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ミクスチャーブログ

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お土産界のガッキー「赤福」もらって人生に優勝した

「赤福」もらって人生に優勝した。

10年前に一度食べたことがあり、あまりのウマさに一瞬で一気食いして胃がバグって体調が悪くなり三日寝たきりになったんですが、それ以来の再会。嬉しくて涙が止まりませんでした。

日本中のあらゆる土産の上に立ちし土産。それが赤福。正式名称は「赤福餅」。しかし親しみを込めて今日は「赤福」と呼びたい。

まず、10年前に初めて赤福を目にした時の感想が

 

「顔洗いたい」

 

ぐうの音も出ない美しさ。俺もこうなりたい。赤福になりたい。今すぐに赤福で顔を洗いたい。赤福で顔パックをしたい。最近、元ぼくりり・たなかの嫁こと元HKT48で自称モテクリエイターのゆうこすが「Wi-Fiは肌に悪い!」っつって死ぬほど炎上していましたが、俺は逆に「赤福は肌に良い」説を唱えて炎上したい。

そして「あかふく」と彫られた独特の木べらで一口食べて

 

「眠りたい」

 

赤福の布団で眠りたい。本当のトゥルースリーパーが赤福だった。死んだら花の代わりに棺桶の中に赤福ぎゅうぎゅうに詰めこんでほしい。全身の臓器を全部あんこで包みたい。

あんこの概念が赤福によって変わってしまった。「あんこなんざ何食ったって一緒だろ」とイキリ顔で言っていた過去の自分をタコ殴りにしてやりたいし、今まで食べたあんこモドキ共を思い出し「なぜオレはあんなムダな時間を……」と、ポカリの缶も開けられない三井寿になった。

 

赤福ってお土産界のガッキーなんですよ。

 

俺、正直ガッキーのこと最初は別に好きでもなんでもなくて、たしかにかわいいのはかわいいし当時から人気もあったけど、どの役もなんかガチっとハマってねぇと思ってたし、一瞬歌手やってましたけど蚊のほうがまだ声出てましたし、どっからどう見ても「誰か人質に取られてる?」ってくらい無理矢理やらされてる感バキバキに出てて俺は絶対に落ちなかったんですね。

だから友達間でガッキーの話になっても、別に俺には他に好きな女優いっぱいいるし「ガッキーはいはいかわいいかわいい」くらいに思ったんですけど、『逃げ恥』の「みくり」で完全に「マジですいませんでした…」と画面のガッキーに向かって土下座しました。

かわいすぎて殺されて生き返って穢土転生した気分でした。俺の脳みそでは理解不能のかわいさ。「契約婚」という事実を隠して世間に溶け込もうとする時の本心を悟られまいとする際のある種の「あざとさ」で他人と接している時の自分のかわいさを100利用したガッキー、もはや暴力。

特に後半、完全に「好き」の感情が爆発して朝ベランダで手を振るガッキーの笑顔、今すぐに世界遺産に登録してほしい。あれは「役」のレベルを超えていた。みくりという役を通して『逃げるは恥だが役に立つ』の世界に完全に入り込んでいたし「みくり=ガッキー」の方程式が成立していた…

相手のことが「好き」という気持ちが画面から滲み出ていた。あの笑顔を守るためなら俺はなんだってできる気がした。俺にはガッキーを悲しませるあらゆる出来事から守る義務がある…

 

赤福、この感情と「まったく一緒」。こんなもん考えてみたら、ただの「逆団子」じゃないですか。なのになぜこんなにウマいのか理解が1ミリもできない。別に団子なんて普通はそんなに差がないじゃないですか。モチとあんこ、これ以上に味想像できる食べ物ないですよ。

しかし、赤福はその凡百な俺の想像を遥かに、そして静かに超えてきた。ただひたすらに「ウマい」だけを俺の脳内に叩きつけてきた。アニメ『中華一番!』だったら食った瞬間に口の中から黄金の龍が飛び出てバックでDEEN流れてるし、アニメ『美味しんぼ』だったら海原雄山の舌が爆発して死んでる。

そうやって改めて「赤福」のことについて本気出して考えてみると、あんこがウマいと思っていたのが、実は「モチ」が本当にヤバいということに気がついた。いったいなんなんだお前は…?

もちろん赤福のあんこはウマい。ウマすぎる。それはなんの疑いようもない事実。一生飽きがこない無敵のウマさは、完全にガッキーそのもの。

だが、モチは単純なウマいとかウマくないとか、そういうものでは測れないヤバさがあった。あんこを引き立てることだけに全力を注いでいるように見せかけて、実際はめちゃくちゃ主張してくる。しかし、決してあんこの邪魔はしない。適度な弾力、ほのかな米の甘さ、サイズ感、完璧なバランスでもってそこに存在していた…

このモチだからこそ「あんこウマっっっ!!!!」と感じる…俺が赤福を食って「ウマい」と思っていた感情の全ては「モチ」によってコントロールされていたのだ…

 

このモチにして、このあんこあり…ふたつでひとつ…それが赤福…

 

 

まて

 

 

あんこがガッキーだと…?なら…モチは…

 

 

恋

モチ野源

ドラマ『silent』の春尾は風間俊介(善)と風間俊介(悪)から生まれた風間俊介(純粋)

Disney Supreme Guide 東京ディズニーランドガイドブック with 風間俊介

全国1億人の風間俊介ファンの皆さま大変お待たせしました。ついに来やがった、ドラマ『silent』風間俊介回がよ…

まず、いきなりの大学生回想シーンに1ミリも違和感を抱かせないリアル不老不死に震えが止まりませんでした。

 

風間俊介(39)

 

