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ミクスチャーブログ

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シンプルに「鬼」、King Gnu『千両役者』フル感想

 

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曲聴き終わったあと震えが止まらなくなった。シンプルに「鬼」だと思った。4人の音楽鬼に身も心もズタボロにされた。あまりにも多い情報量に脳がパンパンになるのがわかった。俺が一生で聴くことのできる音のキャパを一曲で超えたかと思った。

BPM「∞(無限)」だった。「ドコモ5G」のCM曲だが完全に曲の速さが5G。常田大希の「アァーーーオッッ!!」の時点でドコモダケは死ぬ。聴いてる側の耳に勝負を挑んでくるリアル命の奪い合い、もはや音を楽しむというよりも音に挑む感覚、音楽ではなく「音挑」、俺の耳が死ぬか俺の脳が死ぬかの二択。二択になってねぇ。負け確定の楽しい地獄それが『千両役者』。

ギターが跳ねすぎて指が千切れないか心配になる、上下左右三半規管を絶え間なく揺らしてくるギターというかバネ。ドラムが忙しすぎて労働基準監督署が飛んで来ないか心配になる。譜面真っ黒なんじゃねぇかと思う。勢喜さん良い給料貰ってますか?ベースがぶりんぶりんの鰤。サビ前でベースがボーカルと化す。こんなわかりやすく凄いベース弾きいねぇ。たぶん幼稚園児が聴いても「King Gnuはベースがエグいんだよ」とか言い出す。

井口理がこの曲を指して自分のことを「高速餅つきの水付け」と言っていましたがその意味が完璧にわかった。確かに水だった。最高の天然水。いつ爆散してもおかしくない俺達の貧弱な耳と脳にそっと潤いをくれる。そして井口理が水なら常田大希は油。あまりにも熱い。熱したコップに冷水ぶっかけるとコップは砕け散るが俺達の耳がコップだった。灼熱の常田のボーカルに氷水の井口のボーカル温度差によって耳は爆散する。結局爆散する。

特筆すべきは歌詞。激動の今時代だからこそ書ける混沌と混乱と動乱と狂気と正気が入り混じる言葉で殴られ続けられるかのような歌詞。そして鬼の韻踏み。次生まれ変わる時は常田大希に踏まれる言葉になりたい。

「劇をeio」「何時もiuo」「命をioio」「迷路のeioo」「のらりくらりoaioai」「千鳥足でioiaie」「命のioio」「最後aio」

「出鱈目なeaaea」「渡れaae」「駆け引きaeii」

「繰り返してuiaeie」「筋書きuiaia」「無理矢理でuiaie」「継ぎ接ぎuiai」「先はaia」「振り出しuiai」「吊橋をuiaio」「剥き出しでuiaie 」「口無しuiai」

冒頭から全韻コンプリート。太鼓の達人だったら「フルコンボだどん!!」とか言いながらどんちゃん粉々になる。生きとし生ける全てのラッパーが血の涙流しながら常田大希の写真見てハンカチ噛み締めてる。 R指定の「野田米津常田、俺達の畑荒らさんといてくれ!」が冗談に聴こえなくなる。

しかもただ速いだけじゃなく後半で変化を効かせてるのがGnuが鬼たる所以。2番に入った瞬間ようやくこのスピードに慣れたかどうかというタイミングで勢喜の爆撃のようなドラムを合図にいきなり曲がバグる。「ママのおマンマでお腹パンパンだパッパラパーな頭ん中馬鹿な儘だ」という良い意味で超絶最高に頭の悪い韻歌詞と共に聴いてるこっちの気が狂う。野球で言えば、大谷翔平の投げた165キロのストレートがそのままのスピードでこっちに向かって直角に曲がってくる。打者(俺)は死ぬ。

これで終わりかと思いきやまだ終わらない。最後に想像を遥かに超えるエグすぎる爆弾、略してエグ爆弾を落としてくる。大サビもっとも曲を聴かせるべき大サビでいきなりボーカルが知らんオッサンになる。なんか急に中尾彬?寺尾聰?みたいな低音がスッテキーなダンディズムマックスのオッサンが登場する。King Gnuを聴いていたはずがKing Akiraになる。怖すぎる。

その衝撃になんの説明もなく曲は終了。これだけ詰め込んでたった3分。ちょうど3分。この世でもっとも濃密な3分。合法的にトブ。

ただ生きるための抗体を頂戴

その抗体は間違いなくKing Gnuだったし、King Gnuを「飽きる」という抗体、一生できなくていい。