NHKでやってた『おばけのホーリー』ってアニメが気が狂うくらい好きだったんですけど、星野源の新曲『異世界混合大舞踏会』のMV観た瞬間に幼い記憶がフラッシュバックして感情が破壊されました。星野源は俺の人生を知ってるとしか思えない。サビのおばけが踊ってるシーンで確定成仏する。
しかも「懐かしさ」の感情を脳内に植え付けたその上でめちゃくちゃ星野源やってる。最新曲にして原点回帰感すらあって『日常』と『化物』と『桜の森』と『地獄でなぜ悪い』を足したような、ふざけてるのになによりも緻密、楽しく優しいのに妙な不気味さもある「星野源っぽい」としか形容できない音でタコ殴りしてくる。
「な、なに言ってんだコイツ…?」としか思わなかった(feat. おばけ)も、ガッツリおばけがコーラスしてて、とうとう人間以外まで味方につけてるの意味分からなすぎる。怪異を電脳世界に閉じ込めるな。
頭から爪先まで『ドラえもん』以上に星野源の「あざとさ」が限界突破しててもう俺は星野源のことを直視できる気がしねぇ。特に2番の
「ひそかにィ……スゥウウ…きみのかたにィとどァまってェ……スゥゥウッッ……このよがァ……かわりゆくさまをみィてるゥ……」
吐息うるせェエエエエエエエエエなァアア!!!!!!!急に「星野源ASMR」始めるんじゃねぇよ。これ以上俺をどうしたいんですか?この曲Apple Musicの空間オーディオに対応してるんですが聴いたら星野源の生霊が俺の全方向に出現してド低音変態ボイス囁いてきて、聴くたびに怒りと快感がグチャグチャになってマインドクラッシュした。
なんで耳だけじゃなくて前からも後ろからも星野源を感じなきゃいけないんだよ。星野源で俺を包むな、俺は星野源の小籠包か?これ以上俺から脳汁を出させるな。なにが「おばけがでるぞ」だよ「星野源がでるぞ」じゃねぇかよ。
しかもこの曲は夏休み子供向け映画『ゴーストブック おばけずかん』の主題歌なんですが、
祭ることを忘れた
愚か者達の世
枕這う声がきみに囁いたら
おばけはいるぞ
だけど生きた人よりは 怖くないよ
嘆く民に 多様な神に
行き詰まるこの地球に
きみが創り 化け出る
なんちゅう歌詞書いてんだ?
ジュースの中に猛毒一滴入れる「星野源による星野源詞」すぎるだろ。俺からしたらあのメロディに「愚か者」とか「嘆く民」とか当てられるその言語感覚こそがゴーストブックだろ。知育音楽としてあまりにもセンセーショナル。
「おかあさーん、『まつることをわすれたおろかものたちのよ』ってどういういみー?」
とか言われてちゃんと答えられる親がこの世に何人いんだよ。なにも知らない無垢な瞳に「おばけなんかより生きてる人間のほうが何倍も恐ろしいのよ…」って教えるのあまりにも人生ハードモードだろ。相変わらずポップの皮被ったウイルスみたいな歌詞書いてこれを聴いた子供将来どう育つんだ?
全方位に微笑みかけながら全方位を刺しに来る擬態能力の高さと殺傷力の高さ、最近の星野源はハンターハンターのヒソカの感覚に近いんですよ。「エッ…最近めちゃくちゃ俺のこと助けてくれるけど…もしかして味方なの…?」と思わせておいて、やっぱゴリゴリの敵じゃねぇか、というあの感覚。大キライ大キライ大キライ大スキ、俺のサマーナイトタウンが星野源だということを再認識させられてしまった。
曲聴くたびに星野源に対してどんどん膨れ上がるよく分からんこの想い、どうしたらいいですか…とりあえず「ほしのげんずかん」くれ