この字ヅラに恐ろしさで全尿漏らしてる。一人だけ完全に時の流れバグってるみずみずしさの擬人化。風間俊介プロデュースの化粧水販売したら1000個買う。

そして今回、風間俊介が演じた「春尾」という男。この役で風間俊介が風間俊介として完成された感すらあった。

漫画『ドラゴンボール』に「魔人ブウ」というキャラクターがいるのをご存知でしょうか。魔人ブウは(善)と(悪)に分かれており、最終的にはその2つから一番強い力を持つ「魔人ブウ(純粋)」が生まれるんですが、彼を思い出しました。春尾はいわば、

 

 

風間俊介(純粋)

 

 

『僕のいた時間』のまもちゃん、『監察医 朝顔』の桑原に代表される「風間俊介(善)」

『3年B組金八先生』の健次郎、『それでも、生きていく』の文哉に代表される「風間俊介(悪)」

 

引くほど良いやつと引くほど悪いやつ、2つの風間俊介のちょうど中間にある風間俊介、それが春尾なのです。

 

「就活のため以外にボランティアやる奴いないだろ…」と言い切るほど「善意」に対して冷めきった面を持ち、ひとつ間違えれば一瞬で悪の道に落ちていた可能性すらあった。いやむしろその可能性のほうが高い…

あのままいけば、春尾は完全に就職に失敗し、ゴリゴリのマルチ商法会社もしくはオレオレ詐欺グループに拾われ、多くの人間を毒牙にかけていただろう…そしてドラマ『silent』ではなく『noise』という別のドラマがwowowでスタートしていたはず…

しかし、天使・奈々(夏帆)に出会ったことで全てが変わり始めた…

善意は損得の上で成り立っていると思っていた春尾が、初めてなんの打算もない、純粋無垢な心に触れて氷が溶けていく…

が…溶けすぎてあれこれ手ぇ出して奈々になんの相談もなく勝手に手話サークルとか作って奈々と他人を絡ませようと調子に乗った結果「偽善」呼ばわりされてイラっときて言い返したら縁切られたけど覚えた手話以外にできることもないし奈々のことも忘れられないから心にモヤが残ったまま奈々の影を追い求めるかのように手話通訳の道に進んだ男…

 

なんだコイツ…?感情スペースマウンテンか…?

 

そう、春尾とは今まで風間俊介が演じてきた役の中で最も「人間らしい人間」。そして、春尾を完璧に演じられる人間もまた風間俊介しかいない。

風間俊介という俳優のスゴさを一言で表すのならば「表情が1000個ある」なんですが、

 

例えば、片方の口角だけ上げて笑う、平気で人の顔面ブン殴りそうな顔…

 

奈々の笑顔を見た瞬間、全視聴者に「オイオイこいつもう惚れたわ」と確信させる溶けた顔…

 

「ありがとうって使いまわしていいの?」と奈々に言われた時のハッとした顔…

 

最初に「相手耳聴こえないから余計なコミュニケーション取らなくていい」とか自分から言っちゃったから怒鳴れないけど、他人に奈々を馬鹿にされたことはめっちゃムカつく気持ちがグチャグチャになって、最終的に机を叩いて後輩をニラみつけるしかできなかった時のブチギレ顔…

 

奈々と言い争いになってしまい、本心では思ってないのに、つい売り言葉に買い言葉で「すごく疲れる…」と言った後のいやらしい顔…

 

そして、数年の時を経て奈々と再会した時の、人間として成長したことを感じさせるおだやかな顔…

 

単純な喜怒哀楽どれにも当てはまらない絶妙な表情の数々…その全てを完璧に使い分けることで、ほんの短い時間にもかかわらず、今までどこか謎に包まれていた「春尾」という人間を視聴者全員に理解させてしまう…

風間俊介のヤバさがこの回で全て放出されました。そして、その風間俊介に一歩も引くどころか、上回るほどの演技をする女優、夏帆。

一人ではない、複数の「演技の鬼」が木曜10時に降臨していた…おそらく、2人のシーンを見た全俳優が白目になりながらぶったまげていたに違いありません。あの瞬間において、完全に2人が主演のドラマだった…

 

しかも思い出してください…3話で春尾は湊斗になんて言いました…?いいですか…

 

 

 

 

「聞こえないなら振り返らないですよ、当たり前じゃないですか」

 

 

 

 

は…る…お…おっ、おまっ、なんっ、な…なっ…………

 

 

たのむ…春尾と奈々を幸せにしてやってくれ…どんなに意味不明な展開でもいいから…2人を恋人にしてやってくれませんか…俺は2人がディズニーデートしてるとこ見てぇんだよ…春尾の姿をしたもはや風間俊介そのものが奈々に「ディズニーのゴミ箱のスゴさ」について手話で熱弁してるとこ見てぇんだよ…

たのむ…紬と想には悪いんですけど一回、一回だけでいいんで

 

春尾「……奈々っ…?」

 

振り返って「ニコッ」と笑う奈々…

 

ヒゲダン「氷ついた心には太陽をォ………」

 

でドラマ終わってほしい。

小学生ぶりにプレイしたポケモン新作で「木村拓哉」になりました

小学生ぶりにポケモンの新作ゲーム『ポケットモンスター バイオレット/スカーレット』を買ってしまいました。

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定期的にこんなブログを書いてしまうほど、赤緑青黄の「初代ポケモン」に取り憑かれた俺ですが、なぜ今さらポケモンの新作をプレイしようと思ったか。それは「主人公の顔面を自由に変更できるから」です。

俺がプレイしてきた赤緑青黄金銀では誰と通信対戦しようがクローンみたいに同じ顔が並ぶだけ、個性もなにもあったもんじゃありませんでした。

しかし、今作は「俺が俺として」プレイできる。俺だ、俺がポケモンの世界に飛び込み、最強のチャンピオンとなる。サトシ、てめえの息の根、今日で止めてやるよ。

 

が…ここで思った。本当に「俺」でいいのか?と。せっかく細かく外見を変えられるのに「2秒で似顔絵書ける顔面日本代表」の、俺を、わざわざ作る?

