再生ボタンを押したアズスーンアズ、東京ドームの天井が映し出され満員の観客で埋め尽くされた会場全体の画と広がっていく。55,000人の観客から沸き立つ熱気が映像越しに怖いくらいに伝わってくる。
上下左右に妖しく動く照明装置が放つ目が焼き切れんばかりの光とノイズ混じりに鳴り響くシングル曲をリミックスした音源。観客の「早く…早くちょうだい…」というSixTONESに飢えたゾンビ達のうめき声がはっきりと聞こえた。その刹那、メインステージ上に舞台を見下ろすよう設置された顔型のオブジェが開き、慣声の法則が始まった。
『Overture -VOICE-』。アルバムの一曲目であり、全編アカペラで構成された最もSixTONESの「歌声」が堪能できる楽曲。これほどオープングに相応しい楽曲があるだろうか。
空気を切り裂くような京本大我の声、掴みどころの無い雲のように自由なジェシーの声、臓器を震わされる松村北斗の声、危険な色香を放つ田中樹の声、優しく包み込む毛布のような森本慎太郎の声、夏吹く風のように真っ直ぐな髙地優吾の声。6人それぞれの声の魅力は、東京ドームであろうが全く目劣りしない。今すぐハモネプに出て無双して欲しい。
声の魅力に取り憑かれ気づかなかったが、衣装を見た瞬間、困惑で目が左右に飛び散ってしまった。猛獣の皮をそのまま剥ぎ取って作ったかのようなコートに身を包んだ6人。仮に俺が着て街を歩いたら、2秒で即逮捕アンド即起訴されてしまいかねない激ヤバ衣装が信じられないほどの格好良さを誇っている。SixTONESがトップアイドルたる理由が凝縮されていた。
2曲目は、未だ音源化されていないJr時代からの幻の楽曲『Amazing!!!!!!』だ。イントロが鳴った瞬間、会場のボルテージは完全に破壊された。ドームで聴く「We are SixTONES」は涙腺強制破壊装置と言っていい。
鼓膜と心臓が床にころげ落ちるなか、続くのは『NAVIGATOR』
「NAVIGATORとすき焼きの卵はなんぼあってもいい」
そんなことわざがあるように、いつどのタイミングで聴いてもブッ飛ぶことができるのがNAVIGATORなのだ。ジェシーの「ピィッチドッァアァァップ………」を聴いた瞬間血圧が200を超えてしまった。その流れからの『シアター』、この時ばかりはさすがに「大谷翔平よりショータイムだろ」と言わざるを得なかった。
ノンストップで聴くブレイキングダウンこと『Waves Crash』がスタート。全員が「何らかの化身」であるかのような迫力。特に田中樹のラップはもはや鬼の様相を呈しておりそれだけで息の根を止まられかねない攻撃力。自我が損失した。
そして未音源楽曲『IN THE STORM』が披露される。全員がリフトで「天井突き破るだろ」と心配になるほど高い位置まで上昇していく。
SixTONESはパフォーマンスだけでなく「目」がとても強い。京本大我以外の5人はサングラスをしているのだが、黒いレンズの奥から瞳が薄っすらと覗かせた瞬間の色気は昇天としか言いようがなく、リフトに俺の魂ごと昇っていった。
息つく間もなく、最凶アンセム『Boom-Pow-Wow!』がスタート。「爆発」という言葉がこれほどまで似合う曲もない。
とにかく原曲でも常軌を逸していたジェシーのフェイクが「狂い人(くるいびと)」の一言だった。この曲だけでなく、披露された全てにおいてジェシーがいることで「なにがなんでも生歌」であることが証明される。
その場の雰囲気でアドリブで出しているか、それとも「ここのウォウの部分はヴォォイって言おうかな〜」と何度も練習しているのか、前者だとするならただの化物。
アウトロでのそれぞれの観客への煽りも6者6様、一切飽きさせない。田中樹の「今日はこのでっけぇドームで俺ら6人の声とみんなの声しかねぇから。最高でしょ?こんな最高のシチュエーションないでしょ?」は、今すぐプリントアウトして家中に貼り付けたい。
ステージ中央に移動し、アルバム曲の中でも一、二を争うほど健全育成条例に引っかかりそうな『Risky』によって、東京ドームがFANZAドームへと名称変更した。
気味が悪すぎる骸骨イスに腰掛けて挑発的な目をしながら歌うSixTONES。われわれファンの屍だとでも言うのだろうか。
この曲は6人が6様のエロIPPONグランプリを開催することでおなじみなのだが、原曲以上にIPPONが止まらなかった。特に、松村北斗の低音が「地震?」と錯覚するほど俺の鼓膜を震わせてきた。「アガァナプレェエェェイ……」「ス゛デェエ゛ェエ゛イ゛ゥギャザァ゛ァア゛…」は会場で食らったら確実に気絶。
クールでスタイリッシュな『Dance All Night』、森本慎太郎と田中樹のユニット曲『OPA!』でSixTONESの多彩な色を魅せた後は京本大我主演ドラマ「束の間の一花」主題歌『ふたり』。
