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映画『海街diary』感想

映画『海街diary』感想。

まず大前提として、漫画原作を既読の方ならお察しの通りこの海街diary、上映時間120分ほどなのですが、三姉妹(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆)と腹違いの妹(広瀬すず)が絆を深め合っていく様子を鎌倉の四季折々の景色を通して描くヒューマンドラマとなっていますが、ぶっちゃけ特に何も起こりません。端的に内容を説明すれば「超絶美女四姉妹の生活を覗くだけの映画」です。それ以上でもそれ以下でもありません。

例年のヒット映画のように血で血を洗う争い、嫉妬渦巻くエゴイスティックな男女の目合ひ、空気がヒリつくような頭脳戦とは真逆の映画なのです。爆弾で首から上が吹っ飛ぶこともありませんし、ラーメン屋で店主の耳を菜箸で突き刺すこともありません。実の家族の恋人を寝取ることもありませんし、勇者達の道(ブレイブ・メン・ロード)と称し屋上で鉄骨の上を渡ることもないのです。

しかし「超絶美女四姉妹の生活を覗くだけの映画」を「超絶美女四姉妹の私生活を覗くだけの映画」その一点のみに特化した時、これほどまでにシンプルかつ最強な映画も他にはございません。130キロのストレートと80キロのスローカーブの緩急などまるで無意味、結局は165キロのストレートこそが最強だろ、と是枝裕和監督は豪語しております。そして触れ込みの映像や紙媒体を見ていただければ全て分かる通り、このカルテットまるで隙がねぇのです。

まず映画を鑑賞する僕達の目に一番に飛び込んでくるのが、『モテキ』で女リミッターを全解除させた長澤まさみです。正直俺は男なんで冒頭シーンとか序盤のあのシーンとかは「ウヒョー(^q^)」なんですけど多分あれでモロ引きしてアレルギー反応起こす女の人絶対いますよね。あの長澤まさみ気に入らないって言い出すおフェミさん絶対一定数いる気がするんですけど。

まぁそんなことは知ったこっちゃないのでそこは無視して続けますけど、男性視聴者の多くはまずそこで色々掴まれ、画面に釘付けになることうけあいです。そして次に飛び込んで来るのが、どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろうちゃんこと広瀬すずちゃんです。

いや、その前に綾瀬はるかも夏帆も登場するわけですが、んー、なんて言えばいいのかそりゃ一般人から比べたら月とウンコくらいの差があるビジンさんだというのは重々承知なんですけど、これはホンッと個人的に!これ個人的に!!くれぐれも石投げないで聞いて欲しいんですけど、綾瀬はるかと夏帆が全然タイプじゃなくて、特に綾瀬はるかに関してはなんか子供の頃に脳に埋め込まれたチップの影響かわかんないんですけど見ても「なんか刺さりそうな顎してる」っていうのが無意識に海馬に刷り込まれてたんですけど、今回は二人共めちゃくちゃ綺麗だった。月並みな表現なんですけどほんと4人揃った時のシーンは文字通り「息を呑んだ」

この『海街diary』は四姉妹の物語とは銘打っているものの大枠はこのどうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろうちゃんこと広瀬すずちゃんが演じた四女・すずの、紛らわしいわ、すずの物語がメインストーリーです。すずは、三姉妹の暮らす香田家に転がり込むことになったもののその境遇と性格ゆえに初めはどこか三姉妹に対してまぁ遠慮するわけです。一人っ子ならわかると思うんですけど、親戚の家に行った時に久しぶりに会う年上の従兄弟に緊張して敬語とか使っちゃうあの感じがモロに出てます。名前に「さん」つけた方がいいのか、とか、返事は「うん」より「はい」がいいのかな、とかそんな当の本人達は1ミリも気にしないであろう細かすぎて伝わらない所を気にするくらいには打ち解けられずにいるのです。

しかしそんなすずも、一番年齢も近くその良い意味で大雑把で適当な性格から良き相談役の三女・千佳をキッカケに徐々に香田家に「自分」の居場所を作っていき、で、最終的にはマッパで風を感じるんですけどここでこの映画の一番のポイントである『1年がかりの撮影』という所に非常に活きてきます。それもそのはず、演じているキャスト一人ひとりの絆もこの物語とともに深まっていくのです。最初は三姉妹間ですらどこかぎこちなく見えたシーンも、終盤の四人のシーンでは世辞抜きで本当の姉妹のように映っていました。この1年という長くて短い期間を通して、四姉妹の、特に浅野すずの、そして広瀬すずのリアルな成長がこの目で観られる奇跡の映画です。序盤と終盤では彼女の顔が長期休業後に気持ち悪いくらい急に身長が伸びて声が野太くなってる同級生みたいに違ってくるので、必見です。まあでもこれは俺の想像でしかなく、多分シーンは台本順に撮ってるとかそういうことではないかもしれないんですけどそんな雰囲気が本当に素晴らしい。

 

と、ここまで長々と書きましたが、冒頭で述べたように四姉妹のビジュアルにはてんでリアリティがないのでキャラクターの誰かに感情移入する物語ではなく、まー要するに超良質なイメージビデオです、これの対極にあるのが、高校生モノなのに男子生徒こ汚ぇオッサン、みたいな。そういうことです。

 

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