ここは俺ではなく、俺が理想とする「日本最高のイケメン」になってポケモンの世界を旅するのが一番良いんじゃないか?と…

そして俺は決意した。俺はここで生まれ変わる。「日本最高のイケメン」にな…。そのイケメンとは誰か。

 

そう、「夜空ノムコウの木村拓哉」です。

 

きっ、キィイイイイヤァァアアアアアアアア!!!!!!!タクヤァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!

 

完璧すぎる…どっからどう見てもあの頃の木村…ついに、ついに作り出してしまった…

 

なんじゃこのパーフェクトビジュ…立ってるだけでポケモンもトレーナーも全員メロメロで死ぬだろ…

え?俺よりカッコイイ主人公作れたやついるの?

 

 

木村とポケモンがイチャついてる写真撮ってるだけで1日終わるんだが…?

これが真の「ポケモンスナップ」なのか…?

 

あの木村拓哉がポケモンの世界に降臨した。その事実だけで圧倒的な優勝、歴史に残る神ゲーがここに誕生したのです。

が、ひとつ問題点が。今作はいわゆる「バグ」が死ぬほど多く、例えばマリルがマリルリに進化したのに横にまだマリルがいたり、

相棒のポケモン・コライドンの背中に乗って移動していたと思ったら、急にコライドンが消えて木村だけ空中に放り出されたり、

目を疑うような激ヤバ現象がバンバン起きてたんですが、初代でさんざんバグ地獄を体験していた俺にとってそんなことはほんの些細なこと。ポケモンとは本来「バグってナンボ」のゲーム。

むしろ原点回帰にめちゃくちゃ興奮してる。もっと、もっとバグくれ…どうぐの7番目でセレクト押してバトルしたらこうなってくれ…

 

どこぞのゲームサイトのレビューで「操作性の悪さ」や「テンポの悪さ」についての文句を読んだんですが、マジで甘えるなと言いたい。ポケモンはお前のママではない。

まず「最初から歩き以外の移動手段がある」「ザコポケモンを避けられる」ありがたみを知れ。歩いて山登らなきゃいけなかった俺たちの気持ちを考えろ。3歩進むごとにズバットとイシツブテに無限にエンカウントする地獄を…

なんか「移動も遅いしオープンワールドの割に行けるところも少ない」とか言ってましたけど、初代の「じてんしゃを手に入れるまでのダルさ」を考えたら今のポケモンはまぎれもなく「天国」

やっと自転車屋を見つけたと思ったらクソメガネ野郎に100万ふっかけられた時の絶望を思い出してほしい。

 

あと、主人公たちがちゃんとまともな「教育」受けてるのがマジで凄い。子供も大人もみんな普通に「ポケモン専門学校」みたいな場所に通ってるんですが、逆に学校にも行かず、なんの夢もなくフラッと旅に出る初代の主人公のイカレっぷりが際立つ。

子供がヤクザのビルに単騎で突入して、組織ごとぶっ潰すイベントとか、今考えると本当に意味が分からない。初代の主人公はただのポケモンサイボーグです。

 

しかも「目が合った(見られた)瞬間バトル強制」というのがポケモンの伝統だと思っていたんですが、今回は「任意」。こっちから話しかけない限り、あらゆる敵をガン無視できると超絶親切設計。

「5人に勝たないと絶対通れない道」がある初代のヤバさ。なにが「ゴールデンボールブリッジ」だよ「キンタマ橋」だろ。

 

あと、これは全員もっと感謝したほうがいい機能なんですが、戦ってないポケモンも経験値が入るのが本当にヤバすぎる。

初代では先頭のポケモン一体にしか経験値がもらえず、パーティ全員を均等に育てるのに地獄のような時間をかけなければいけませんでした。

救済措置として、持っていると全員に経験値が入る「がくしゅうそうち」というアイテムがあったんですがその入手方法が

「50匹以上ポケモン捕まえた後に行方不明のオーキドを自力で見つけ出してもらう」

このダルさ、使ってる人間マジでゼロでした。結果、御三家だけを限界まで育て上げ、あとの5匹はただの「盾」。なんじゃこのゲーム。

それが今回は野生だろうがトレーナー戦だろうが、等しく全員に経験値が振り分けられ、しかも「ポケモンを捕まえても経験値が入る」という神仕様。本当にこれはポケモンなのか…?

 

そして、全体を通してあまりにも目的地に行くまでの道が快適すぎました。前述したように邪魔なトレーナーもいなければ、意味分からん罠や仕掛けもほとんどなく、ただただ「快適に冒険できる道」が広がっていたのです。

初代の「矢印の方向にゆっくり回転しながら進む強制移動床」「穴に石落として水の流れを止めないと通れない川」など「人間を不快にさせるためだけの仕掛け」に改めてハラワタ煮えくり返ってる。こんなゲーム遊んでよくゲボを吐かなかったなと、昔の俺を褒めてあげたい。

 

あと、初代はストーリーの終盤じゃないと手に入らなかった、行ったことのある街に自由に瞬間移動できる「そらをとぶ」が最初から使い放題で目ン玉飛び出ました。

そもそも「ひでんマシン」の概念がないのがヤベえ。初代はパーティ6匹のうち1匹は「ただ移動するためだけの道具と化したポケモン」がいたものですが、今回はマジで「好きなポケモン」だけのパーティを組めるだと…?

