人と関わりたくない。

 

ただ「ブッ壊れる」ことが「不幸」かどうか俺にはなにもわからない。言い換えればこれは「才能の覚醒」だった。それを不幸と言ってしまえば平手友梨奈、欅坂そのものを否定してしまうことになりかねないし、幸せか不幸かなんて本人達にしかわからない。だから否定はしないですが、ひたすらシンプルに嫌いな映画でした。この映画の収益が彼女達にどれだけ還元されてるのか知りたい。給料が歩合じゃなく月給制だったら俺は動く。

 

そもそも俺の中で欅坂46ほど「好き」と「嫌い」が混在したアイドルっていなくて、楽曲の特にシングルでの「世間クソ大人死ね多数派ダセェ」路線が大嫌いな一方で、この世の素晴らしさだけを歌った『世界には愛しかない』『二人セゾン』で愛しさと尊さが1億倍に膨れ上がる欅坂が狂うほど大好き。大嫌い大嫌い大嫌い大好き、秋元なのにサマーナイトタウン、それが欅坂。

だからこそ、仕掛け側の用意した「他のアイドルとは違う」という欅坂ブランディングをまざまざと見せつけられるのが気持ち悪すぎた。

例えば、本編のデビューライブ後、秋元康がメンバー全員にアドバイスをするシーンの

「今後の課題としては、頭を真っ白にしたほうがいい。サイレントマジョリティーはもっと新しい構成を示してくれると思ってるし、だけど君たちのほうがアイドルとはこういうもんだ、ということを考えすぎてる。

つまり、もっとメチャクチャでいいし、私たちが新しい道を作るんだ、全ては欅坂から始まったよねってって言ってくれるような新しさが欲しいと思います」

の言葉、マジで「秋元康の顔面を割れ!」だった。「私たちが新しい道を作るんだ、全ては欅坂から始まったよねってって言ってくれるような新しさが欲しいと思います」ってお前それは「未来」の話だろ、今アイドルとして花開こうとしてる彼女達にはなんの関係もねぇだろうがシャバいこと言ってんなよ、そもそもこんな意味わかんねぇ軍歌みたいな曲歌いたくてアイドルになったんじゃねぇだろうが口にパチンコ玉詰めたろかと思ったし、平手友梨奈が休んだライブの直前に舞台監督らしき男が、

「欅坂って平手がいないと成り立たないのかって俺は言われたくない」

とか説教垂れるシーンでも、平手友梨奈ひとりにこれだけの負荷をかけてりゃいずれ倒れるのは目に見えたことだし、そもそもそういうグループにさせたのはお前らのくせになんの策も取ってない不用意を棚に上げて士気下がるような精神論ぶっかけるこいつに熱湯かけてやりたかったし、終始臭う演出する側の「いま辛いのは成長のための糧ですよ」感にハラワタ煮えくり返った。一生水飲まずにタイヤ引いてうさぎ跳びやってろよと。

 

しかしその中心に据えられた平手友梨奈の存在は圧倒的すぎるほど圧倒的だった。平手友梨奈の凄さは「見ちゃう」これに尽きる。歌もダンスも特に上手いとかでもないのに、とにかく「見ちゃう」。どうしてもその一挙手一投足から目が離せない。技術とかでどうこうなるもんじゃない、完全に才能。それはMVの撮影ひとつとっても明らかで、他のメンバーが彼女のパフォーマンスに言葉を失い泣くメンバーすらいた。

それでも序盤に映るデビュー当時の彼女は、他のメンバーと笑い合いながらはしゃいだり、上手くできなくて落ち込むメンバーの肩を抱いたりと、本当に「どこにでもいる女の子」の印象しかなかった。

劇中でも語られてたようにターニングポイントは『不協和音』で、そこから「平手友梨奈 wirth B」感は目に見えて大きくなっていったし、グループの雰囲気も変わっていった。最悪なのが実際は「with B」にはなれないってことで、他のメンバー達もインタビューで揶揄してた「平手のバックダンサー」という言葉はそのとおりなんだけど、バックダンサーだったほうがまだ良くてどれだけ1人が目立とうとも「アイドルグループ」でやってる限り、メンバーは「並列」だし「私が一番可愛い」って思ってる人間が割り切れるはずもない。サッカーとかバスケで上手い奴1人にパス回してそいつが点決めまくって試合に勝ったときの死ぬほど微妙な空気、紛れもなく地獄なんですが、結果として「それ」は世間的にウケてしまった。