これまでの派手な演出があるからこそ6人の「歌」を届けるシンプルなバラード曲の良さがより際立つ。まるで、歌詞中の「あなた」とは俺だけに向けて歌っているかのような錯覚に陥った。
そして続く『オンガク -声ver.』
「飛び越えてしまいそうさ、この高鳴りまで」
ワンフレーズ目から素晴らしさで膝から崩れ落ちた。歌詞も、メロディも、歌声も、聴けば聴くほど、見れば見るほど、魅力が増すとはこの曲のことを言うのだろう。円になって笑顔で歌う6人こそ「アイドル」を体現した姿だったのではないかと思う。SixTONESが一番楽しい、それを見ているファンも楽しい。そんな幸せな循環がアイドルの意味なのかもしれない
そこからの『人人人』。 あの衝撃のYouTubeパフォーマンスを超える勢いとクオリティ。今すぐその変なマイクで私を殴っていただきたい。森本慎太郎の眉毛の形が良すぎて、自分の眉毛を全剃りした。
絶対に車検に通らない改造ジープに乗って会場を回る6人。運転を任された髙地優吾の表情がたまらなかった。披露されるもちろん楽曲は『Drive』。給料日くらい嬉しい時間が続いていた。
優しい空気がドーム全体を包んでいた。「今なら誰に対しても優しくなれる…」そう思った。しかし、そんな気持ちを一瞬で吹き飛ばすかのごとく魔王曲『ABARERO』が始まってしまった。
毎日一緒に遊びたい親近感を見せたと思ったら、絶対に関わりたくない恐怖感を出してくる。この二面性こそがSixTONES。
そして「電線かと思うほど信じられないくらい太くて長い森本慎太郎の靴ひも」「東京ドームで溺死する京本大我」を始め、オールナイトニッポン並に長い長いMCを経て、田中樹が突然
「それでは聴いてください、マスカラ」
マスカラ
ヴァァア……ここに来てのマスカラ…マスカラという曲の凄さとは常田大希の色とSixTONESの色が見事に融合させていることにある…その化学反応がこれまでのアイドル曲とはまったく違う新しいものが生み出されてい…
SixTONES「マスカラ剥がれたァままァ……」
中央ステージに差し込む光
ファッ……
常
田
大
希
イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!つっっ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、つね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!
突如として現れる
常田
常田「デレェンデレデンレェンデレデレ!デレェンデレデンレェンデレデレ!デレェンデレデンレェンデレデレ!デレェンデレデンレェンデレデレ!デレェンデレデンレェンデレデレ!ジャジャンジャジャジャジャジャジャッ!!!!!!ジャナナンジャジャジャナナナジャナナジャジャナアジャアナギャカヤアカヤカカアァァァギャギャギャアアアアア〜〜〜〜〜〜!!!!!ギャアァアアアアアアアアアアアアン!!!!ギャナイギャアナイギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャンギャァァァァァアアアアあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
やばすぎる。こんなこんなことが。こんなことが、
常田「…俺のうちわがないな…?なんでだよ?」
tuttttttttttttttt、、、、つねっ、つねつっっっね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!
王
王だった。
おもむろに車に乗るSixTONESと、
常田
常田を乗せて、SixTONESが、ドライブ?
どゆこと?
ライブで?うそだろ?
うそではありません。常田大希を乗せて、SixTONESがドライブをしているのです。本当に現し世(うつしよ)?????
常田「テェン…クワァクワァクワァァァン…クワァクワァクワァクワァクワァン……」
ドライブ中、突然の常田
この、このメロディまさか
大我「貫いてェ……その心をォ…………」
Vinyl
ビニール
常田の演奏で
京本大我が
King Gnuの
Vinylの
カバー
もう、もうやめてくれ。たすけてくれ
常田「ジャッジャジャジャジャジャッジャジャジャジャジャジャアジャジャアジャジャアアアジャジャア………」
えっ
SixTONES「走り出そォオ!連れて行こォオオオ!!約束の場所へとオオオオオオオ!!!!!!
樹「聞き逃すなァ始まりの合図ッ」
SixTONES「無垢な魂がッ!熱を上げェエエエエエエるッッッッ!!!!!!!」
NEW…ERA…
(常田弾き語りver)
常…………………………………………………………………
俺はもうだめです…いったんここで終わらせてください……