さらに、マップ画面の「目的地設定」が地味だが本当にありがたかった。「関東地方なんだったんだよ」と思うほどパルデア地方はあまりに広く、ただ街の中を歩くだけでも、どの店がどこにあるのかまったく分からず、最初は「なめてんのか」と思ってたんですが、マップの「目的地設定」と「ズーム機能」を駆使することで移動のストレスゼロ。

マジで初代でかけた時間を返してほしい。生まれる時代間違えた。

 

そんな最新のポケモンを体験した俺、プレイ時間は一瞬で50時間を超えました。完全なるポケ廃。努力値、種族値、特性、孵化、厳選、全部覚えた。俺は木村拓哉だ。

こうして作られた俺のパーティを見よ…

 

 

ゲンガー

性格 : おくびょう  /  特性 : のろわれボディ  /  持ち物 : きあいのタスキ 努力値 : HP:4 / 特攻:252 / 素早:252 技 : シャドーボール / マジカルシャイン / きあいだま / みちづれ

ほぼ全てのポケモンに対し等倍を取れる凄い奴。この不敵な笑み…完全に『模倣犯』の中居正広。

 

ピカチュウ 

性格 : いじっぱり  /  特性 : ひらいしん  /  持ち物 : でんきだま 努力値 : HP:4 / 攻撃:252 / 素早:252 技 : じゃれつく / ボルテッカー / でんこうせっか / ねこだまし

天使のようなルックス、しかし「でんきだま」を持った破壊力はパーティ1、まさに『ガリレオ』の香取慎吾。

 

パルシェン

性格 : いじっぱり  /  特性 : スキルリンク  /  持ち物 : いのちのたま 努力値 : HP:4 / 攻撃:252 / 素早:252 技 : からをやぶる /ロックブラスト / つららばり / アクアブレイク

連続攻撃を常に最大で出せる特性「スキルリンク」を搭載したヤバいやつ。この容赦の無さ、完全に『十三人の刺客』の稲垣吾郎。

 

オコリザル

性格 : ようき  /  特性 : まけんき  /  持ち物 : しんかのきせき 努力値 : HP:252 / 攻撃:4 / 素早:252 技 : ふんどのこぶし / ドレインパンチ / げきりん / ビルドアップ

進化前のポケモンに持たせると防御と特防が1.5倍になる「しんかのきせき」を持たせ、ドレインパンチで回復しつつ、攻撃された回数で威力が倍増する「ふんどのこぶし」をブチ抜いていく破壊神。まぎれもなく月9の神、俺、木村拓哉。

 

コンパン

性格 : おだやか /  特性 : ふくがん  /  持ち物 : しんかのきせき 努力値 : HP:252 / 防御:4 / 特防:252 技 : ねむりごな / みがわり / バトンタッチ / こうそくいどう

同じく「しんかのきせき」を持たせた上に、命中率を上げる「ふくがん」と「ねむりごな」の最凶コンボをキメ、みがわりとバトンタッチで後続へと繋げる裏エース。パッチリした目にチャーミングなフォルム…まさしく永遠のSMAPメンバー、森且行。

 

ストライク 

性格 : ようき  /  特性 : テクニシャン  /  持ち物 : しんかのきせき 努力値 : HP:4 / 攻撃:252 / 素早:252 技 : つばめがえし / とんぼがえり / ダブルアタック / つるぎのまい

同じく「しんかのきせき」を持たせ、要塞と化したヤバい虫。特性「テクニシャン」で威力が低い技も必殺になる。この鋭利なフォルム、この安定感、間違いなく演技力の鬼こと、草なぎ剛(草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀)

 

 

スポーツ・ミュージック・アッセンブル・ポケモン。最強の「ポケモンSMAP」…俺たちに勝てるやつ、いる?

『KICK BACK』の後に『恥ずかしくってしょうがねえ』聴いて米津玄師に土下座したくなった

『KICK BACK』のカップリング『恥ずかしくってしょうがねえ』をおまえはもう聴いたか…

この2曲を一枚のシングルにねじ込んだ米津玄師、本当に恐怖でしかない。毎回新曲聴くたびに怖がってるような気がしますが、恐怖と米津は俺にとってもはやイコール。『KICK BACK』の後に『恥ずかしくってしょうがねえ』を聴いて「本当にすいませんでした…」と音の前で土下座した。とりあえず『ペトリコール』『amen』『ララバイさよなら』『でしょましょ』『クランベリーとパンケーキ』を愛してる私は情緒が終了しました。

 

KICK BACKが「足し算の米津」「動の米津」なら『恥ずかしくってしょうがねえ』は「引き算の米津」「静の米津」。カツカレーにラーメンとハンバーグと大トロと餃子をぶち込んで豚キムチと明太子とイクラをぶっかけたこの世の全部乗せ丼が『KICK BACK』ならば、『恥ずかしくってしょうがねえ』はシンプル「土鍋で炊いた米」

派手さこそ無いが気が狂うほど美味い。米津以外の要素を極限まで抑え込むことで、一音一音に「米津玄師」が凝縮されて米津だけを感じることができる。今まで米津がリリースしたどの曲よりも近くに米津がいた。アンダーグラウンドの匂いが充満したオルタナティブな米津が…

『KICK BACK』が「乱暴で馬鹿で下品だけど憎めないヤンキー」なら『恥ずかしくってしょうがねえ』は「普段おとなしいけど実はキレたら一番ヤバかった奴」の典型。絶対「いやぁ…そんなことするような子には見えなかったんですけどねぇ…」って近所のおばさんにインタビューで言われる。

どこを聴いてもフックしかない、ネットでバズる要素を片っ端から詰め込んで絶対にヒットさせる確信だけを持って作られたような『KICK BACK』と、刺さる人間だけを確実に刺しに行くこの曲との対比が本当に怖い。

 

「恥ずかしくてしょうがねエ゛……」

 

いくらなんでも、ガラガラが過ぎる。この「エ゛……」の圧倒的な色気と殺気に殺られろ。俺の耳元で米津が囁く米津玄師のASMR。

 

「恥ずかしくてしょうがねエ゛……」

 

ブゥェーーーーーン…ベェエェェーーーーーーーン…

 

というなんらかの音で圧倒的不穏さを演出して、

 

「サングリアワイン…」

 

キィーーーン!ピィーン!