デカすぎる目立つ「的」があったほうが見てる側にはわかりやすい。ファン以外からすりゃ欅坂のメンバーは平手友梨奈しか知らないっていう人間がほとんどだけど、「1人も知らない」より「1人でも知ってる」アイドルグループはそれだけでめちゃくちゃ有利、前述した「ブランディング」の観点からすればこれほど正しい売り出し方はない。大人は金になれば続ける。

 

そうやって「鬼」に仕立て上げられた(成長していった)平手友梨奈は真実はどうかわからないが、劇中終盤ではほとんど他のメンバーと会話を交わすこともなかったし、ストイックがオーバーフローして「歌詞や世界観が自分では表現できない」って理由でMV撮影を「飛ぶ」こともあったらしい。

しかも、グループとしても9枚目のシングルから二期生が入ったタイミングで選抜制になり、全員参加だった今までから「落ちるメンバー」が出てきて「君はこの曲には必要ありません」をいきなり突きつけられて運営に対して更に疑心暗鬼になるメンバーもいて、見た限り文字通り「最悪」だった。

 

 

…ただ…皮肉にも、そんなギリギリの、今にも崩壊しそうな最悪の欅坂のパフォーマンスが本当に本当に「最高」だった。

『不協和音』、この世に存在する全音楽のなかでトップクラスにクソで嫌いって言っても過言じゃないんですが、東京ドーム公演のパフォーマンスは間違いなく世界一幸せな悪夢だった。最高の舞台にいっさい笑顔もない最悪な表情でステージに上がろうとする姿が、カッコ良くて美しくて可愛くて怖くて気持ち悪かった。

平手だけじゃない、尾関も小池も菅井も土生も守屋も渡辺も渡邉も、ズタボロになりながら全員が文字通り魂削った煌めきと圧が最悪で最高だった。上も下もない完璧なひとつのアイドルグループだった。泣きながら吐いた。もう二度と観たくない。

 

欅坂46、正直「櫻坂」になっても曲の路線全然変わってねぇし内外の地獄は相変わらずですが、とりあえず「終わってくれて良かった」って思った。宝くじ当たったら全員に土地買ってあげたい。

 

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: Prime Video
 

 

毎日どこかしら痛いのに生きてる俺えらい

25歳超えたあたりから毎日どこかしら痛い。

肩痛ぇと思って何枚も湿布貼ってやっと治ったと思ったら、次の日デカい口内炎が歯ぐきにできてるし、その口内炎治りきらないうちに乾燥で舌切れて流血してるわ、1週間くらい前から首は痛ぇわ、腰は痛ぇわ、頭も痛ぇ。頭痛って頭良い奴しかならないんじゃなかったのかよ。そしてとにかく足がくせぇ。

ちょっと重いもの持っただけで三日三晩腕上がらなくなるし、ちょっとご飯食べ過ぎただけで終日気持ち悪くてゲロ吐きそうになるし、ちょっとスマホでツイッターしてたら目取れそうになるし、想い伝えられなかっただけで毎日胸は苦しいし、もう人っていうかただの生きる屍リビングデッド。「今日なんか調子良かったな!」って日、去年1日もありませんでした。

 

そもそも人間の構造そのものが「バグ」多すぎますし、この世に病気が何百種類もあるって考えたら、毎秒ロシアンルーレットやってるようなもんじゃないですか。1年半前に胃やられてから半年ごとに胃カメラ飲んでるんですけど、胃だけ予防してても脳みそ爆発するかもしれんし、肛門爆発するかもしれんし、身体の前に精神終わるかもしれんし、仮に家から一歩も出ない生活続けてても細胞の不備で死ぬとかありえなくないですか。なんでなんもしてないのに死ぬんだよ。

お母さんが「なにもしてないのに壊れたんだけど!」つってパソコン見せてきますけど絶対なんか(した)じゃないですか。クソ男の「なにもしないから家来ない?マジで!マジでなにもしない!」も絶対なんか(する)じゃないですか。なのに、人間に関しては本当になにもしなくても死ぬ。人間弱すぎる。

 

