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ミクスチャーブログ

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間宮の勝利、玉森の敗北

『オー!マイ!ボス!恋は別冊で』

謎すぎるタイトルの意味がついに回収されました。そう、恋は「別冊」。物語の主軸ではない。あくまでもメインは「仕事」。フラフラとテキトーに自分の人生を生きてきた一人の女(上白石)が本当にやりたいと思える仕事に出会うまでのサクセスストーリーだったのです。

そして「恋は別冊」という言葉はそっくりそのまま登場人物にも当てはめることができます。別冊と恋する物語、それがこのドラマの答え。二番手、オマケ、別冊こそが本命。そして「別冊」とは誰なのか、上白石の夢を、仕事を一番理解し、支えてあげられる人物。本誌が玉森だとすると…もうおわかりでしょう。

 

「なんかやっぱりこの仕事っていいなと思って…よくわかんないんですけど夢とはまた違うんですかね…?」

と、始めて空を見た魚みたいなことを言い出す上白石に

 

「夢か夢じゃないんじゃないかで悩むんじゃなくて…夢にしてから悩め…」

 

と助言する男。もはや歩く聖書。人生で進むべき道はいつも彼が示してくれる。

 

9話。上白石に「結婚して実家の金沢で一緒に暮らさないか」と突然のプロポーズをした玉森。嬉しさのあまり、とっさにOKの返事を出した上白石だったが、仕事を面白いと感じている自分に気づく。玉森か、仕事か、徐々に自分の気持ちがわからなくなっていく上白石。玉森の幼なじみでもあるクソヤバ地雷女の倉科カナが放った

「上白石が仕事とか夢とかに未練があるなら…上白石が自分で中途半端だと思うなら…玉森を余計傷つけるだけだよ…ホントに優しい人だから…玉森…」

の言葉もあり、ついに玉森との別れを決意する。失意のドン底に落ち、一人泣く上白石。そこに現れたのが……

 

 

 

間宮

 

 

 

「お前が…また泣いてる気がして……」

 

 

 

……やはりこのドラマの主役は間宮祥太朗だったのです。元アメリカ合衆国大統領リンカーンはこう言いました。「間宮の間宮による間宮のためのドラマを地上から決して絶滅させないために、われわれがここで固く決意することである」と。われわれは決意しました間宮の勝利を。そして間宮は見事期待に応えた。

 

…一方の「本誌」こと玉森は、最愛の人を失い…カメラマンの夢を諦め…300万(婚約指輪代)の借金を負った。フラフラと幼なじみにうつつを抜かした報いをとうとう受けた。ざまあ味噌漬けたくあんポリポリだ。圧倒的な勝利…完膚なきまでの勝利………

 

 

さぁ!!勝者の名を!!叫べェエエエエエエエ!!

 

 

ウィナ〜〜〜ァアアアアアアアアズ!!!!

 

 

MA!MI!YA〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

(フロア中に響き渡るEDM)

 

ドゥンドゥンドゥンドゥンッッ!

 

ドゥーーーーバッパバッパバラッッ!!!

 

ドゥーーーーバッパバッパバラッッ!!!

 

プチョヘンザッッッッ!

 

MA!MI!YA!

 

MA!MI!YA!

 

プチョヘンザッッッッ!

 

MAMIYAの大勝利ィイイイイイイイ!!!!!!イェエエエエエエエエエアアアアア!!!!

 

 

 

 

 

 

……とでも俺が言うと思ったか……?

 

 

…なにが「勝利」だ…?甘いんだよ…全てが甘い……俺が…今まで何人の当て馬を看取ってきたと思ってんだ…?俺はラストシーンに間宮が出てきた瞬間思ったよ。

 

「終わった」

 

ってな。なにもかも終わりだよもう。

俺がな…間宮にここまで入れ込んでるのはな…歴代の当て馬たちが踏み抜いてきた地雷を華麗に避けるポジショニングの上手さがズバ抜けてたからなんだよ。

「必要以上に目立とうとしない」

「必要以上に優しくしない」

「付き合ってないのに触らない」

「ライバルの男と必要以上に仲良くならない」

「ライバルの男に余計な助言をしない」

これをひたむきに守っていたからこそ、自分の気持ちは伝えつつも一歩引いて「待て」を貫いてきたからこそ、俺は間宮の勝利を確信してたんだよ。それなのに…なにやってんだよ間宮ァ…

最終話直前の当て馬の勝利宣言=死なんだよ。最終話直前での本命の別れ=ハッピーエンドなんだよ。なんでこんな簡単な方程式がわからねぇんだよ。

 

「お前が…また泣いてる気がして……」

 

はぁ?

 

ふざけんなよ。最悪だよ。最悪の手をお前はいま打ったんだよ。お前はこの一手で「最終的に玉森と上白石をくっつけるためだけに間宮が存在している」ということを自ら証明してしまったんだよ。

 

この先の展開を予言してやるよ。

 

上白石と間宮はここから付き合うでもなく、なんとなく同僚以上恋人未満の関係をしばらく続けるようになるわな。一緒に残業をしたり、仕事終わりに2人きりで飲みに行ったりする仲になるだろうよ。そうするうちに徐々に上白石は自分の気持ちにフタをし、こう思うようになるんだよ。