 

サビで音がいきなり上がってポップになるんですが、アレンジの高低差によって耳がグチャグチャになります。鉄琴の音で「あれ…?怒ってるかと思ったけど気のせい……?」と油断させておいてラストで、

 

「もっかいちゃんと話そうぜェ…」

 

ブゥィィイィィィ……ヴヴヴヴヴエェェ………

 

鬼のブチギレ。

「不穏→安心→不穏」のションベン漏らす恐怖の構成力。このアレンジの高低差、完全に躁鬱。ピュアとシリアスのわんこそば。気持ち良いと気持ち悪いの反復横跳び。米津に笑顔で腹の中をかっさばかれて、内蔵を直接触られている。

 

サングリアワイン 口に合わねえな 無謬の民による宴 帰らせてくんねえか

サングリアワイン 誰もがユダなら もっかいちゃんと話そうぜ

 

もう俺には「今すぐお前の家行くから全員アカウント消してスマホ破壊して布団の中でガタガタ震えとけ」と言われてるようにしか聴こえません。

どういう真意で作られたのかは知りませんが、この曲がSNSのダルさ、ひいては「KICK BACKのMVをイジってあらゆるものに米津玄師が轢かれるめちゃくちゃスベってる動画へのアンサー」だと思うと俺はもう一生安眠できる気しない。インターネット、あまり米津玄師を舐めるな…

 

アァァァ…ァァアアアァァアァァァ………!!

 

血が流ァ……れてェェェ…!ゆゥゥゥクゥゥ……

 

誰のものかァ……わからァッ…!ぬまァァまァ………

 

 

 

ンヌァ………

 

 

 

ここッッ!!!この「ンヌァ………」にすべてが詰まってる。もう曲名「ンヌァ………」でいい。

Official髭男dismの一生聴ける名曲10曲

rockinon.com

このリストにめちゃくちゃ納得いかなかったので改めてOfficial髭男dismの一生聴ける名曲を10曲選びました。これが俺の非公式髭男dismだ。

 

 

夕暮れ沿い

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歌詞の内容はゲロ吐き散らかすほど切ないのに、メロディが軽快過ぎて聴いてると「泣きながら笑う」という意味のわからない状態になってしまう、この世で一番アガる腰振り失恋曲。

そして音源も最高なんですが、ライブバージョンがあまりにも鬼。全員がそれぞれの持ち場だけじゃなく色んな楽器を弾きこなし、さらに歌も歌える。「音楽のスキルの素の強さ」こそが髭男の最大の魅力。Official髭男dismは「ゴスペラーズ×東京スカパラダイスオーケストラ」の融合モンスター。

 

parade

髭男がつねづね掲げてる「グッドミュージック」この言葉を体現するかのような多幸感に満ちた最強ハッピーソング。

Aメロの

「(ンッ)いッッ!つだってなんかありそうなっ!」

「(ンッ)どッッ!この街にもありそうなっ!」

「(ア゛ッ)リッズムに乗って始めっよう!」

この(ンッ)(ア゛ッ)のコブシの効かせ方が最強。綺麗に伸びる高音だけじゃなくソウルフルで荒々しい声も出せるこのギャップ、野良のポメラニアン。

 

愛なんだが…

「気持ちのすれ違いから別れてしまったけど君の大切さに気づいてもう一度やり直したい」系の曲が親よりも好きなんですが、それ系のトップを独走してる聴く恋愛映画。1番の彼女が言う「どうせ愛なんか」と2番の僕が言う「どうせ愛なんてさ」のこの「どうせ」の意味の違いに土下座させられる。

男女の恋愛観の違いだとか気持ちのすれ違いだとか、そういうのも引っくるめて君を幸せにしたいという気持ちが痛いくらい伝わる最強のラブソング。

 

Happy Birthday to You

ドラムのハイハット音が気持ち良すぎてヨダレの出る静かな麻薬曲。

歌詞がとにかく最高で「Happy Birthday to You」という言葉を単純な「誕生日」じゃなく「生まれ変わった日」という意味で使っていて、特に2番の

「どんな素敵な人でも 鏡の前で悩み続けてる だからこそいつになっても歌声は 誰の心にも届く」

は、アルバムタイトルにもなっている『MAN IN THE MIRROR』(マイケルジャクソンの曲に由来し「世界を変えていきたいのなら、人生を変えたいのなら、鏡の前にいる自分から変えていこうよ」という内容から)きているらしい。あまりにも天才が過ぎる。

 

ニットの帽子

イントロのピアノ、間奏の主張の激しすぎないギター、ただただリズムを一定に刻むドラム、ベース、オシャレなジャズバーでかかってそうな雰囲気を醸し出しながら、歌詞の内容は幸せな思い出が一生消えない傷となって自分に襲いかかってくる絶望感。その中で「ニット」と「きっと」でさりげなく韻を踏む作詞家としてのぬかりなさ。

その完成度にテキーラ吐き散らかす超名曲バラード。

 

55

歌詞はただ「酒飲んで騒いでイエエエ!」っていう曲なんだが、ラップ、ボイスサンプリング、「どこで拾ってきたんだそれ」みたいなわけのわからない音が耳爆発するくらい次々とダダ流れし続けるド変態曲。

ライブだと客全員「麻薬やってんのか」ってくらいに盛り上がり狂う。『音を楽しむ』という音楽の本質を地でイキまくってる。

 

 

たかがアイラブユー

ドゥーーーーン…ぺエフゥーーーーー!エエフゥーーーーー!ウウヘエーーーーー!ウウウヘエーーーーー!ニョライニョライニョライニョライ…ぺエフゥーーーーー!エエフゥーーーーー!ウウヘエーーーーー!フゥーーーーーーン…

デレデスデッデッデスッッッ!!