そんな「ザコ生物ここに極まれり!」の俺なのに、普通に生活して今日も生きてるの、本当に本当にすごくないですか?すごくてえらい。死ぬ理由なんて病気だけじゃない、痛くて死ぬし苦しくて死ぬし暑くて死ぬし寒くて死ぬし寂しくて死ぬ。外歩いてたらいきなり頭にクソデカい岩落ちてくることだってあるかもしれないし、どこぞの狂戦士にボウガンで心臓撃ち抜かれるかもしれないじゃないですか。人里に降りてきた飢えたクマに腹ガッサー!いかれるかもしれないし、ハゲ散らかしたマッドサイエンティストに合成獣作るための実験台にされるかもしれないじゃないですか。てゆうか家にいたって制御不能になったジャンボジェット機突っ込んでくる可能性だってあるじゃないですか。

この普通だったらオリハルコン防具で全身固めないと即死するレベルの罠がそこらへんにゴロゴロ仕掛けられてる安全な場所なんてどこにもない地獄の星を、ペラペラの布きれ何枚か羽織ってアホみたいな顔してるだけで何十年間も生き延びてるのマジですごい。地球人で1番強いとされてるドラゴンボールのクリリンなんて4回死んでるのに俺0回。まぎれもなく天才。おそろしいほどの強運。完全にこの世に産み落とされた最後の神童。

 

しかも、そんな激ムズダンジョンを闊歩しながら、好きでもない労働して国に金渡してるとか今すぐ教科書載ってもいい。100円の物買ったら強制的に10円盗られてるし、街住んでるだけで何十万も取られるし、毎年わざわざ自分で稼いだ金計算して10%20%払うとか、冷静に考えたら心底意味わかんねぇ。確定申告こそSnowManにやらせたいわ。怒りで世界滅ぼしていいレベル。にもかかわらず、それを毎年毎月毎日文句言いながらも続けて生きてるとか、えらすぎてもはや偉人。紙幣確定案件。福沢をそこどけ。俺が明日から万札やる。

 

そんな首痛ぇし肩痛ぇし腰痛ぇし頭痛ぇし頭悪ぃし、口痛ぇし目痛ぇし胃痛ぇし足くせぇし金ねぇのにめっちゃ生きてる俺、いや俺たち、ただの「最強」です。死ぬまで生きろ。

「サブカル」って結局どこまでがサブカルなんだよ

映画『花束みたいな恋をした』のネタバレするんですけど、これ劇中にとんでもない量の実在する音楽やら漫画やら小説やらの固有名詞がバンバン出てきて思い出と共感性羞恥に惨殺されるメンタルスプラッター映画なんですね。

だから感想とか評価漁ってもいわゆる「サブカル系御用達」的な語られ方してるのがほとんどで俺もそう思ってたんですが、ふと「サブカルって結局どこまでがサブカルなんだ」って考えたらわからなすぎて脳溶けました。

 

そもそも「サブカル」の意味調べても

サブカルチャー。社会の正統的、伝統的な文化に対し、その社会に属するある特定の集団だけがもつ独特の文化。大衆文化・若者文化など。下位文化。サブカル。→カウンターカルチャー

サブカルチャーのかんたんな意味 Weblio辞書

 

は…?全然わからん…なんて…?か、カウ…?

 

一方、「メインカルチャー」

サブカルチャーと対比して用いられる語で、ある社会で支配的な文化のことである。文学、美術、演劇、音楽などの事であり、20世紀になって大衆文化が発達し、次第に映画、テレビ番組、ポピュラー音楽、ビデオゲームなども学問や論評の対象となり、メインカルチャーと認識されている。

メインカルチャー - メインカルチャーの概要 - Weblio辞書

 

えっーーと……もうだいじょうぶです…

どっから下位(サブ)でどっから上位(メイン)なんだよ。売れてるか売れてないかってこと?なにを基準に?誰が決めてんの?支配的文化ってなに?

例えば『花束みたいな恋をした』で同じ文脈で語られるカルチャーが、

 

天竺鼠、今村夏子、押井守、きのこ帝国、羊文学、ゴールデンカムイ、宝石の国、穂村弘、長嶋有、A子さんの恋人、いしいしんじ、タムくん、長谷川白紙、cero、舞城王太郎、フレンズ、Awesome city club、ナンバーガール、崎山蒼志、菊地成孔の粋な夜電波、ストレンジャーシングス、ゼルダの伝説、SMAP…他

 

なんですが…これ全部「サブカル」ってことでいいですか?さ、サブカル…?ゼルダが…?SMAPが…?頭おかしくなりそうだよ。サブとは…?

