正直「もう書くことねぇわ」と思ってました。だってYouTubeバージョンの感想記事だけで「3600文字」書いてるからな。400字詰め原稿用紙9枚分ですよ。論文かよ。もうこのまま大学に提出できるわ。これだけ書いたらさすがにCD買ってフル聴いてもさすがに言葉なんて出てくるわけ……
…蛇口か?ってくらい溢れてくるんですが…
まずCD音源の「音良すぎる」。しばらく他の音を耳が受け付けないレベルの音質。大げさでもなんでもなく一音一音が粒立って聴こえる。炊きたての米?
それに加えて2番。俺たちが今まで聴いていたマスカラはただの序章に過ぎなかった。YouTubeの時点ですら常田大希のSixTONESに対する「お前らなら俺の音楽120%出しても打ち返してくれるだろ?」みたいな絶対的信頼をビンビン感じて震えてたんですが、2番以降はもはやただの「殺り合い」。互いを認めてるからこそのガチ喧嘩。才能と才能の命のやり取りを、俺たちはただヨダレ垂らして見てるだけ。
艶っぽくて湿っぽくてどっちかと言えば「静」「陰」のイメージがある曲なのに、少しでも油断したら聴いてる側が喰われそうなくらいに攻撃的、ある種の凶暴性すら感じる。「この音楽を聴いてどう思うんだオイ?」と耳が試されてる感覚。2番入りのギターのエロさで俺はすで白旗あげて絶頂した。
メロディ、アレンジ、歌詞、譜割り、全てにおいて変態オブ変態。「カラオケで歌われること」をいっさい無視した鬼の転調。どこでリズム変えてんだよ東京の路線図かよ。
無意味な仕草ささえ切れずに垂れ流した
そんなドキュメンタリーが調子いい/京本大我(松村北斗)
とりあえず歌割り決めた人に金一封渡したいんですけどどうしたらいいですか?
出だし京本大我は完全に反則、子供には悪いんですがマジで年齢制限かけたほうがいい。言葉が矛盾しますけど京本大我の声って「良い意味で悪影響及ぼす声」ですから。こんなもん思春期に聴いたら終わりです。父ちゃんの声とか一生聴きたくない。
そして歌詞の「ラブストーリー→ドキュメンタリー」に変わる悲しさに情緒爆発した。ラブストーリーは二人がこれまで歩いてきた忘れたくない「記憶」、ドキュメンタリーはその記憶すらも忘れ去ってもう二度と見返すことのない「記録」。記憶が記録に塗り替えられていくという時の残酷さと、それを「調子いい」と強がってみせる男の絶望。つ…常田…
情けない姿も山ほど見せたけど
悔やんでばかりいられないね/ジェシー
ここ入った瞬間1番が頭から全部飛んだ。デモ音源がどうなってるか知らないですけど、こんなメロディ渡されて正気でいられるほうがおかしい。にも関わらず地声とミックスと裏声の歌い分けがあまりにも自然で、もうちょっとよくわからない。
歌がうますぎる。テクニックの意味でも「上手い」し、何度でも味わいたくなる意味でも「美味い」、マスカラはジェシーの歌があってはじめて完成するというのが完全に証明されてしまった。
わからなかった/森本慎太郎(松村北斗)
変われやしなかった髙地優吾(松村北斗)
当たり前の仕合わせを/森本慎太郎
喰らえど喰らえど/髙地優吾、森本慎太郎(松村北斗)
森本→髙地の耳馴染みの良さが実家。しかも1番では少し乱暴に歌い相手に対する「諦め」や「苛立ち」を表現し、2番では自分に対する「虚しさ」や「後悔」を感じる少し気だるげな歌い方に変えてる。慎太郎は石の話をするだけの男じゃありませんでした。
あと、俺は気づいてるからな、ずっとハモってるだろ松村北斗よ…『マスカラ』は、上下左右のメロディもそう、歌謡曲とロックとヒップホップとR&Bとスパニッシュを絶妙に融合させたアレンジもそう、関係性を断定させずに想像力を膨らませる歌詞もそう、だがなによりヤバいのは前述したように細かくソロとユニゾンとハモリと歌い分けることで声圧を自在に強弱させて曲に奥行きを持たせる「ボーカルコントロール」。
ワンフレーズごと歌割りが全てメンバーの声質や歌い方の癖もふまえた上で「一番曲が気持ち良く聴こえるよう」完璧に計算されてる。それを最も支えてるのが「松村北斗のハモリ」だと思ってる。
満たされなくなってしまった日々の
貴女の酸いも甘いも忘れたままで/田中樹(京本大我)
苦い思い出も甘い思い出も完全に自分の中から抜け落ちてる、Aメロの「ドキュメンタリー」の虚しさが増幅される。
別れた後って良いことばっかり思い出すじゃないですか。それすら無いってことは多分この2人の関係って別れた後じゃなくて「付き合ってるけどいつ別れてもいい」みたいな最悪の状態を指してるんじゃないかと確信してゲロ吐きました。
こんな歌詞をジャニーズ歌わせる常田…、そしてこの歌詞を当たり前のようにサラッと歌う田中樹のモテワル男ヴォイス…俺と声帯交換してほしい。
強くなれたならば 優しくなれるかな
見えすいた嘘で 茶化してばかりで
悲しみの雨を 丸々飲み干したら
出かけようか 出会った二人のまま
メロの複雑さに気取られるんですけど、全員で歌ってると思ってたサビですら細かく歌割りされてる。イヤホンとかヘッドホンで聴くと分かりやすくて左右の耳で聴こえるメンバーの声が違う。
例えば2サビは右から北斗・慎太郎、左から優吾・樹が次々と襲ってくる。声が近すぎる。え?俺SixTONESと一緒に住んでる?って錯覚した。聴いてると脳汁出て意識飛びそうになる、完全にギャンブルで勝った時と同じ感覚。
スト中毒になる前に早く助けてほしい。