 

愛して〜〜〜るッッ…またはそれに準じた言葉〜〜〜を…

 

ここがどうしようもなく最高…このイントロのタメ、そして2番始まり前の一瞬の無音からの、

 

「ハァ」

どうしても〜〜

 

のタメ、引きつけて引きつけて一瞬で爆発する。気持ち良さの爆発。「エクスタシー・オブ・ミュージック・エクスプロージョン」の使い手。それがOfficial髭男dism。「タメ」の上手さが聴く大谷翔平…

 

相思相愛

「悲しい歌ほど韻踏みがち」な髭男の曲のなかでも恐ろしいくらいの韻のわんこそば。ラスサビの、

「相思相愛」「じゃない」「〜愛はない」「今後一切」「いない」「〜もんじゃない」「〜たまらない」「〜もうおしまい」「〜なってください」「相思相愛」「サンキューグッバイ」

口の気持ち良さと歌詞内容の救いの無さ、タイトル『相思相愛』のハッピーな響きとの落差に落差に全臓器が弾け飛ぶ。

 

Amazing

死ぬまで耳から離れないドキャッチーな暴れギター、意識がトビそうなほどしつこく鳴り続けるシンセ音、打ち込み、『Pretender』の後に聴くと脳のシワが倍になる。

曲構成も素晴らしく、2番の「目を覚ませフリィィダァァア゛ァ゛ァムッッッ!」の最強のがなりからサビに行かずCメロに入ることで一気に曲が開き、ラストはまたAメロに戻る…この無限ループで頭狂う変態曲。

 

ペンディング・マシーン

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55、Tell Me Baby、たかがアイラブユー、Amazing、最後の恋煩い…「欲しかったOfficial髭男dism」が鬼のメガ盛り。家で聴きながら「こっ、コレコレェ〜〜〜!!キモチイイイイ〜〜〜!!」と全裸で叫び倒した。

特筆すべきはやはり「韻」。Official髭男dismといえば、藤原聡の歌詞といえば韻と言っていいほど「髭男×韻=性癖」の方程式が成り立つ。もう逆に踏んでない部分を探したほうが早い。親の仇かのように踏んで踏んで踏みまくる。

曲を液体にして注射器から体内に入れたい。それくらいずっと飢えていた「俺にとっての髭男」がここにはあった。「いろんなおとがなっててたのしい」というヒトが抗うことができない本能をひたすら刺激してくる電子ドラッグ。

聴くと「今、俺に話しかけたら死ぬぜェ…?」と目がギョロギョロして「ヤクザ映画観た後」のテンションになる。その姿は極めて不審な、完全に「犯罪者予備軍」の様相を呈していた。外で聴いたら色んな意味で終わっていた。 何回聴いても曲の流れ、メロディーラインが1ミリも理解できない。曲というかもはや迷路。思考回路が爆発する。QuizKnockの問題よりもムズい。てゆうかもう脳ミソいらねぇ。今すぐに街中で大音量で流して逮捕されたい。

 

以上10曲でした。Official髭男dism、とにかく聴けこのリズムとスペシャルなソウル…

漫画『氷の城壁』を全人類の教科書にしたい

漫画『氷の城壁』を今すぐに全人類の教科書にしていただきたい。子供いませんが、もしいたら読み聞かせの本全部『氷の城壁』にしてた。

まず内容の前に、作者・阿賀沢紅茶の

 

「圧倒的なデフォルメ絵の良さ」

 

について語らせてもらう。おそらく今日本で一番「デフォルメ絵が強い漫画家」、それが阿賀沢紅茶…

「肉体から解放されてデフォルメ絵になりたい」と願うほどデフォルメ絵を愛してやまない俺ですが、はじめて阿賀沢紅茶のデフォルメ絵を見た瞬間、こんなにも人の心をくすぐるデフォルメ絵を書ける人間がまだこの世に存在しているのかと吐血した。それほどまでに、あまりにもキャラクターが「おいしそう」なのです。

モチモチと膨らんだまんまるのフォルム、フグ田タラオを超えたコミカルすぎる擬音、「ちぎりパンの擬人化」とはまさにこのこと。マジで「食べたい」。それでいて「全キャラ誰が誰だか完璧に把握できる」特徴を捉える上手さ。俺が漫画家ならこのデフォルメ絵見た瞬間に絶望して全ペン折ってる。 

デフォルメ絵は「ガチ絵」との差が大きければ大きいほどその威力を増すんですが、そのギャップの「魅せ方」があまりにも完璧。

現世における「3大デフォルメ神」とは、

 

椎名軽穂

冨樫義博

井上雄彦

 

であることは議論の余地がないと思いますが、今ここに肉薄し超えるほどの勢いを持っているのは、間違いなく阿賀沢紅茶。

「ボガァァァアアアアン!!!!!」とキメるキメゴマでのキャラクターの絵と「フッ………………………………」と抜くときのデフォルメ絵のコマの落差に神経が灰になる。

デフォルメ絵で極限まで「ユルさ」を演出しておいて読者を完璧に油断させておいてからの、フルパワーで描かれたマジキャラクターの笑顔ドアップ、完全に失神案件。画面に向かって何回「かわいすぎる殺してくれ」と叫んだか分かりません。

 

そして、その絵のギャップを2億%活かしたキャラクター描写に震えが止まりませんでした。『氷の城壁』のメインキャラクターは「4人」なんですが、

 