 

たしかに、天竺鼠とかきのこ帝国とかゴールデンカムイとか観測範囲でも「知る人ぞ知る」的に評価されがちなメンツだし、粋な夜電波聴いてる奴がメインとは誰も言わないと思いますけど、M-1準決勝常連芸人とかMVが何百万再生もされてるバンドとか1500万冊売れてる漫画が「サブ」?数字だけでいえばゴリゴリのメインでは?勝手にサブ呼ばわりして殺されません?三河屋?

そのくせ『魔女の宅急便(実写)』『ショーシャンクの空に』を見る陽キャを見下したり、セカオワが流れるカラオケで肩身狭そうにしたり、「(ワンオク)聴けます」発言とか「メインに迎合しない俺ら」を際立たせるためのメインカルチャーの表現として選ばれたチョイスがあんまりピンとこないんですよ。セカオワとかむしろサブカルの権化だと思ってたわ。パンプキン城みたいな家住んでるし。

 

だったらサブとかメインとか関係なく、単に「カルチャー映画」って呼べばいいだけじゃねぇかとも思ったんですけど、主人公の2人ってたぶん他人から「サブカル系」って言われることは嫌うくせに「人と違う趣味を持つ自分」「サブでいること」にめちゃくちゃプライド持っててそれを人より詳しいことでマウント取りたがる超めんどくさい奴らなんですよ。自己紹介で「好きな言葉はバールのようなもの」(菅田の大好きな『水曜日のダウンタウン』の説)とかわかる人間にだけわかる「かまし」するような奴なんですよ。だから紛れもなくこれ「サブカル映画」です。俺かよ。やっぱり俺は菅田将暉だったのか…?

「大勢が知らないこと」がサブカルマウントの指標になるんだったら、MV再生数4ケタのバンドとかワンステージ500円の地下ライブ出てる芸人を愛してやまない奴らこそサブカル系でそれ以外は確実にメインじゃないですか。にもかかわらず絶妙に「SNSに感想あげたら反応もらえそうな普通に人気ある」コンテンツを出してくるあたり完全に俺でした。

 

だからこそ、どっからサブでどっからメインなのかハッキリさせたいんですよ。将暉(俺)のためにも架純のためにも。ONE PIECEはメイン?ハイキューは?チェンソーは?鬼滅は?呪術はサブ?ミスチルはメイン?髭男は?King Gnuは?米津玄師は?星野源はサブ?

日本一売れてる漫画雑誌に載っててもオリコン1位獲っててもサブ?

例えばお笑いだと、シソンヌとかチョコプラ好きっていうと10年前までは「マイナー芸人の名前出すサブカル野郎」認定されてたイメージなんですけど、いまこの2組っていまテレビ出まくってる超メイン側だし、「シソンヌ好き」「チョコプラ好き」って言ったらむしろサブカル系からニワカ扱いされかねないじゃないですか。

じゃあいつからメインになったのか、キングオブコント決勝出たときなのか、有吉の壁に出始めたころなのか、その線引きがいつまでも曖昧だから同じ「カルチャー」のなかでも、ONE PIECE好きはバカにされがちで呪術廻戦チェンソーマンに最初から目つけてた奴は偉い、みたいなのが起きると思うんですよ。

 

他の漫画で言えば、寿林檎先生の『贖罪の阻害』とか田部好美先生の『ちなつはいつもこまりがお』、アニメだと『彼女がドアを開けたら俺が立っていたんだが』とか『ヒップロケット!』を今さらサブカルとして語るとめっちゃ叩かれるじゃないですか。

バンドなら『ビーフストロガノ’S』とか『平成ケトル』、シンガーソングライターだったら『下村群青』もサブカルかって言うと知名度や実力的には絶対に違いますよね。

言いたいのは「大衆に知られてる作品」=「メインカルチャー」ってひと括りにするのは極めて危険な行為だし、反対に「サブカルチャー」と呼ばれる作品を果たしていつまで「サブ」と呼ぶのかっていうのはものすごく重要だってことなんですよ。

言葉の意味や定義をしっかり決めることでそれがエンタメ全体の発展にも繋がってきますし、カウンターカルチャーとしてのサブカルチャー、ハイカルチャーとしてのメインカルチャーっていう画一的な思考からの脱却を図れるんじゃないでしょうか。

 

 

…まぁ『ちなつはいつもこまりがお』って漫画も『彼女がドアを開けたら俺が立っていたんだが』ってアニメも『ビーフストロガノ’S』なんてバンドもいないんですが…

存在しないカルチャーこそ「真」のサブカル

 

『花束みたいな恋をした』オフィシャルフォトブック