「間宮でも良いかな…」

ってな。そして煮詰まってドロドロになってしまった玉森汁にフタをして、新しい鍋(間宮汁)を手に取ろうとする。

が、間宮は気づく。気づいてしまう。いや、本当は最初から、出会った時から「知っていた」。上白石の気持ちは0.00000001ミリも間宮にないということをな。それでも気づかないフリをすればなんの問題もない、だってもう上白石と玉森は会うことはないのだから。惰性で付き合って惰性で結婚すればいい。

間宮は違う。間宮はそこにあぐらをかいて上白石を縛り付けることができない。なぜなら間宮だから。

優しいから、誰よりも上白石の幸せを想ってるからこそ、間宮は身を引くんだよ。間宮は、いやドラマにおいて「当て馬」という役割を与えられた人間はみな、三浦翔平も瀬戸康史も千葉雄大も中川大志も仲野太賀も藤木直人も、みんなみんな、そうだった。みんな優しくて、弱い。

 

間宮はある日、上白石にこう告げる。

「もう俺に気ぃ使うな…」

「えっ…」

「お前が本当に大切に想ってるのはなんだ…?俺か…?仕事か…?違うだろ…?」

「ち、ちょっ…!なぁ〜〜に言ってんすか!そんなこと…」

「もうそんな顔して笑うお前…見てらんねーんだよ…」

「…わ…わたし…」

「行けよ…お前が思いっきり『笑える』奴のところに…」

ってな…それで御役御免ですわ。おつかれっした。クソが。

 

逆に玉森…本当にすげぇやつだよお前は…優しいフリして一番の策士。令和の諸葛亮孔明。子犬の皮をかぶった狼。それが玉森裕太。

玉森は「最終回直前にお互い大好きなのに相手の幸せを想って泣きながら笑顔で別れる」という勝ち確パターンを完璧にやってのけた。一生抜けない呪いのクギを上白石の心に打ち込んだ。もう上白石が玉森のことを忘れることはこの先の人生で1秒もねぇ。

それだけじゃねぇ、婚約指輪(300万)を突き返される→自分はやりたい仕事を諦めて実家に帰る、という地獄コンボまでやってのけた。人生の底も底。もうこれ以上下がることはない。当然、視聴者はこう思うわな

「玉ちゃんかわいそう…上白石マジなんなの…?」

ってな。あとは最終回に向かって美しい「V」を描くだけ。あまりにも強すぎる。生まれながらの主人公。勝つべくして勝つ、天下のジャニーズここにあり。ジャニーさん…あなたの教えは間違ってなかったんですね…

Kis-My-Ft2=kis(勝つためにはkatsutameniwa)My(神でもだますよkamidemodamasuyo)Ft2(Ft2ふつーに)だったんだな…

  

…どこだ…?どこで間違えた…?ラスト…間宮が現れさえしなければ…いや…その前のラーメン屋で玉森と間宮が偶然会ったときから、

「結婚なぁ…鈴木はさ…編集の仕事やりたがってる…たぶん…やっとこの仕事の面白さに気づいたんじゃねぇかな…」

この一言から間宮の死は決まっていた。あれがなければ玉森は上白石の仕事への未練を残したまま無理にでも結婚に踏み切っていただろう…

そうすれば「仕事への想いが断ち切れず玉森を捨て、夢を追いかける上白石」という裏ルートが最終話に生まれていた。自分で選択して玉森を捨てる、そこに後悔はない。ゆえに間宮に乗り換えることもできる。その先には1年後か5年後かわからんが、

「私が辛いとき…いつも支えてくれたのは間宮だったんだ…」

と、気づく未来が必ず待ってたんだよ。それを…なにをやってんだ間宮ァ…

 

思い返してみれば…あの日の間宮の行動全てが悪手…

同僚の女と息ピッタリに上白石をイジったり、編集部を辞めた菜々緒を引き戻すために他の連中に混ざって寒いコントを繰り広げた…結果、間宮のカリスマ性は崩れた。

いつもの間宮ならそんな茶番には参加せず、

「俺は…編集長と会社の間にいったいなにがあったのか…裏で手を回してる奴は誰なのか…そいつを探る…そっちはお前らで勝手にやれ…」

とクールに情報収集役に徹していたはずだろうが…

 

お前…本当に間宮か…?

 

間宮は影に満足できず光になろうとした、それも最悪のタイミングで。間宮はあまりにも目立ちすぎた。だから負ける。だから死ぬ。ここからの逆転は不可能だと誰もが思うだろう。だが、俺は違う。当て馬コンサルタントの俺が教えてやる。間宮が勝つ方法を。

 

『黒子のバスケ』という漫画がある。主人公の黒子はその影の薄さから「誰にも気づかれずパスを出す」ことを得意とする唯一無二のサポートプレイヤーだった。しかし、自分の決定力の低さを克服するため必殺ドリブルやシュートを身に着けたことで試合で目立ちすぎてしまい、本来の影の薄さが失われ選手としての価値がなくなってしまうというシーンがあった。

誰もが思った「黒子は終わった」と。しかし、黒子は諦めなかった。黒子は自分と似た影の薄さを持っていた相手選手をわざと目立たせることで、「自分の影に上書き」し、再び影の薄さを取り戻したのだ。

 

もうわかっただろ…?間宮がするべきは

 

「当て馬の上書き」

 

誰でもいい、ユースケ・サンタマリアでもなだぎ武でもミキ亜生でも誰でもいい、今すぐ上白石に猛アプローチさせて自分の存在を消せ…影を取り戻せ…そうすれば…まだ……

 

 

いいか…?俺の言うとおりにしろ…?俺なら…間宮のこと泣かせない…

 

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