小雪…こゆん。第一印象「ジェネリック爽子か?」とか思って本当にすいませんでした…

他を寄せ付けないような雰囲気を持つ女の子で、中学の時のある出来事がキッカケで一人を好むようになり「自分を出す」ということを極端に嫌うようになってしまう。話を重ねるごとに、どんどん心の氷が溶けていってどんどん素敵になる小雪を俺は一生守りたいと誓った…

 

美姫…こゆんの親友。第一印象「どうせ変わってく小雪に嫉妬して親友のフリして裏でクソめんどくせぇムーブかます厄介女だろ」とか思って本当にすいませんでした…

中学までのサバサバした性格の自分を隠し高校では静かに暮らそうと遠慮していたら、いつの間にか学校の人気者になってしまった女の子。クラスメイトといるときの自分と、小雪たちといるときの自分との乖離に悩む。

本当に人間は他人を自分の見たいようにしか見てねぇんだなということが分かるし、それで苦しんできた美姫の気持ちを思うとこのクソ世界をイチから作り変えたくなる。こんな友達想いのいい子を悲しませる世界なんて俺が壊してやるよ…

 

ミナト…第一印象ただの典型的な「ズカズカと人の心に踏み込むことを正義だと勘違いしてる距離感がバグりアホ男」だと思ってたの、本当にすいませんでした…

「マジで小雪に近寄るんじゃねぇクソちんこがよぉ」と思った最悪の第一印象からの「ミナトぉ…もうそんな無理しなくていいんだよ…お前の気持ち分かってくれるやつはちゃんといるからよ…そしてその役目を俺が任せてくれないか…?とりあえず今度おごるから飲み行くべ……?」への高低差が激しすぎてゲロ吐きました。器用そうに見えて誰よりも不器用なのがマジで愛おしい…

 

陽太…ミナトの親友。第一印象ただのテンプレピエロ当て馬野郎だと思ってて本当にすいませんでした…

陽太以上に「優しいやつ」はこの世に存在しないんじゃないか思ってる…陽太はたぶん自分のことを「優しいやつ」って思われるのを嫌がるんだろうが、それでも俺は世界一デカい声で言ってやりたい。お前は優しいやつだよ…陽太…とにかく陽太にはもっと自分を大切にしてほしいし、あったかいメシいっぱい食べさせてやりたい…

 

この4人それぞれの視点で、誰しもが持っている悩み、苦しみ、コンプレックス、他人から見た自分と自分が思う理想の自分のギャップ、思春期のグチャグチャな全ての感情をこの漫画は決して難しい言葉を使うでもなく、しかし恐ろしいほどド丁寧に描いていて、確実に4人は漫画の世界で生きてる。

「恋愛は友達を裏切ってナンボ」「他人のスマホ覗いてからが本番」と、偏見まみれで読み進めていた1話の俺の首を今すぐにブッた斬りたい。誰かの足を引っ張り合うだけが物語じゃねぇんだボケェと、過去の俺の胸ぐらを掴んでやりたくなった。

そして、話を重ねるごとに、ページめくるたびに、どんどん4人のことを好きになっていった。というか、もはや4人は「俺」だった。「こゆんの気持ちに共感!」みたいな単純な感覚ではなく「みんな俺」なんですよ…

もう成人式から余裕で10年過ぎてますが『氷の城壁』を読んでる時だけは…俺は「高校生」で…俺はこゆんで…美姫で…ミナトで…陽太で…

 

4人の青春は完全に「俺の青春」として心に刻まれました。もし飲み屋とかで、自分のことを「こゆん」として話してる男がいたら俺です。すぐに通報して、リアル『氷の城壁』こと網走刑務所にブチ込んでください。

 

…そう思って鏡を見ると、毛むくじゃらで汗だくの半裸の男が鬼のような顔をしてこっちを見ていた。こいつのどこが「こゆん」だ。俺だって、デフォルメ絵が似合う人間に生まれたかった。

 

『セーラームーンミュージアム』に行ってタキシード仮面になった男

1ヶ月ほど前になるんですが、東京六本木で開催中の『セーラームーンミュージアム』に行ってきました。

あまりの素晴らしさに、ここが人生の最終地点かと錯覚するリアル・クリスタル・トーキョー。これに関わった人全員を地球(くに)ごと抱きしめたい…

 

まず、中に入るとわれわれを出迎えるのは超巨大セーラームーン。このミュージアムのために武内直子先生が描き下ろしたスペシャル画らしい。美しすぎてもはや恐怖。

 

厳(おごそ)か、という言葉すら軽くなるほどに神々しい入り口。そう…ごぞんじ、過去と未来を繋ぐ「時空の扉」…

われわれが「セーラームーンの世界の一部になった」演出に、脳内は完全にムーン・ヒーリング・エスカレーション。俺は妖魔だった。

 

ギィイイイイイイイ………

 

おもむろに開かれる扉。オイオイ…いったいなにが始まるってんだ……

 

バァアァァアアアアアアアーーーーーーンン!!!!

 

なんといきなり飛び込んできたのは「現実」のセーラー5戦士の変身ロッド&スティック…確実にここにセーラームーン達は存在しているのだ…

 

マスクの下でヨダレを垂らしながら無我夢中で写真撮影に狂っていると

 

 

スタッフ「正面にご注目ください……なお、ここから撮影はいったんお控えください……)

 

 

 

 

ファッ……

 

 

ドゥ!ドゥドゥッ!ドゥルドゥルドゥルッッ!!!!!

 

テレレレレレンレレレレレンレレ〜〜〜〜レ!

 

テレレレンレレンレレレレ〜〜〜レ!

 

テレレレ!レレンレ!レレンレ!レーーーーレ!

 

デレレレレッ!レッッ!!!レレッッ!!レッ!!

 

ジャァーーーーーーーン!!!!

 

「ごめんね…すなフォァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア〜〜!!!?!?!」

 

『ムーンライト伝説』のエゲツないスペシャルムービーが流れ、網膜が焼かれる一同。

涙を流し歓喜するもの、ヒザから崩れ落ちるもの、あ然とした表情で虚空を見つめるもの、うわ言のようになにかをつぶやき続けるもの、それぞれが正気を失い、ただひたすらにセーラームーンの世界を「尊(たっと)んでいた」

ミラクル・ロマンスとはこのことだったのだ。

 

そして次々と降臨するセーラー戦士たち…

 

セーラームーン…

 

セーラーマーキュリー…

 

セーラーマーズ…

 

セーラージュピター…

 

セーラーヴィーナス…

 

 

もう、帰っていいですか…

 

凄すぎて、逆に帰りたい。そう思うほど開始5分で全てに「勝利」してしまった…

 

しかしこれだけでは終わらねぇのがセーラームーンミュージアム。

 

中に進むと、出るわ出るわ…国宝級の原画複製の数々……

今回展示されていたのは、原作第3部・第4部を中心とした60点。行く時期によってどんどん変わるらしい。俺に「ここに永住しろ」と言っているのか…?

シャッターを押す手が止まらない。完全に事件現場で証拠写真を収集する鑑識のそれ。

 

セーラームーン「あたしの夢は、皆が幸せに暮らせるように、この星を守っていくことなの」

 

「セーラースターヒーラー!」

 

「セーラスターメイカー!」

 

「セーラースターファイター!」

 

「セーラースターライツ!参上!」

 

ちびうさ「……ねぇ、セーラームーンって、強いの?」

 

エリオス「……助けて……__乙女よ」

 

セーラーサターン「いつでも終焉とともに希望と再生があるのです。__それをもたらすのは、あなたです。スーパーセーラームーン」

 

衛「結婚しよう、うさ」

 

ホログラム加工された数々の名場面に、完全に眼球が「幻の銀水晶」の形になってしまった。

 

そして、次にやってくるのはアニメの絵コンテ集だ…今すぐにDALIのみなさんをここに呼びたい。

 

子供セーラー戦士…ちっ、チッッッチャアアアアアアアアア……。かっ、カワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…………

 

星野「俺じゃ………ダメか………?」

 

マーズ「バーーーニングッッッッッ!!!!

 

(ポンポンポンポンポンポッッッ!!!!!)

 

マンダラァアアアアアアアア!!!!!!」

 

(ボビュウウウィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!)

 

こ…………これは…………

 

オ…オ……

 

隕石デュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

セーラームーン「みんなはあたしが…!守ってみせる!!お願い…!銀水晶、力を貸して…みんなを守れる力を…!誰も一人にしない力を…!」

 

ヴィーナス「みんな!あたしたちも一緒に…!」

 

ジュピター「残りのパワーで、うさぎちゃんを援護しよう!」

 

マーズ「そうよ!あたし達は死なない!」

 

マーキュリー「みんなで地球に帰りましょう!」

 

隕石デュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

セーラームーン「ウワァァァアアアアア……!!!!ウグゥウウウウウ………………」

 

タキシード仮面「(ニコッ…)」

 

マーキュリー「ウッ…クッ…」

 

うさぎ「コラ!遊ぶ時はちゃんと遊ばないとダメでしょ!」

亜美「そうね!じゃんじゃん遊んじゃお!」

 

マーキュリー「うさぎちゃん…!」

 

マーズ「……」

 

うさぎ「すごーい!レイちゃんってがんばり屋さんなんだ!」

レイ「あーら!今ごろ気づいたの?」

 

マーズ「うさぎ…!」

 

ジュピター「ウゥッ…」

 

うさぎ「うわぁー!そのおにぎりおいしそー!」

まこと「あんた…あたしが怖くないの?」

うさぎ「へぁ?なんで?」

 

ジュピター「うさぎちゃん…!」

 

ヴィーナス「ッ……!」

 

うさぎ「カンドー!あこがれのセーラーVちゃんが目の前にいるなんて!」

美奈子「ジャーーン!えっへん!」

うさぎ「ふふふ笑」

 

ヴィーナス「うさぎちゃん…!」

 

隕石デュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

そうだ…いつもみんながあたしにパワーを与えてくれる…そして勇気を…あたしと銀水晶どんどん強くなれる…!もう…誰も一人にし、すいません興奮してラストシーンのセリフ完コピしてしまいました。今日という日が、俺のMoon Revenge。

 

…さらに先を進むと、目を疑うような信じられない光景の数々…その眼(まなこ)をカッぴらいて、刮目せよ…

 

 

人込みに消えてゆく…背中に向かって手を振った……昨日までが嘘みたいに見える……

 

自然と観月ありさ『風も空もきっと…』を口ずさんでいた。他のみんなもきっとそうだったろう…

 

この他にも絶対に撮影が許されない、ミュージアムに行ったものだけが拝むことができる「超絶怒涛美麗原画」がわれわれを待ち受けていた…「もうこれで終わってもいい」、竹内直子先生の夫・冨樫義博の代表作「HUNTER×HUNTER」の名セリフが思わず口から出てしまった。

 

そして最後に、俺がこのセーラームーンミュージアムで一番の衝撃を受けたのが「トイレ」です。

なんと、男子はタキシード仮面、女子はセーラームーン風のピクトグラム…便所までもがセーラームーンの世界に…

 

用を足している全員のツラがまえが、違った。

 

つまり、誰もが大切な人を守りたいと願いミュージアムのトイレに訪れた女性は全員がセーラームーン、そして男は全員「タキシード仮面」なのだ…

俺はタキシード仮面…俺はタキシード仮面…俺はタキシード仮面…心の中で何度も唱えた…

 

 

どんな日も 君の笑顔を 守りたい 

 

 

あ、すいません。間違えて「セーラームーンR」に登場する謎の男・月影の騎士になってしまいました。アデュー…